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タイプ1の歴史家『司馬遷』の失敗と成功から学ぶ経営術

こんにちは。ギバー型経営者のためのカルチャースクール!どっしり塾のこうめいです。

どっしり塾では『タイプ別経営術』という授業を開講し、いろんな歴史上の人物などを参考にしながら自分のタイプの長所短所を学び経営に生かす授業をやっています。

その一部をブログでも皆さんにお届けしたいと思います。

さて今日紹介するのは、私が大学の卒業論文で研究をした『史記』の作者の司馬遷についてお話していければと思ってます。

さて、司馬遷といわれても誰か思い出せない人も多いかと思いますが、中学校の国語の教科書で漢文を習っていればおそらく聞いたことくらいはあるであろう人物です。

カンタンにまとめると、

中国の漢の武帝の時代の人歴史をつかさどる一族の生まれながら父親の代には没落して貧しい思いをしていた一族の悲願である歴史書の作成に父が任命されるも、武帝の歴史的な儀式(記録のために普通は歴史家の担当を参加させるはずなの)に参加させてもらえずそれを嘆いて父は憤死(※病で参加できなかった説もあり)父の悲願をかなえるべく式の編纂に取り組む李陵の禍勃発→連座で死刑か宮刑を求められ宦官になる→死ぬ以上の屈辱『天道是か非か?』から始まる列伝などを記した史記をまとめ上げる

オリジナル要約

このような生涯を送った人になります。

この人の価値観を学ぶうえで一番大きな事件が「李陵の禍」で、これは李陵と呼ばれる武将が敵軍にとらわれた時に武帝が自分のでお気に入りの武将をかばい、李陵に責任を押し付けようとした事件でこれに唯一反論したのが司馬遷でした。

他の官僚たちは武帝に嫌われたくないので自己保身に走ったのですが、司馬遷だけは李陵とまったく交流もないのに李陵を裁くのはおかしいと武帝に進言したわけです。

ところがそれに逆切れした武帝は司馬遷を牢屋に投獄し、のちに死刑を言い渡します。無茶苦茶もいいところです。

ただ、死刑になってしまうと先祖代々の悲願である歴史書の編纂がかなわないため司馬遷は泣く泣く死刑の代わりに宮刑という刑を受けることにしました。

この宮刑というのは、男性を男性ではなくす刑でそれを受けると人として扱われなくなるというくらい屈辱的な刑でした。実際後に司馬遷も

「死ぬことは怖くない……死を選ぶことはカンタンだ。……それよりもどう死ぬかこそが大事なのだ……」

オリジナル要約

という言葉を友人に送っており、死にたかったけれども自分のやるべきことをやり遂げずに死ぬわけにはいかないと屈辱を受け続けながらも生きることを選んだと言っています。

そんな彼が最終的に作り上げたのが史記という歴史書です。

ただの年表ではなくその時代の代表的な人物に注目しながら書かれている歴史書なので、人の思いが生き生きと伝わってくる歴史書になっています。

そんな歴史書の中に彼は自分の疑問や考えをちょこちょこちりばめました。

その代表が『天道是か非か?』という問いで、正しい生き方をしている人が不幸になり命を落とし、人を不幸に貶めているズルいやつが幸せになり長い気をする。果たして天道というのは信じてもいいのだろうか?

司馬遷自身も李陵という本来褒められるべき将軍を擁護したことで、とんでもない刑罰を受けています。正しいことをしていたら幸せになれる。そうじゃなかったの?と、歴史上の人物をまとめながらも彼はその疑問を常に感じていたんだと思われます。

そう。彼は正義の人、完璧主義の人。正義をみんなに広めたい革命家タイプだったんですね。

こういうタイプの人のことをエニアグラムではタイプ1と呼びます。

司馬遷の生き方を見ていて不器用な生き方だな。と感じるとともに、自分を曲げなかったその自分なりの正義を貫く姿には感動さえ覚えます。

私は司馬遷好きなんですよね。漢詩のゼミにいたのに、全く違う司馬遷を卒論題材にしたくらいですから(笑)

彼の行動の原点には使命感のほかに腹から湧き上がるような怒り。世の中の理不尽さへの怒り。これがメラメラ伝わってくる気が私はしています。

ただ、その正しさは残念ながら時には敵を増やし、時には他者からすると自分が見下されたり馬鹿にされているような印象さえ与えてしまうんですね。

だから司馬遷は優秀でしたし行動力もありましたが、あまり人づきあいが上手ではなかったように伝わってきます。

実際、司馬遷が刑罰を逃れる方法としてお金を払うという方法もあったのですが、お金を借りれるような相手もいなかったとされています。

これ等の司馬遷の生きざまからタイプ1の経営者が学ぶべきポイントは、

  • 自分の正義感は大事だが相手の価値観も認めてあげるゆとりを持たなければならない

  • 正義だからと常に直球!正面から!で切り込んでいくのではなく別の方法がないかも模索してみる

  • 視野を広くし木を見て森を見ずのようなことにならないようにする

  • 無意識に人を見下したようになっていないか?ゆとりをもって自分の腹の底から怒るイライラの心と向き合う

  • 怒りの方向性が内向きなのでストレスを溜めてしまう

こういうところを、気を付けないと痛い目に合ってしまうことが見えてくるのではないでしょうか?

その一方で、司馬遷は

  • 常に物事を公平に見ていた(敵の武将でも評価すべきことは評価した)

  • 責任感が強く、しっかり歴史書編纂を為しえた

  • 理想に向かって努力することができ、その精度も非常に高い

このような素晴らしいところがあるからこそ、歴史に名を残すような偉業を為しえることができたわけです。

あなたももしタイプ1の経営者ならば、司馬遷を参考に自分のいいところを伸ばし弱点克服に取り組んでみてください。

特に弱点は無意識にみんなやってしまっていることが多いので、もう一度しっかり自覚して修正することが大事です。

ぜひ、自分の中の性格としっかり向き合って自分らしい生き方ができる経営者になっていきましょうね。

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