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地域の財源とどうつきあうか

日曜日は集落の経営ノートです。人口3000人くらいの小学校区に暮らすゲンヨウです。地域の小学校は、義務教育学校になっていて幼稚園の年長さんから中学生まで10学年が旧小学校の校舎に収まっています。小中が一つに収まるくらいなので、1学年の生徒数は30人にも届かない小さな学校です。

1.小学校のグラウンドが草ぼうぼう

写真は小学校のグラウンド、鳥取県ではやりの芝ではなく、勝手に草が生えてきています。小さい学校なので、そこまで激しくグラウンドが使われるわけでもなく。また、用務員さんがいるわけでもないので、こんな感じです。勝手に芝生化みたいになっています。

2.年1回、地域住民の環境整備で綺麗にしている

年に1回、PTAおよび地域住民の連携で、グラウンドを中心とした環境整備(草刈りなど)を行なうことで、最低限の状態は保っています。それだけでは足りないみたいで、地域の方が草刈りを自主的にやってくれてたり、先生方がやったりもしているそうです。

とはいえ、そういった現場対応では限界なこともある。なので、学校としてもグラウンドの土の入れ替えなどの予算について、市に希望をあげてくれているらしいです。

3.義務教育学校の整備がまだ終わっていない現実

僕は学校の一体化の議論(一貫校準備委員会)の時から関わっているので、学校をめぐる整備の依頼と実際の整備状況を比較することができます。

冒頭のグラウンドの改修以外にも、学校の整備の話は①学校内の施設整備(教室の改修・部分的な増築など)②学校の外の改修A(空きスペースの駐車場への整備、駐輪場の整備)③学校外の改修B(中庭を幼稚園児が遊べるスペースに改修、旧駐車場の改修)④老朽化した不要施設の撤去・テニスコートの整備、準備委員会の時に話されていた実施計画では③までは、今年全部終わっている予定でした。その次にグラウンドの整備の話になるはず・・・。

しかし、現実は①と②の部分(校舎の内部の改修および、外部の改修は一部)で止まっています。来年度予算にどこまで乗るのかも不透明とのこと。これでは、グラウンドの改修の話はいつになることやら。④に関しては知らないうちに計画そのものが無くなってました。

このままでは、一体化前に話されていた教育・保育環境の向上はどこにいってしまうんでしょう。子供たちの1年は僕らおっさんの1年とはかなり違うと思うので、こどもが遊ぶ環境だけでも急いでほしい。

4.合併を選んだ自治体の住民が持つべき心意気

鳥取市は9市町村が平成の合併で一緒になりました。当時は当時なりの判断基準で一緒になったし、それを住民側が選んでいるので、なんとも言えません。ただ、僕の地域の教育投資が大事と、エリア(旧自治体)で合意形成しています。しかし、鳥取市内の学校施設の順番待ちに並ばないといけません。

そこで、声高に「約束が違うぞ」と言っても、約束って何?って話になると思います。そうです、必要なものであれば金額次第ではありますが、自前で準備する心意気が必要になります。待っても来ないかもしれない。

行政との仕事もしているので、一旦並び方が決まってしまえば、各地域の事情なんて関係ないです。並んで待つしかないし、優先順位の名のもとに、優先的な案件が入れば、前に入れられます。

今年はエアコンの設置が、それでした(エアコンは大事なので、それでよいと思います、そこに文句はありません)。でも、現状の設備順番が何番で、エアコンが入ったから1年遅れる話なのか、もっと遅れるのか、まったく僕らにはわかりません。

自分たちで判断して、公共施設や教育施設であっても、自分たちでお金を集めて整備する、そんな心意気で臨まないと、待っていても計画的に進まない時代になりました。合併を選んだということは、そういうことなのかもしれません。

冷静に考えればそうなんです。人口の総数は増えても、サービス範囲は変わっていないわけですし、財源も職員数も減っていきます。必然的に人口密度の低いエリアの優先順位は下がります。

そこまで来ると、準備委員会で松・竹・梅みたいな感じで3パターンの計画を考えたりするべきだったなと。最悪、梅まではできます。松は現実は難しいですね。そんな感じ。理想を積み重ねて計画は作り、知らず知らずカットされていく。

5.財源の撤退戦とどう向き合うのか

グラウンドの草ぼうぼうだけでなく、バス路線の廃止だったり、今後じわじわと財源の撤退戦が始まります。学校に一人1台のパソコンが配置されても、校舎の雨漏りは直してもらえないかもしれません。時が来るまで。

合併を選ばなかった地域は、少ない財源で自分たちで優先順位を決めながら地域経営ができる機能を残しています。不便になることはありますが、議論や意見交換を経た不便。

合併を選んだ人口の少ない地域は、優先順位を決めてもその意見は通るのかどうかわかりません。いつ来るかわからない財源はなるべくあてにせず、優先順位を決めたものに対して自己投資をしていかないといけない時代になってきたんだなと感じています。合併した地域ほど、自主財源が大事になりました。財源が不安定だから合併してたと思うのですが、合併で実は不安定さは増したのかもしれない。

地域住民が必要なサービスを、公私の事業を組み合わせながら、ぼちぼちと提供していく。地域で稼げる部門を作って、必要な部分へ投資していく。リアルシムシティが目の前に来ています。

6.自分の地域を経営していく

今回は、集落の経営ノートというよりは、その集合体である「中学校区の経営ノート」みたいな話になりました。じっくり見てもらえば、自分の地域の中でもじわじわと起きている話だと思います。

楽しく、じわじわ稼ぎつつ、地域内のリソースを効率よく回していく動きをやっていきたいと思いました。動きます。

最後に、この文章は行政批判したいとかそういう話じゃなくて、自分の地域でできること、必要なことをちゃんと再整理したほうが良いって話と、待ってて来なかったら困ることは、先に自分たちでやってしまう方が良いんじゃない?という提案に近いです。しなやかな地域経営を考えていきたいです。


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