見出し画像

心のバリア機能が落ちる春 300文字ラブレター

ご高齢だったし闘病中だったし、もうふるさとにすら帰れない体だって、わかっていたつもりだった。
たとえ会うことはかなわなくとも同じ空気を吸いたいと、日本中から崇拝者がつどった。
桜の開花が発表されたと同時にさよならするなんて、なんと心のやさしいひとだろうか。
彼女の暮らした異国の住まいは、桜の名所。
地元紙が伝えた訃報記事。添えられた写真は愛らしくていとおしくて、あふれる愛を感じた。
一面のコラムは彼女に語りかける内容だった。

ありがとう、旦旦たんたん。中国名・爽爽そうそう
長くひとりっきりにさせて、ごめんね。
天国で赤ちゃんと再会したら、いっぱい抱っこしてあげてね。
神戸のタケノコ、爆食いしてね。さようなら。

(おわり)

「きもちが伝わる100枚びんせん きょうのタンタン」フェリシモより
タン当さん撮影のきゅーとなフォトがいっぱい
#神戸のお嬢様


朱祥さん、お世話になります。泣きながら書きました。
300字に抑えるのは大変でした…


最後までお読みくださり、ありがとうございました。 サポートしていただけたら、インプットのための書籍購入費にあてます。 また来ていただけるよう、更新がんばります。