【美術鑑賞備忘録】ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
モネの睡蓮を観た。ゴッホのひまわりを観た。いずれも数々の美術書、それにとどまらず各所の本や雑誌やテレビなど、あまた目にする機会がある。だから、そこまでアイコニックになった絵を目の当たりにしても、「ああ、かの睡蓮だなあ」「かの向日葵だなあ」と、どこかその感慨を昔に置いてきてしまった印象を受ける。
ただ一つ、際立った感覚としてあったのは、特にひまわりの方を観たときで、絵の具をキャンバスにだくだくに盛ってあるために、黄色の渦の中に種を表す黒い渦が出来ていた、そのことへの興味だ。こ