見出し画像

【GENT'S STYLE】公開記事:偉大なる旅第一回 アランセーターの聖地にはアイルランドの良心があった

(この記事は会員制メディア【GENT'S STYLE(ジェンツスタイル)】の有料公開記事です。個人会員月額1,100円(税込)として入会すると、この記事も含めサイト上のすべての記事と動画の閲覧、オフ会やイベント参加が可能となります。二週間無料トライアル実施中。ご入会はこちらから。

 ジャーナリストという職業柄、海外取材が多いので周囲から羨ましいとよく言われる。私にはひとつのところに定住できない持病があるので、この仕事は天職だと思う。
 その反面、極度の心配性なので、これはこれで苦労が多い。

 一口にジャーナリストと言っても、海外取材がメインの私の場合、その仕事は広範囲だ。依頼される仕事もあるが、メインとなる仕事は企画の発案に始まり、先方への取材申し込みからフォトグラファーを選んで仕事を依頼し、旅程のオーガナイズまで自分でこなす。

 つまり、ライターとエディターとコーディネーターをひとりで兼ねている。取材がうまくいくかどうか、その全責任は自分にある。取材前日はコーディネートした案件が万事うまくいくか、心配で眠れない。そんな性格なのに、この不確定要素満載の仕事をなぜ続けているかといえば、その土地でしか味わえない体験や、その土地に暮らす人々にインタビューしなければ聞けない言葉があるからだ。

 おそらく一生その土地を踏むことも、彼らに会うこともない読者の心を打つのは、こうした彼らの心の声が原稿となって読者の心に響くからだろう。それはプレスリリースを読んで書く、情報を羅列した記事との大きな違いだと思う。

 彼らの言葉を発見するために私は取材に行かなければならない。

ここから先は

3,771字 / 1画像

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?