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BricsCAD、AutoCADと土木の座標系の違い

CADは数学座標系、土木は平面直角座標系

座標系の話って複雑なので、詳しくはググってみてください。これは土木でCADを使用するときに最低限必要な座標系についてのお話です。

小学生の時に算数で習うグラフ。あれが数学座標系です。X軸が横 / Y軸が縦なのを覚えてるでしょうか。一般的なCADはこの数学座標系を採用しています。
平面直角座標系とは緯度経度から変換したもので、X軸が縦 / Y軸が横なので数学座標系とはXとYが逆です。

なぜ座標はXYZで表現するのか?

これを疑問に思ったことはないですか? これ、フランスの哲学者ルネ・デカルトの考案だと言われています。

ルネ・デカルト

2つの実数によって平面上の点の位置(座標)を表すという方法は、デカルトによって発明され、『方法序説』の中で初めて用いられた。この座標はデカルト座標と呼ばれ、デカルト座標の入った平面をデカルト平面という。デカルト座標、デカルト平面によって、後の解析幾何学の発展の基礎が築かれた。座標という考え方は今日、小学校の算数で教えられるほど一般的なものとなっている。
また、今日、数式の表記でアルファベットの最初の方 (a,b,c,…) を定数に、最後の方 (…,x,y,z) に未知数をあて、ある量(例えばx)の係数を左に(2x)、べき算を右に(x3)に書く表記法はデカルトが始めた。

Wikipediaより

XとYに優先順位ってあるの?

数学ではXを独立変数、Yを従属変数と呼びます。つまり、Xの値によってYの値が決まるという考え方です。グラフって「Xが3だから、曲線を見るとYが2になるね」て感じで読み解きますよね。無意識にやってたりしますが、Xが優先というルールがちゃんとあります。

数学座標のX軸と平面直角座標のX軸

優先されるX(X軸)が、なんで数学座標では横で、平面直角座標では縦なのか?

数学座標のX軸

まず数学座標の横方向がX軸であり基準方向である理由です。実は明確な答えが無かったりするんですが、ひとつヒントになる記事を見つけました。

対比は上下でなく左右に配置する方がよい理由|スライドデザイン研究所
引用 : Timewitch公式note

この記事では生物学的な人間の視線、視界について以下のように解説しています。

  1. 通常、人間の視線はまずは左から右、そして上から下へと流れる

  2. 人間の目は前向きに横に並んでおり、その視界は上下より左右に広い

人間の視線の動きと視野の広さからすると、優先されるX軸が横になるのは当然なのかもしれません。

平面直角座標のX軸

では平面直角座標のX軸はなぜ縦なのか、これは地図と関係していると言われています。地図では北が上、南が下で描かれますね

https://www.freepik.com

ビーコンやGPSの無い時代、船乗りは北極星を頼りに航海していました。北極星の方向に海図の上を向けて自分の進む方向を決めるわけで、基準となるX軸は北(上)方向になるのです。

BricsCAD、AutoCADで平面直角座標を扱う方法

ではどうすればBricsCADやAutoCADで平面直角座標を扱うことができるでしょう?具体的に2例ご紹介しますが、GEOPAXをご利用いただくのが最も簡単です。

BricsCAD、AutoCADでX座標とY座標を入れ替える

BricsCAD、AutoCADの機能だけで対応する場合、この方法を使うのが一般的です。与えられた、もしくは測量して得た座標値のXとYを入れ替えて作図する方法です。通常、図面は数学座標(X軸が横方向)で作図されるので、それに合わせてしまうのです。

UCSをZ軸を-90度、Y軸を180度回転させる

この方法を使っている人を近見ませんが、かつてはメジャーな対処法でした。BricsCAD、AutoCADにあるUCS(User Coordinate System:ユーザー座標系)を変更することでCADのX軸とY軸を入れ替えるんですが、この方法は以下の問題を起こすことがわかっているのでお勧めしません。

  • 文字を作図すると裏返し&90度回転されて作図される

  • 高さがプラスマイナス逆になる

  • 他社に図面を渡してWCSに戻すと正しく描画されない

GEOPAXは平面直角座標と数学座標を変換

GEOPAXはフリーツールとして提供している「座標点作成」「座標入力」「座標ファイル読込」の全てでX座標とY座標を入れ替えて座標点を作成します。つまり意識せずに平面直角座標を数学座標に変換することができます。また、図面に作図した座標点をSIMA、CSVとしてエクスポートする「座標ファイル書出」は、更にX座標とY座標を入れ替えて出力することで、数学座標を平面直角座標に変換します。
BricsCAD、AutoCADに対応していますので弊社サイトからユーザー登録を行ってダウンロードしてください。