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発達障害を疑っている方に、診断プロセスをザックリ説明します

今回は発達障害の診断プロセスについての記事です。「自分は発達障害かも?」と疑ってはいるけど、まだ病院やクリニックへ診察には行ってないという方を想定して書きました。

事前の準備

まず事前準備として、自分の現状を上手く話せるように、頭の中でまとめておきましょう。紙に書いて持っていくのもO.K.です。

例えば、自分がASDなら、対人関係やこだわり、強い興味のあることについて説明することになります。ADHDなら、不注意と多動・衝動性をメインに説明することになるでしょう。

また、障害との関連で、幼少期からこれまでの来歴や家族構成などは、必ず訊かれますので要領よく話せるようにまとめておきましょう。

診断プロセス

問診
上で述べたように、現在の状況(何に困っているのか)、これまでの来歴と家族構成は必ず訊かれます。自分は〇〇(発達障害や他の精神疾患の名前)の疑いがあると思っている旨をまず伝えて、そのあと、症状について話していくのがいいでしょう。

症状や子供の頃の自分の様子などに対して、それぞれ具体的なエピソードをいくつか用意しておきましょう。

心理検査
心理検査は、ウェクスラー知能検査が使われることが多いようです。これはIQ検査の一種なのですが、5分や10分で結果が出るIQアプリのようなお手軽なものではなく、最低でも1時間半程度はかかる大がかりな検査です。この検査では、以下のような数値を測ります。

(1)言語理解(VC):言葉を理解したり、説明したりする力
(2)作動記憶(WM):聴覚情報を頭の中に一時的に保持する力
(3)知覚統合(PO):視覚情報を関連付けてまとめ上げる力
(4)処理速度(PS):視覚情報を事務的かつ正確に処理していく力


これら4つの項目の内、(1)と(2)は合わせて言語性IQ、(3)と(4)は合わせて動作性IQと呼ばれており、両方の総合値は全IQ(総合的なIQ値)と言われます。

言語性IQは日常や学校などで言語活動により得た知識や経験に根差した能力を表し、結晶性知能とも呼ばれます。動作性IQは新しい状況で情報を処理・活用する能力を表し、流動性知能とも呼ばれます。

結果通知
診断が出るまでの期間は、早ければ1か月程度、遅ければ3か月程度が一般的です。ただし、個々の病院やクリニックの方針や混み具合にも左右され、2週間ぐらいだったり、3か月以上かかる場合もあるようです。

診断結果については、書類(心理検査の結果など)を渡されて口頭で説明を受けるというパターンが多いはずですが、心理検査の結果も含めてすべて口頭での説明だけというケースもあるようです。

個人的には、心理検査の結果は自分の適性を知るうえで重要な資料と考えています。必要だと思われる方は、事前にもらえるかどうか問合せをしておくとよいでしょう。

まとめ

・病院に行く前に、自分の症状を上手く説明できるようにまとめておく。
・子供の頃からの来歴と家族構成は、かならず訊かれる。
・心理検査は1時間半ぐらいかかる。
・心理検査の結果は、資料としての価値が高い。


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