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【腸閉塞からの】備忘録#1 救急車で救急

4月5日の夕方、かなりの空腹で出先から帰宅した。
よく食べている買って来たドーナツを食べた後に、腹痛が始まった。
この数年何度も起こっていた腹痛~身動き出来なくなる程の痛みはあれど数時間苦しめばなんやかんやケロリと治まっていた、だと思い、堪えればなんとかなるといつも通りどうにかやり過ごそうとしていた。
だが数時間経っても、いつもと違って、痛みの治まる気配がない。
これはなんだかおかしいぞと思い始め、first callに相談チャットをしてみるも当然解決はせず、この時点で既に自力で救急病院へ行くのは無理かもしれない状態だった様に思うが、救急車を呼ぶことはどうしても躊躇われた。
治まるのではないかと思うも治まることはないまま痛みが始まってから10時間が経過し(堪えるにしてもちょっと堪え過ぎだろ阿呆かよ、と自分ツッコミ)、「明け方迄のあと2時間痛みに堪えられたとしても、その時はたぶんもう救急車を呼ぶことも出来なくなってる気がする」と痛みに悶え苦しみながら119番のコールをしたのは、4月6日の明朝4時だった。
119番先の女性に症状等詳細を問われ途切れ途切れに答えたが、きちんと答えられたのかは不明である。
電話から10分も経っていないのかもしれないが、体力の限界を越えていて早く早く早くと思っているところにようやくチャイムが鳴って、オートロックを開けて財布を握り締めて玄関に向かった。外からのピーポ音は私の耳には届いてなかった。
玄関を開けると救急隊員の男性がふたりいて「歩けますか?」と訊かれ、首を横に振るとすぐに担架で運ぶ準備を始めてくれた。外は寒いから上着を、と言われたのかどうか憶えていないが、クローゼットから出した上着を着てスニーカを履いて担架に横たわった。
救急車を呼ぶのは初めてで、恥ずかしい気持ちがまだどこかにあったと思う。だが正直そんなことを気にしている余裕などある筈もなかった。
車を横付け出来ないマンションのため、救急車の中に着く迄の数分がとてもとても長く、そこから搬送先が決まる迄の時間も物凄く長く感じた。
「救急搬送先の希望はありますか?」と訊かれ、「出来れば近くの病院がいいです」と答えると、「処置が終わってそのまま帰ってくださいって言われるかもしれませんが、C病院で良いですか?」と確認された上で最寄りのC病院へ受け入れが確定した。
その昔救急車に乗った時は車内に響くピーポ音がうるさくて堪らなかったのだが、今はそうじゃないんだなぁと思いながら救急車から担架でC病院の救急へ搬送された。救急隊員の方にこんな時間にごめんなさいとありがとうを言いたかったけれど、言葉にする余力はなく、ずっとずっと痛みに呻いてばかりだった。

C病院の救急で点滴をされるも痛みは一向に治まらず、2~3時間は過ぎた頃だろうか。痛みが少しだけ落ち着き少しうとうとしていたら、検査をするからと同意書の署名を求められた。
早朝にレントゲンと造影剤を入れたCT検査をした後、移動したベッドに腰掛けていたら、「このまま入院になるので、この書類を読んでサインをしておいてください」と看護師に言われ入院の冊子や提出書類を渡された。
(朝イチに徒歩で帰ることになるかも、なんて思っていたのにまさかの入院になってしまった………。)
帰れないものは仕方がない、入院に必要なものを持って来て貰おう、と友人Tに急遽入院することになった旨のチャットをしたら、「必要なものを持って行くよ」と早々に返信をくれた。入院しないとならないのか、と改めて思っていたら、当直医に「これからすぐに転院になります」と言われた。
(え?入院って言われて手引きやら貰ったのに、ここから転院?何故?)
「まだ決まってないけど受け入れ先が決まり次第、救急車で即転院します。私も転院先の病院に一緒に行きます」と。
(ちょっと待って待って、これ、どうしたらいいんだろう。)
取り敢えず慌てて友人Tには入院先の病院が変わることだけを連絡した。病院は分かり次第また知らせる、と。
当直医が電話で転院交渉してるのが聞こえて、どうやら1つ目の病院には受け入れを断られ候補2つの内の2つ目の病院には受け入れ承諾が取れて転院先が決まったらしく、その病院はどこの病院なんだろう、と思っていたらばそこからはあれよあれよのバタバタだった。
男性の事務員がやって来て「支払いをお願いします」と言われクレカでの支払いをお願いした後、すぐに救急隊員が2名担架を持ってやって来て自力でどうにか移動し横たわり荷物はこれだけか等々のやり取りの最中、領収書等を持って急いで戻って来た事務員にクレカ支払いのサインを求められて、今すぐにも担架で運び出されようとしている状況でよれよれのサインをする羽目になった。
(これさー、いまもあとでもネタでしかないよね?状況が状況過ぎて全く笑えないけど…この光景がコメディじゃん…。)
事務員も救急隊員も医師もどちらも緊急で切羽詰まっていて、この状況を呑み込めていないのは当事者である私だけだったのかもしれなかった。

ちなみに転院となった理由は、その日、C病院には麻酔医が不在で緊急手術の対応が出来ないためだった。

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