「今の自分の音楽に対する感覚、距離感」


noteを書き始めて、取り敢えず
・ネットラップに出会うまで、出会ってからの今
・音楽を作るテンション、モチベーション、目的
・今の自分の音楽に対する感覚、距離感
の3つを書こうと思ったのですが、なんやかんやで長くなり4記事に分かれる事になりました。
昔からそうなんですがしっかり話そうとすると話が長くなるのは悪い癖だと思います。
気にしいな自覚はあるのですが、それ故に補足とか誤解の無いように、とすると長くなっちゃうんですよね。
それでは。

取り敢えず「自分の音楽」に対するそれを書きます。
感覚とか距離感というと漠然としたテーマで、その中身として書きたい事はたくさんあるのでまたグダグダと書いちゃうと思います。

前回の目的で話したのですが、あくまでもルーティンなのが前提で、その目的や書き方を深掘りするって感じになります。

・リリックを書く目的や書き方の微妙な変化

21歳頃から31歳までの約10年間は前回書いた方法で、基本的にはビートを流して、自然と言葉が浮かぶまでは聞き続けます。
何となく言葉とフロウが浮かんできたらフリースタイルして、少ししたら「あ、今こうゆう事が言いたいんだな」とわかるので、後はそれを汲み取って完成させます。
上記のやり方が基本なので、人と曲を作るのが結構苦手です。
こうゆう曲を作ろう、と持ちかけられてしまうと、「そうじゃないといけない」という感覚が先行してしまって、完成しても消化不良みたいになる事が多いです。
かなりの確率でそうなってしまいます。
かと言って自分から誘うのもイメージを伝えられないので苦手です。

話を戻しますね。
約10年間、本当に手癖、口癖で曲を作っていたし、自分の中でそれが一番いいと思っていました。
わざとカッコつけたり、考察させてやろうと言わんばかりの凝った言い回しをしなかったり、あくまでもそれが一番自然体になれると思っているからです。
これも自分の中の古臭い考えなんですけど、HIPHOPをしようとした時に自然体じゃないのはNGという自分ルールがあります。
なので上記のやり方になりました。
で、そうするとその時頭の中にある物が自然に言葉になってアウトプットされるので、日記みたいだなと考えて、イコールでルーティンとした、みたいな感じです。
ですが自分の中で明確に変化が生じました。
今年の1月にリリースした「the beautiful ones」というアルバムを作ったタイミングです。

自分は過去にまとまった作品として、
アルバム「before daylight.」
ep「saison」
ep「AMIS」
上記3つを公開しました。

そのどれもが正直内容に対するコンセプトというのは深く考えず、とにかくまとまった物を作る、という感覚で制作しました。
saisonに関しては四季をテーマにしたのですが、あくまでも流れだけで内容に関してはそこまで意識していませんでした。

「the beautiful ones」に関しては作ろうと思い始めたのが30歳の時で、実際に書き始めたのが31歳です。
年齢的な事もあって、節目ではないのですがやった事ない事をやろうと思い、「これを最後にリリックを書くのを辞めるくらい書き切ろう※1」みたいなのが最初に浮かんだテーマです。
これは年齢とかメンタルバランスもあるんですけど、何よりビートがとても繊細に感じたから浮かんだのかな、と思います。
ビートは友人が提供してくれた物です。
元々ラップを乗せる用に作っていなくてインストを作るのが好きというタイプ。
聞きたいと言ったら20数曲データを投げて来てくれました。
聞いてすぐにまとまった何かを作りたい、統一感がある物が出来るかもしれないと思いました。
世界観が本当に好きで、作らずにはいられない感覚でした。

ビートを選んだり、ビートだけで曲順を決めたりするのに時間をかけました。
曲順が決まったらいつも通りひたすら聞き続けました。
この段階から普段と違う取り組みをしたのですが、※1のテーマから「終わらせる」という事をピックアップして、全曲通じて「終わり」をメインテーマにする事にしました。
こうゆう作り方は初めてです。
過去の経験で忘れたくても忘れられない事、忘れてしまいたい事、忘れないといけない事、白黒つけたい事、などなど自分の記憶から抽出、選別を繰り返しました。
この作業がしんどかったですね。

ただ、内容だけ聞くと暗い雰囲気に聞こえるかもしれませんが、個人的には凄い前向きな作品です。
終わらせるという事は始めるという事と同義なので、次のステップの為の作品作りです。

この書き方が今までにした事の無いやり方でした。
違うやり方をしたというのと、ビートの雰囲気とトピックをアジャストしたかったという理由でメロディは使わないと決めたり、普段自分の中で避けている
「日常生活でわざわざ使わなそうな言葉選び」
「わかりにくい比喩表現」
「グルーブよりも言葉を優先」
という方法を取り入れました。

上2つに関しては避けているどころかNGに近いです。
説明しないと内容の意味がわからない作品が嫌いだからです。
でも今回は敢えてそれをやってみました。

その結果として作り終えた後に変化が生じました。
「今までの書き方で腑に落ちなくなる」です。
ここでやっとタイトルに書いた
「今の自分の音楽に対する感覚、距離感」
に繋がってきます。

今まではルーティンとして、特別な事をやっている感覚は無く浮かんだ事を自然にアウトプットする、だったのが、
しっかり悩んで書きたい事を抽出して落とし込む、という事をしないと不安になってしまうようになりました。
これがいい事なのか悪い事なのかはさておき、とにかく自分の中では初めての感覚です。
(これはわざわざ書く程でもありませんが、自宅の洗面所で暗い時間じゃないと書けないという変化もありました)
これによって生じた弊害ですが、グルーブ感とか、自然にやってたからこそ浮かんでいたメロディが浮かびづらくなった、という事があります。
どちらも自分の中では唯一の飛び道具で、聞いてくれる人が評価してくれるポイントでもありました。
また、それと同時にルーティンだったからこそ難しく考えずに続けられていた事が簡単に出来なくなったので、リリックを書くという行為が自分の中で特別な事に変化しました。

書きたい事を抽出して落とし込めばいいだけなんですが、約10年間、書きたい事を考えて書くという事を少なくともソロではしてこなかったので、改めて今それを考えると「書きたい事ってもう全然無いな」に行き着いてしまった感じです。
逆に考えると「the beautiful ones」はそこまで出し切れたんだなぁと嬉しくなれたんですけどね。

今もepを2つ作ろうとしているのですが、そういった理由や、今の自分のコンディションから、びっくりする程筆が進みません。
困ったものです。

ですが、これもネガティヴになってもしょうがないので、今はそうゆう時期だと思いマイペースに納得していこうと思っています。
元々ガンガン曲を出すタイプでもなかったですし。

やりたい事もたくさんあります。
それはソロだけでは無く、人と一緒にやりたい事も含めて。

そもそも自分の中で、やるやらないの枠ではなかったので。
リリックを書くという行為が。

なので悩んだ結果、一丁前にアーティストぶって「これを最後に辞めたいと思います」とかそんなん無いんですよ。
当たり前ですけど。

ですが、
ルーティンだった目的。
自然体だった距離感。
この2つが同時に変わった今、どうしたって違和感が凄いです。
どんな風に落ち着くのか楽しみですね。

はい。
まぁそんな感じで最初に書きたかった事は一通り書けました。
もし、読んでくれたのであればありがとうございます。
今後は追加で書きたい事とか、自分の考え方の整理などで飽きるまで色々書きます。

飽き性なので飽きるまで。
ではでは。

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