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人を説得する12原則についてみていこう

こんにちは。どっしりリーダーシップ研究会担当講師のこうめいです。

どっしり塾では『どっしりリーダーシップ研究会』の一環としてD・カーネギーの『人を動かす』の授業を開講しています。

この記事はその授業でも使用する記事となっていますので、後々有料公開とさせていただきます。

無料公開中はどなたでも読んでいただけますので、自由に読んでくださいね。

それでは今日は前回のこの記事の続き。

『人を説得する12原則』をテーマに話していこうと思います。よろしくお願いします。

あなたは、なんで自分の仲間や部下たちは私の指示通りに動いてくれないんだろうな~。なんて悩んだことありませんか?

私も恥ずかしながら20代のころは我が強かったので、この上司の言うことは聞く。この上司の言うことは最低限しか聞かない。というところがちょっとだけありました(汗)

私は中国の歴史書の史記が好きなんですが、その中でも刺客列伝が好きだったんですよね。

だから若いころの合言葉は、「士は己を知る者のために死す」でしたので、自分が尊敬できない人には全力を尽くしませーん。という悪い傲慢さがあったんです

今考えるとかなりやべーやつです。天狗だったんですよね(笑)

起業してからは、そんな傲慢さは持って居たらいけないと気が付いて直したんですが(汗)

話は戻しますが、じゃあ、私がどんな人に敬意をもって接していたかって考えていくと今回話をする『人を説得する12原則』と『人を変える9原則』を実践していたそんなリーダーだったなって改めて感じてます。

だから私もそういう尊敬される人間にちょっとでも近づきたいと思って、一生懸命にD・カーネギーの『人を動かす』の勉強をさせてもらってます。

ということで私みたいな傲慢さは皆さんにはないとおもいますが、私みたいな部下でも動き出すように説得する12原則見ていきましょう。

それでは、12項目をどどっと並べますね。

  1. 議論を避ける

  2. 誤りを指摘しない

  3. 誤りを認める

  4. 穏やかに話す

  5. イエスと答えられる問題を選ぶ

  6. しゃべらせる

  7. 思いつかせる

  8. 人の身になる

  9. 同情を寄せる

  10. 美しい心情に呼びかける

  11. 演出を考える

  12. 対抗意識を刺激する

文字だけ見るとわかりにくいところもあるのでいつも通り細かく見ていきましょう。

1,議論を避ける

相手を論破しても得られるものはない。むしろ失うものばかりなんだ。ところが最近論破をすることを嬉々として喜んでいる人たちがいる。

そして、その人たちにあこがれる人もいるので非常に世の中が殺伐としてしまっているよね。

もちろん必要な議論から逃げなさいということではないんだ。

じつは「人を変える9原則」に、遠回しに注意を与えるという法則が載っていて、議論をするのではなく相手に間違いを気が付かせて、しかもそれを自分で導き出せたように誘導する。

これが賢いリーダーのベストの対応なんだよね。

最初はできないかもだけど、お互い、そんなやり方を身につけてなるべく議論は避けて物事を進めていきたいよね。

2,誤りを指摘しない

相手の誤りをこれ見よがしに「鬼の首とったぞ!!」みたいにガンガンたたく人いますが、あれは悪手です。

もちろん相手がテイカー(あなたから奪おうとする人)で、無茶苦茶言っている場合は本気で戦わなければならないこともあります。

法律業とかしているとそういう人に出会うこともあり、相手の誤りや問題点を見つけて弁護士さんに託すようなことが必要な時もありました。

でも、相手の誤りを指摘するときは本当にこちらかあちらが滅びる覚悟の戦いの時だけにしましょう。

じゃあ誤りをどう指摘すればいいかは、さっき書いた通り、「気が付かせる」ために誘導していくのが大事なんですよ。

3,誤りを認める

最近「ごめんなさい」できない人が増えてきましたよね。相手の誤りを指摘はするのに自分は謝れない。これでは戦いはいつまでも続きます。

特に日本人の関係では多くの場合は、先に謝ってしまった方が有利になるところがあります。

それは、先に自分の非を認めることで「相手への敬意」を示すことができるからなんですね。

但し、自分が間違ってもいないし、なにも問題を起こしていないのに謝る必要はありません。そういう時は、先ほどと同じように相手に気が付かせる方向で話を運ぶのがおすすめです。

