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オレンジ・ランプ | 山国秀幸

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ある日、僕は認知症と診断された。 まだ、39歳だった――。 実話をもとに描く、夫婦の9年間の軌跡。 僕は39歳で若年性アルツハイマー型認知と診断された。 車の営業として働き盛り… もっと読む
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記事一覧

国は守ってくれないのか?制度に感じた憤りと困惑 #5 オレンジ・ランプ

*  *  * 翌朝、いつもより早起きをした。 すぐに行きたいところがあった。キッチンで…

まだ三十九歳なのに──。「働きすぎのストレス」なのだと楽観視していた。 #4 オレン…

*  *  * 只野真央二階に上っていく晃一の背中に、何も声をかけられなかった。 病院で…

突然思い出せなくなる。そんな不安と不確かな世界の中で毎日を過ごしていく。 #3 オレ…

ある日、電話を取った女性事務員の山崎尚子が声をかけてきた。 「只野さん、山田様から二番に…

充実した毎日。そんな日がずっと続くと思っていた。 #2 オレンジ・ランプ

*  *  * もちろん、僕には心当たりがあった。 だからこそ、「病院で一度ちゃんと診て…

「認知症は人生の終わり」診断を下されたあの時はそう思った。 #1 オレンジ・ランプ

*  *  * 私の夫、只野晃一は認知症だ。 正式には、「若年性アルツハイマー型認知症…