「自分の曲を公に出し始めてから今に至るまで」

勢いのあるうちに元々書きたかった事までは書いちゃおうと思います。
前回同様、基本的には時系列に沿って書きます。

・ネットラップに出会うまで、出会ってからの今

正確にはインターネットに出会ってからですね。
前回書いた事なんですが、初めてHIPHOPのCDを買った時もそうなんですけど基本的に情報が全然ありませんでした。
世代的になのか我が家がそうだっただけなのか、まだインターネットがADSLだった事もあって、今みたいにナチュラルにインターネットを使うという概念が無くて、雑誌とかから何とか知る、みたいな感じでした。
そんな僕が18歳の頃に、ふとしたきっかけで仲良くなった同級生のユキジがいて、そいつはバリバリのオタクでした。
アニメ、ラノベ、ノベルゲームなど一通りお勧めしてもらって、新鮮な物が好きだった自分はしっかりオタク文化にのめり込みました。
その流れで20,21歳くらいの時にパソコンを買う事に。
理由はPCノベルゲームをやる為でした。
余談ですがその時の目的のゲームはリトルバスターズ、沙耶の唄などなど。

パソコンを買った時に家族に話して家に光回線を入れる事も出来て、インターネットが自分の部屋に入ってきました。
それはそれは新鮮で、「すごい!オタクの部屋だ!」と感じたのを覚えてます。
初期設定と同時にユキジにニコニコ動画のアカウントも作られて、「カテランとか見ながら、好きになったカテゴリの動画を掘ってごらん。」と言われ、当時はボカロを結構聞いていました。
音楽系のカテゴリを見ていると「ニコラップ」というカテゴリにすぐ出会いました。

ラップと書いてあるくらいだからラップだろうと思い、何個か開いてみたんですが、偶然なのかその時の流行りだったのか、ボカロラップや東方ラップアレンジが目立っていて、その当時の自分には全く刺さりませんでした。

これも前回書いたのですが、当時自分が好んで聞いていたのは2000年代初頭の日本語ラップで、オタクになりたてだったのもあってか、逆に拒否反応を感じたのかなと思います。
なんというか、「俺ももうオタクではあるけど、HIPHOPは HIPHOPだから、そこは譲りたくない!これはあくまでもオタクのカルチャーでHIPHOPとは違う!」みたいな、これもある種の厨二病だったんだろうなと思います。

今でも定期的に感じますが、あれだけ嫌いだった田舎の閉鎖的なヤンキー気質みたいな物が結局自分にもあるのが割と嫌です。

そこからニコニコ動画は楽しんでいましたがニコラップという存在は記憶から消して暫くした頃。
2016年くらい、だったかなぁ。
偶然聞いたのがNOIZE君でした。
めちゃくちゃ衝撃的でした。
「ニコニコ動画でも自分の好きなラップをしてる人がいる!」と嬉しくなってすぐにGmailで連絡しました。
後に聞かされたけど割とキモいと思われてたみたいです。
確かにキモかったと思います、我ながら。
だって急に自分の曲をremixしたデータを送りつけてきて(しかもmixとか出来ないからインストに無加工ボーカルを貼り付けただけの代物)、「カッコよかったんでremixしました!仲良くしてください!」みたいなメールが来るんですもん。
怖すぎます。
距離感がバグってる自覚はあったので、改めてグイグイいってしまい申し訳ない。

NOIZE君は単純に曲がかっこいいですよね。
本人にも言ったんですけど、今でも昔に出したNEXTっていうepを聞いてます。
めちゃくちゃ好きです。
今の曲もそうなんですけど、常にその瞬間で出せる最速の勢いを出してる感じで。
このスタンスって難しいと思うんです。
たくさん曲を作るってなると尚更。
だって疲れますから。
たまに走るのは誰でも出来るんですけど、動く=走るが出来るのってセンスとか才能だと僕は思います。
NOIZE君がいなかったら今でも1人でリリックを書いていたと思います。
無敵のヒーローです。
※その当時はニコ生とかをやっていてその名義で連絡を取っていました。
その名義はもちろん今はもう無いし、本人にもわざわざ言ってないけどNOIZE君のネットリテラシーを今日という日までずっと信じてます。

それで、そこからは早かったです。
「トラック提供」「トラックメーカー」の存在を知り、オリジナルの曲が作れるという事実にめちゃくちゃ興奮しました。
何度も言いますが僕はとことん無知だったので、素人は既存の曲のインストにリリックをつけるのが普通。
オリジナルトラックはプロだから用意される物、みたいな感覚でした。
狂ったようにトラック提供を漁ってリリックを書きまくりました。
その時、昔一緒にラップをしていた地元の先輩達がいたらどんなに楽しかっただろうと思います。
これについては多分書かないのですが、当時の先輩達とは色々な問題が重なり連絡は途絶えています。
もう10年近く会ってもいません。
他界してしまい物理的に会えなくなった人もいます。

