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ジョージア料理に恋して ⑬茄子と胡桃

ジョージア料理の全部が詰まってる、茄子と胡桃


ヘッダーのこの料理はジョージアのどこのレストランでも食べられる、定番中の定番の冷菜。
名付けて「茄子 胡桃」。焼いた茄子ですりつぶした胡桃を巻いたもの。
ジョージア語ではBadrijani Nigvzit、
または前後ひっくり返して「胡桃 茄子」Nigvziani Badrijaniと呼ばれる。
ジョージアにはこういう「まんまじゃん!」みたいなネーミングがよくある。

作り方はシンプル。

茄子、塩、スパイス、胡桃。にんにく、ワインビネガー、パクチーなどのフレッシュハーブ、飾りにあればザクロ。

茄子はスライスして油で両面を焼く。

胡桃ペーストは適量の水と共にすべての材料をフードプロセッサーにかける。

あとは焼いた茄子でペーストを包んで盛り付けるだけ。

日本人は茄子好きな人が多いけれどジョージアも同じ。ジョージアには茄子を使った料理はとても多い。
しかし、ここに胡桃を合わせるところが日本人としてはなかなか斬新。その組み合わせの妙には感動する。

初めてジョージア料理を召し上がるという方にはこの料理をお出しすることが多い。
なぜなら、フレッシュハーブ、各種のスパイス、胡桃という私が考える「ジョージア料理に欠かせない3大要素」をこの1皿で全部味わえるからだ。

初めて口にした人は胡桃ペーストの味に驚く。
「これはお豆が使われている?それともお肉?」
そのコクと食べ応えに驚かされるのだと思う。
日本人にとっても胡桃は慣れ親しんだ食材のはずだが、この使い方はとても新鮮だ。

宗教的な理由から肉食を断つ期間があるジョージアの人々にとって、胡桃をはじめとする木の実は、貴重なエネルギー源、栄養源となってきたに違いない。

いろいろな地方でこの料理を頂いたが、人による違い、地方による違いはあまり見受けられなかった。
ハーブを使わないという人、炒めた玉ねぎや赤いパプリカをペーストに加える人はいたが、差異はその程度だった。
スパイスは主にコリアンダー(キンジ)、ブルーフェネグリーク(ウツホスネリ)が使用される。

包み方は個性が出る

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