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【映画日記】『それいけ!ゲートボールさくら組』『宇宙人のあいつ』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『波紋』

2023年5月13日(土)
立川シネマシティ 『それいけ!ゲートボールさくら組』
子どもたちは2人とも映画好きだが,徐々に3人そろって観ることができる作品は限られてきた。また,息子は友達とも観に行くようになってきた。ただ,2人で観る作品には困ることはない。この日は2人で過ごすことになり,ちょっと検索したら,以前から知っていた作品ではあるが,息子がこちらを観たいといったので,立川まで出かけた。
さすがに息子が知っている俳優はいなかったようだが,藤 竜也さん主演で,相手役が山口果林さん。その娘に田中美里さんってのも渋いけど,藤さんの高校時代の同級生(ラグビー仲間)として,石倉三郎,小倉一郎,毒蝮三太夫(遺影にて出演)が出演,毒蝮氏の孫娘として本田望結さんってのもいい。今話題の俳優は出ていませんが,豪華な俳優陣によるローカル・コメディ。

 
2023年5月29日(月)
多摩センターイオンシネマ 『宇宙人のあいつ』
この日は月曜日だが,前週の土曜日が中学校の運動会で,息子が代休だったので,私も有給休暇をもらって,歯科医や散髪などをすませて,一緒に観に行くことにした。作品は息子チョイス。
フジテレビの人気アナウンサーと結婚して話題になった中村倫也主演映画。そんなこともあって,ウェブでは本作が話題になって「大コケ」なんて書かれている記事をみかけたが,私の中では中村倫也はそんなに大ヒットするような映画俳優ではなく,イオンシネマで上映しているということ自体がけっこうすごいと思ってしまう。本作はバナナマンの日村さんはさておき,主人公のきょうだい役として伊藤沙莉さんと柄本時生君という映画ファンには嬉しい組み合わせ。個人的には伊藤紗莉さん演じる女性の職場仲間(ごみを分別する役場職員ってところもいい)に関めぐみさんが出ていたのがめちゃくちゃ嬉しい。基本コメディなので,90分くらいでサクッと終るのかと思いきや,宇宙人設定がけっこうしつこく,2時間たっぷり楽しませてくれました。

 
2023年6月11日(日)
立川キノシネマ 『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
サラ・ポーリー監督作品ということで,絶対に観なくてはと思っていた作品。サラ・ポーリーは『死ぬまでにしたい10のこと』で日本でも有名になった俳優だが,私は『エキゾチカ』というカナダのアトム・エゴヤンという監督の作品に出演していた彼女が強烈に印象づいている。恵比寿ガーデンシネマで観たのだが,当時の恵比寿ガーデンシネマは刺激的な作品を多数上映していた。そんな,サラ・ポーリーは最近は監督として活躍していて,毎作ワクワクさせられるのだ。
さて,本作は原作があるようだが,時代と場所の設定は,映画で観る限り不明(後で時代については衝撃的に知ることになる)。ヨーロッパというよりは,集団でヨーロッパから入植したアメリカ南部のような雰囲気があります。そう,ラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』に雰囲気が似ていると思います。とはいえ,『ドッグウィル』は人工的な作りでしたが,本作は中世の歴史映画のような雰囲気。ともかく,農業を基礎とする素朴なコミュニティ生活を描く農村に,男性による組織的な性犯罪が蔓延し,それが発覚し,女性たちが話し合いによって行く末を決めるという物語。識字もできない状態に置かれた女性たちの話し合いに,ベン・ウィショー演じる大学に通って村に戻った男性が記録係で参加する。ベン・ウィショーの作品は数多く観ていませんが,雰囲気があり好きな俳優。女性同士の話し合いには3組の家族が選ばれ,2組は三代の女性たちが参加しているということで,老女が2人,母親世代が4人(2人は姉妹),そしてその子どもたちというメンバー。母親世代の一人(その性暴力によって妊娠中)を演じるのはルーニ・マーラー。出てきたころは人工的なまでの美しさが馴染めなかったが,本作では加齢もあるが自然な感じで魅力的だった。ともかく,女性も一枚岩でなく,それぞれの事情と異なる想いを抱えながらも対話を重ね,お互いの想いに寄り添いながら最善に道を模索していくという過程が描かれる。本作を通じていくつもの箇所で成人男性の愚かさとその暴力の恐怖が思い起こされるが,それでもそうした体力を蓄える前の少年に関しては良心や理性を手に入れるチャンスもあり,そこに希望を見出している。そして,最終的にも女性たちにこの先の不確定な苦難も予測されるわけだが,希望の光に向かった結末は静かでありながら,観る者に安堵感を与えてくれる。

 
立川キノシネマ 『波紋』
久し振りに映画二本立ての一日。もう一本として選んだのは荻上直子作品。私は2005年の『恋は五・七・五!』で衝撃を受け(そういえば主演は関めぐみさんだった!),『バーバー吉野』でうなった。しかし,その後『かもめ食堂』は好きだったが,『めがね』は観たような,観なかったような。それ以来,彼女の作品は観なくなってしまった。ところが本作の予告編はピンとくるものがあり,主演が筒井真理子さんってところが,これは間違いなく面白いという確信を得た。配偶者が三石 研ってところは無難すぎるというか,もっと意外な配役でも面白かったと思う。本作は東日本大震災(福島原発事故の放射線)と新興宗教を盛り込みつつコメディタッチでまとめている。新興宗教の地区のリーダーとしてキムラ緑子,信者仲間として江口のりこと平岩 紙を配役しながらも個性の強いこの2人が大して面白くないのも面白い。職場の同僚を演じる木野 花は本作において重要な役どころ。そして,息子は磯村勇斗でその恋人役を津田絵理奈という役どころと同じ聴覚障害者のようだが,本作においてはやはり重要な役どころである。まあ,そんな感じで見どころ満載な作品なのだが,ともかくすべては筒井真理子さんの引き立て役というか,彼女の魅力を十二分に堪能できる作品。


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