その中でも特に気に入ったビートで曲を作って、宅録して、友達にMIXしてもらって、初めて公に自分の曲を公開しました。
結果的に全然伸びてないので言い訳みたいに聞こえるかもしれないんですけど、伸びる伸びないはもう全然気にしてませんでした。
とにかく楽しくて。
そこからTwitter、ついきゃすを通してたくさん友達が出来ました。
NKBO、YORU、HINO、響天動地などなど。
※名前をあげたらキリがないので、本当に初期に仲良くなってくれた人達を抜粋

・久しぶりのライブ

ついきゃすで知り合った現場の人から急に連絡が来ました。
※その後めちゃくちゃトラブルがあったので名前は伏せます
「急なんですけど明日熊谷でライブ出れません?自分が出る予定だったんですけど出れなくなっちゃって。交通費とか全部出すんで!」
常識的に考えて断りたかったんですけど、曲を作るという事が叶って、昔から曲をお披露目するのはライブが基本だったのと、実際に1人でライブをしたらどんなもんなんだろうという好奇心から話を受けました。
当日、現場に着いてただのライブではなく、ライブバトルだと知らされて驚きました。
6年ぶりのライブが初めての土地、初めてのバトルでシンプルになんのこっちゃ状態。
でもやる事は変わらないと思ってそのまま本番。
結果は2回戦敗退。
でも1回戦は勝てたという事実と、終わった後にびっくりするくらい声をかけてもらえたのが嬉しくて、同時に「やっぱり自分のライブは間違いなかったんだ。千葉の田舎は結局実力で見られてなかったんだ。」と感じたのを鮮明に覚えてます。
ちなみに交通費は貰えませんでした。

少し話が逸れたので場面を現場からインターネットに戻しましょう。
そこからも色々ありました。
インターネットなのに苛立ちを抑えられなくなってわざわざDIS曲を作ってしまったり。
81recordsに所属して、後ろ指を刺されたり。
陰湿な人間関係、陰口に耐えられなくなって孤立してみたり。
※81に関しては今でもそうですけど別に嫌いとかそうゆうのは無いです。
単純に自分がしたい事と合わなくなったのかなと思って抜けたって感じです。

ちょっとだけ時間を戻して。
NOIZE君にも会いに行きました。
渋谷でライブをすると知って、もちろんライブを見たいけど、何より直接話したいと。
それで行ったのがkid君が主催してるMartial ARTs。
mirrasikkを初めて見たのもこの時だったと思います。
ネットラップを聞いていた訳ではなかったので、当時はmirrasikkの事を知らなかったけど、ライブがカッコよくて声をかけました。

そこから少し経って、久しぶりにライブをした事もあり、自分の曲を何曲か公開していたのでkid君に連絡して、Martial ARTsに出させてもらいました。
NOIZE君のライブを見たイベントでライブがしたいんです、と連絡をしたら快く受け入れてくれました。

ライブの後、その日の内に「お前レギュラーね」と言われ、今でも可愛がってもらってます。
※現在は諸事情によりお休み中

・kid君
ここで一旦流れを止めてkid君について書きます。
上記で書いた通り、Martial ARTsをきっかけに仲良くなって、個人的な相談をしたり、たまに釣りに連れて行ってもらったりする関係です。
とにかく人間味剥き出しの人。
真剣に話をしたいと言ったら文字通り真剣に聞いてくれる。
BLACK LIGHTで自分のメンタル関係の事を相談をした時、ショットグラス2つのワイルドターキーを買ってきて※正確にはintend.に買ってこさせて
「これで俺とお前は兄弟だから。なんかあったら話せよ。」と。
所謂、盃ってやつです。
僕は今でもこの時の事をしっかり覚えてるし、気持ちの支えにしてます。
その場の流れとかもあったと思うけど、それは嘘では無く、今でも何かあった時は話を聞いてくれます。
ライブでkid君の後に俺が出番って時は「俺の弟が〜」と紹介してくれます。
イベントだけじゃなくて、タイミングがあったら普通に遊んだりする人ってめちゃくちゃ少ないんですけど、kid君はそのうちの1人です。
とにかく色々あるんですけど、クラブでkid君と話をしたり、一緒にライブをする時間がめちゃくちゃ好きなんです。
ライブがイケてる人はそれだけで信用出来ます。
もう遅いかもしれないけどここまで誉めると普通にキモいと思われるのでここら辺で止めておきます。

さて、流石にキリがなくなって来たと感じているので、今の自分とネットラップとの距離感をまとめて今回は終わらせます。
・音楽を作るテンション、モチベ、目的
・今の自分の音楽に対する感覚、距離感

