東日本橋「カレーショップ クッテコ」錦糸町「錦糸町サウナ」両国「ウランバートル」
錦糸町で友達と会う約束があった。ついでに道中で昼飯でも食べていこうと思って家から自転車を漕いだ。
昼は東日本橋に寄って「クッテコ」に入った。
バーの間借りカレーの店で、看板も出ており店を見つけやすかった。
昼間から照明暗めの落ち着いた雰囲気だ。ただ店員さんが非常に親切で、敷居の高さを感じさせなかった。
チキンカレーにポーチドエッグのトッピングをしたものを注文。
シャバシャバのスパイスカレーみたいなものを想像していたが、思っていたよりも固形感のあるルーだった。
最初は結構辛い印象だったが食べているうちに慣れてきた。
またフリーオイルという、カレーと混ぜて食べるオイルを選べるシステムがあり、ごま味噌オイルをいただいたが辛さが軽減され、まろやかな味わいになった。
アイスコーヒーやケーキを注文してくつろいでいるお客さんもいて、何かデザートが食べたいなと思ったら「スパイスアイス」なるものが目に留まって注文した。
オレンジとカルダモン味のアイスというだけでも珍しいのに、胡椒と塩をかけて食べてくださいと調味料を出された。
かけてみると甘さとしょっぱさが同時に襲ってきて、初めて食べる味だったが美味しかった。美味しさの方向性としては塩キャラメルに近いかもしれない。
店を出ると自転車を漕いで錦糸町に移動。
第二の目的はリニューアルされた「錦糸町サウナ」に行くことだ。
こちらの店は以前はSNSやGoogle Mapの口コミ欄での炎上が目立つ施設だった。
経営者の傍若無人な振る舞いが発端のようだったが、正直、錦糸町はそんなに治安の良い街ではないし、昔ながらの習慣とか、独自ルールが残っている場所が多いので、まともな接客を期待するならば別のところに行けばいいのに…と思っていた。
それぐらい独特の空気感のあるサウナ施設だと思っていた。
経営者が変わったとのことだが、接客は以前と同じくそっけない印象。
6時間2300円のコースで入ると脱衣所に向かった。前に行ったのは2、3年前だと思うので懐かしく感じた。
昔は「男を磨け!」とか、よくわからないことが書かれたポスターが大量に張られていたのだが見かけなくなった。
浴場自体は広くないのだが、やけに大きな水風呂と、下に降りた半地下みたいなところに熱い湯があり、構造も独特だ。
肝心のサウナはヒノキにリニューアル。部屋の奥に更に部屋があるような、これも変わった構造になっていた。
テレビがあるのに、どの位置に座っても画面が見づらいのが難点だが、サウナ室自体は非常に素晴らしい環境だった。
激アツだが不思議と居心地は良く、1段目か2段目か座る場所を調整することで熱さも好みに合わせられるので無問題だ。
ヒノキの香りもリラックスできたし何より広くて快適だった。
水風呂も広いので解放感があり、冷たすぎないので長居できるのも有り難かった。
2階の外気浴スペースで寝転がると久しぶりに素晴らしい整いが訪れて、やはりサウナで有名な施設は一味違うなと思わせられた。
お湯もサウナも熱いので1セットの回転が速く、正直2時間もすると飽きてきたのだが、この後の予定まで少し時間があったので結果的には長いコースで入って良かった。
18時半頃にサウナを出ると自転車で両国に移動。
予約していたモンゴル料理店「ウランバートル」に入った。
この日は昔の友人と約10年ぶりの再会だった。
女友達なのだが、10代の頃にネット上で知り合って親交を深めた。
高校を卒業すると彼女が九州から上京してきて、何度か遊んだり、バンドの真似事をして一緒にスタジオに入ったりもした。
ただ私が26歳の頃に彼女が福岡に帰るということで、赤羽付近で食事をしたのが最後だった気がした。
それからほとんど連絡もとっていなかったのだが、ひょんなことからFacebookで連絡がきて、また東京に戻ってきているとのことだったので会うことになった。
店に入ると先に着いていた友達が席に座っていた。
良くも悪くも10年の期間が空いているとは思えないほど、私たちの関係は自然で、つい1カ月前にも遊んだことのある友達のように思えた。
店ではボーズと呼ばれるモンゴルの小籠包や、チャンサンマハという塩ゆでされた羊肉を注文した。
チャンサンマハは特に美味しくて、よく染み込んだ塩と、柔らかい肉の食感が心地よく絶品だった。
またホイツァイという羊肉のミートーボールスープも飲みやすくて、マントゥというパンを浸して食べると更に美味しく感じた。
ただ最後に飲んだ塩ミルクティーだけは生理的に受け付けない味で、確かに一緒に頼んだ揚げパンとの相性は良いのだが、最後まで飲み切るのが大変だった。
様々な国の料理を食べたことがあり、あまり好き嫌いがない方だと思っていたが久しぶりに苦手と言える味だった。
ただ新しい味を体験できたことはプラスに考えたいので、これからも臆することなく知らない料理や飲み物を頼んでいきたい。
友達とはお互いの仕事やプライベートのことを適当に話した。特筆すべき話もなく、ただ昔からの友達とどうでもいいことを話したなという印象だった。
10年ぶりということで抱き合うような感動的なシーンも期待したが、実際は良い意味で凡庸な時間が過ぎていった。でも本当の友達とはこういうものだろう。ありふれた日常を共有できるから友達なのだ。
「また会おうね」と解散すると、私は自転車に乗って帰路につくのだった。