その一方で、部分的に問題があったかもと思ったらその部分だけは謝ってしまった方がいいでしょう。

冷静に振り返り、自分が非を認めるところと、認める必要がないところを分けて話を進めていくと相手もその話を受け止めやすくなりますよ。

4,穏やかに話す

喧嘩腰で怒りの感情を相手に与えて交渉を有利にする手法があります。でもこれは、一時的に有利になるだけで長い時間は効果を発揮しません。

その一方常に穏やかな話し方をする人は、人から好かれます。

ただ穏やかというのは声が小さいとか、消極的とか甘いということではないことに注意が必要です。

特に自分に非があることを知っている人ほど、あなたがどんな姿勢で批判してくるかびくびくおびえています。そんな人に対し攻撃的に話しても、防御反応ばかり示して話は進みません。

だから穏やかにあえて話すことが大事なんですね。

ただ、穏やかさを勘違いさせて甘い人だと思われるとチームをまとめられませんので、きちんと筋を通すところは通して甘くならないようにはしましょう。

5,イエスと答えられる問題を選ぶ

営業のテクニックに「小さなイエスを積み重ねさせる」というものがあります。有名な手法なんですが、これ間違って結構使われています。

というのも何でもイエスといわせるように誘導すればお客さんが、自分が思う通りに動いてくれるわけではないからです。

このイエスを積み重ねるという手法は、お客さんが不安を抱えている部分をひとつずつ潰し、自分の不安が解消していくことで納得できるように導くのが正しい手法。

今回は集客の話ではないので、これ以上深く触れませんが、買わない理由を分解してそれをひとつずつ丁寧につぶしていくことでYesといいやすくするわけです。

このテクニックはリーダーとして部下に対する接し方でも同じように使えます。

私が塾の講師の時に、ある先生が嫌いだと言って泣いている生徒がいました。でも、その生徒はその先生のことを信頼していたはずなんで、おかしいなと思い話に参加したんです。

その時やったのが、○○先生の何が嫌いなの?というのをひとつづつ聞いていく作業。次の「相手にしゃべらせる」とも共通しているんですが、そうやって話をしてもらいながら、自分の感情の整理をしてもらうように誘導したんですね。

Yesといわせたわけではないんですが、こうやって感情を紐解いていってあげた結果、その子は自分がその先生が自分よりもほかの生徒のことばかり面倒を見ているのがさみしかっただけだったことが判明して、本人もすっきりして帰っていきました。

イエスと答えられる問題を選ぶことも大事ですが、この不安を紐解いてあげてひとつずつあんしんに変えてあげるというのが私個人的にはお勧めです。

6,しゃべらせる

人間必死になればなるほど自分がしゃべってしまいます。

これが実は悪手で、相手からするとどんどん信頼値が下がっていく行為なんですね。

というのも相手は自分の不安を解消してほしく、そのために話を聞いてほしいんです。ところが、あなたが必死に話してしまったら相手は「自分の価値を低く」感じてしまいます。

耳を傾けることこそがリーダーの仕事です。それを忘れないでね。

7,思いつかせる

あれ?思いつかせるここにありましたね。先の例はこの7番目の方がわかりやすかったかなと、ちょっと思いつつこのまま話し続けます(笑)

人は自分が調べた情報を信じる。

これが顕著に表れているのは、インターネットなどで情報を集めて盲目的に信じ込んでしまう人たちの存在です。

テレビやラジオ、それに他者の発言ではなく、自分が調べた情報だから正しいに違いないと思い込んでしまいやすいんです。

私大学生の時に卒業論文書くときに教授にそうならないように、教えてもらったような記憶があります。すごく大事なんですよねその感覚。

まぁ、今回はリーダーシップなんで話は戻しますが、それがわかっていれば今度は相手に自分から教えるのではなく「思いつかせる」ことが有効だということも見えてくるかと思います。

手間はかかりますが、相手に思いつかせるように話を誘導していくといい結果を導くことができるのでぜひ意識してみましょう。

え?どうやってやればいいかは、今度別の記事で書きますね。

8,人の身になる

人はそれぞれ全く異なる価値観を持っています。どんな価値観があるか?というのはエニアグラムなんかを勉強すると参考になりますよ。

話は戻して、まさにそのエニアグラムに書いてあるんですが、自分と違う価値観の人と話すと宇宙人と話しているような気持ちになる。

そんな風に書かれています。

要するに、それぐらい価値観って人によって異なるってことです。

だからそれに身を寄せて考える癖をつけるのはリーダーにとって非常に大事な手法です。

例えば人前で称賛を受けたいタイプの人であれば、一番に称賛を受けさせててあげればいい。逆に人前が苦手なら、こっそり称賛を受けさせてあげればいいわけです。

同じように相手の立場や価値観などに論な面に視点を置いて、相手の立場で物事を考えてから行動すればいらぬ衝突を避けることができます。

自分のやってほしいという感情だけでなく、相手がやりたくなるような感情を引き出せるのが一流のリーダーですよ。

9,同情を寄せる

同情には2種類の同情があります。

中国漢王朝の初代皇帝劉邦がまだ項羽と戦っていた時代に、劉邦の部下の韓信という名将が項羽を評価してこんなことを言います。

「匹夫の勇、婦人の仁」

今この言葉を言うと炎上しそうな言葉ですが(笑)

