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戦前の観光案内や旅行案内の栞

先日は昭和初期戦前の古い紙物を買取致しました。福岡市早良区で満州から持ち帰ったという写真アルバムに交じって煙草の包装紙や絵はがき、そしてこの旅行案内栞のアルバムを譲っていただきました。昭和6年くらいだと思われます。戦争がまだ激化する前年の物ですね。6この当時の日本はまだ大正ロマンの豊かな文化が残っています。建物や乗り物、洋服や、雑貨、書籍など現在でも参考になるものに溢れていました。このアルバムもその一つでご本人さんは国内で旅行された時の記念の栞を張り付けています。明治から戦前までの間に出版された旅行案内書は1000点ほどに及ぶのではないかとのことです。時代によってその特徴は異なり、徒歩での旅行がメインであった江戸時代は、街道図や街道沿いの名所、宿場の場所、名物、距離などを記した「道中記」や、名所を図で表した「名所図会」が旅行案内書の役割を担っていたようです。1880年から1900年頃にかけて全国の鉄道網が整備され、旅行の移動手段として鉄道が使われるようになってくると「道中記」や「名所図会」のスタイルを引き継ぐ形で、私鉄による旅行案内書が出版されるようになります。国(官営鉄道)が旅行案内書を出版するようになるのは組織が拡大されてからのことですが、1924年に出版された『鉄道旅行案内』に代表される、横帳形式で、文章と鳥瞰図が組み合わさったスタイルは日本独特の鉄道旅行の案内書として定着し、その後、多く世の中に出回りました。鉄道旅行案内としては、満州や樺太といった外地植民地を案内したものも日本語で多く出版されている他、日本をブロック別にわけて案内した『日本案内記』(1929年~、鉄道省)や、特定のテーマに特化した鉄道旅行案内書として『温泉案内』『神まうで』『お寺まゐり』『花と郷土』なども出版されました。

骨董品買取の福岡玄燈舎では古い観光案内や旅行案内を買取致します。お気軽にお問い合わせください。受付年中無休 電話050-3569-2100

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