これはまた分けて書きます。

・今の自分とネットラップ

僕は自分の事をネットラッパーだと思っていません。
ただ厳密に言うと、参入した時は思ってました。
※2郷に入っては郷に従う、という感覚です。
勘違いはして欲しくないので細かく書いていくんですが、別に嫌いとかっていう訳ではないんです。
いや、これも厳密に言うとめちゃくちゃ嫌いな部分とか瞬間はあるんですけど。
それは多分ネットラップとかインターネットっていうのは関係なくて、自分の中にある人間の嫌いな部分をインターネットで見る事が多いからって感じだと思います。

例えば、この界隈に来て仲良くしてくれてるらっぷさん。
自分の中で
「ネットラップという概念=らっぷびと」
という認識があるので名前を出してしまうんですが、らっぷさんがやって来た事とか、やろうとしている事のほとんどを僕は知らないと思います。
それでも本人の口から聞いた考えとか理想とか、作っている場所とか、思い出とか、それらが僕は本当に大好きなんです。
人として好きですし、僕は友達だと思っていて、これからも一緒に遊びたいと思ってます。

でも、その「ネットラップ」に自分は該当していないと思っていて、もちろん該当しないから駄目とかではないと思ってるんですけど。
なんだろう、自分の中でネットラップって所謂「ラップオタク」なんだと思ってるんです。
せかちゃんとかもそうなんですけど。
面白いトピックをライミングとかフロウ、所謂スキルに極振りして楽しむ、みたいな。
友達だと嘯とか特にそれですよね。
極振りを擬人化した、みたいな奴だと思ってます。
※嘯をネットラップと言ってる訳でも無いです。

その中にもスキルとは違う泥臭さとか、人間味があるのも感じてます。
それも言い出すとキリが無いのであくまで目立つ部分切り出すと、って感じで書いてます。
ここでも更に誤解して欲しく無いんですけど、悪口みたいにネットラップって言葉を使ってる訳ではないので、それを踏まえてくれると助かります。

ここまでを要約すると、僕はラップオタクではないんです。
ラップに対して上手い下手という事に価値を感じていなくて、カッコいいかダサいかなんです。

リリックを書く時に「この言葉に対してこんな言葉で韻を踏んだ」「ここでこんなフロウをしてやろう」みたいな事を考えた事が殆ど無いです。
トピックを考える時も「この事に曲にしたら面白いかも」などほぼ考えず、手癖で書くし、口が気持ちいい事を優先してフロウしてるだけです。

だから、ネットラップをやっている友達や、名前も知らなければ曲も聞いた事の無い人達で、色んな理由からネットラップをレプリゼントしてる人達の事を考えると、少なくとも「俺はネットラッパーだ」とは言えません。
そこにネガティブを感じている訳でも無く、ただ単に事実としてそう思うだけなんですけどね。

なんでこんな事をいちいち書いているのかというと、何かしらの媒体やTwitter、ライブなどで、ネットラッパーとして紹介されるのに違和感を感じていたからです。
それが嫌なのではなく、上記の理由から「違うと思うんだけどなぁ」と思っていて。

友達がいるからそのイベントに遊びに行く。
友達が主催していてブッキングしてくれたからライブをする。
友達だから一緒に曲を作る。
その友達とインターネットで知り合ったってだけなんですよね。
僕の友達がアメリカ人で、そいつらが西海岸のギャングとかだったとしても「俺はギャングスタラッパーだぜ」にならないのと同じ感覚です。
伝わりにくかったら申し訳ない。

※2で書いたみたいに、ネットラッパーを名乗っていた時期があるんですけど、上記で書いたように自分はネットラップをしている感覚が無いのもあって、その時の感覚でニコニコ動画に投稿していた曲は全て非公開にしています。
もちろんそれだけが理由ではなくて、単純に古い曲を聞かれるのが苦手っていうのもあるんですけど。

それとはまた更に別で、割とインターネットに疲れてるのもあります。
インターネットの関係は本当に広くて、自分のキャパシティに合わなくなってる、みたいな感じです。

これからもインターネットに僕はいるし。
同時に千葉にもちゃんといます。
だからネットラッパーの4Mではなく、僕はあくまでも「千葉の田舎で居場所を無くしてコソコソ音楽を楽しんでる志摩新太郎」なんです。

だから今後はそうゆう風に接してね、とかでもないです。
結局このnoteは自分の中の記憶とか意識の整理の為につらつら書いてる独り言です。

今自分の周りにいてくれてる友達。
会った事も無いのに自分の曲を楽しんでくれる数少ない人達。
ここまで読んでくれた物好きな貴方。
本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

さぁ結局だらだら長くなってしまいました。
次こそは
・音楽を作るテンション、モチベ、目的
・今の自分の音楽に対する感覚、距離感
ここら辺を書きましょう。

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