「武人としては勇敢だが、無謀なことも平然としてしまう。また普段は思いやりがあるように見えるが、そう見えるだけで大事な時に晋の思いやりが足りない」といった意味で解釈していいと思います。

この「婦人の仁」をやってしまうリーダーが結構いるんですよね。

普段は優しそうに振る舞っているんだけど、本当に必要な時にはその優しさを発揮するどころか、自分の利益を追い求めてしまう。

すごく極端にいうと「口先だけ」「アピールだけ」の表面上のやさしさを発揮して「同情を寄せている」と勘違いしてしまう人が結構いるんですね。

これ、気が付かれたときのマイナス面はものすごく大きいです。だからやめましょう。

そうではなく、相手の立場に身を置いて心の底から同情する。というのがここでいう同情です。

ただし、情はよせてもそれで意見を流されたりとかはしたらダメなので気を付けてくださいね。

10,美しい心情に呼びかける

これはよく刑事もののドラマで、「お母さんが泣いてるぞ!!」みたいに呼びかけるやつですね。

そうやって考えると効果は本当にあるの?とちょっと疑ってしまいそうになりますが、実は結構効果があります。

それが、「私はあなたを信じてるよ」「私とあなたの約束だよ」「私はあなたに裏切られたら仕方ないと思っているよ」といった一言で、私自身も人を動かしたことがあるからです。

わかりやすい例で塾の講師時代の話をしましょう。

宿題をやってこないある生徒がいました。この生徒と面談し、私は最後にこう一言添えたんです「ほかの大人が何と言おうと、私は君を信じているよ」って。

その約束からその子は宿題を全く忘れない生徒になりました。

もちろんこれは前提として「阿部先生を裏切りたくない」と思ってもらえる信頼構築が出来上がっていたから響いた言葉ではあるんですが、信頼関係が出来上がっている中での「美しい言葉に呼びかける」のは効果が絶大なんです。

その一方で、信頼関係が出来上がっていない状況で呼びかけても響かないことが多いので、これより前の9項目を先に実践するのがいいと私は思います。

11,演出を考える

人は言葉よりも目で見たり耳で聞く物の方が印象に残ったりします。

演出を考えるというのは非常に有効で、私も授業などをやるときにどうやったら面白そうに見えるのか?いつも考えて授業に取り組んでました。

ただ、大人に向かっての演出はちょっと恥ずかしくって私は今でも逃げてです。

でも、YouTubeなんかを見ていても人気になるのはこういう演出が上手な人ですよね?それだけ演出はメッセージ性が強いんです。

言葉だけでなく、目や耳も使って相手に伝える工夫をしましょうね

12,対抗意識を刺激する

最近は対抗意識を刺激するとパワハラだのなんちゃらハラといわれてしまう時代なので非常に難しいんですが、私が使っていた手法を一つ紹介します。

私が塾で一番下位クラスを担当していたときがありました。

自信をなくしている下位クラスの子たちの自信をつけさせてあげようと、一つ取り組んだのが「一番上位クラスの漢字テストの平均点をクラス平均点で抜いてやるぞ!!」という目標。

全体テストだと結果はなかなか出せないですが、漢字の小テストなら満点を取ることも難しくありません。

そしてその当時たまたま上位クラスが小テストの手を抜き始めていたんですよね。これはチャンスと思って仕掛けました。

最初は乗り気じゃなかった下位クラスの生徒たちも、上位クラスの平均点が自分たちとそんなに変わらないことに気が付くとやる気が出始めて、数週間後に見事逆転を果たしたんです。

その結果下位クラスの子たちは自信を取り戻し、国語が好きだと言い始めて勉強に取り組むようになりました。

そして抜かれた上位クラスは、それこそ発奮して、よく週には全員満点を取って名誉挽回して、そこから手を抜くことはしなくなりました。

こういう風にただ対抗意識を煽るのではなく、勝てる可能性があると思わせてあげたうえでなら、上手に話を持っていくことができたりします。

その前提条件なしに煽るだけでは信頼を落とすので気をつけましょうね。

ということで長い時間お疲れさまでした。

ぜひ、それぞれの法則を文字だけ追うのではなく、しっかり目の前の人たちにどのように活用すればいいのか考えながら活用してみてくださいね。

それでは次は最後の章の第4章です。4章はこちら

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