見出し画像

機械・プラント製図技能士取得への道  4.試験の内容

今回は、「機械・プラント製図技能士」の試験内容について話していきます。前回の記事で大まかな内容を話していますが、もっと詳しい内容を説明していきます。
試験は、実技と学科の2つがあります。

実技試験の内容_________________________
課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図を作成する。
試験時間は 1級:5時間  2球:4時間
課題図のイメージとしては、下記の左の機械装置を組み立てた課題図から②の部品図を作成する (実際には3面図+補助投影図等)という感じである。
課題図は紙で配布されるので、寸法はすべて図面から採寸してその寸法でCADまたは手書きで作成していくことになる。
機械装置の中には、対象部品以外に歯車、軸受け、ボルト、ナット、Oリング、パッキン等の機械要素部品が組み込まれている。

1級と2級の違いは下記のとおりである。
2級・・・鋳物部品 図面はA2
1級・・・複数の金属部品を溶接して組み立てたもの 図面はA1

わかりやすく説明すると
下記は過去の3級(3級も鋳物部品)の課題を3DCADで描いたものであり、左の機械装置から土台の部品を抜き出して図面作成する という感じである。実際にはこれが上図のような2次元の3面図で表現されていて、作成するのも2次元の3面図+補助投影図等である。
これは3級なので比較的形状が単純だが、2級はもっと形状が複雑になってくる。

過去の3級課題を3D化してみた

下記は過去の1級の課題の解答を3DCADで描いたもので、形状はそれほど複雑ではないが金属の平板や切削した部品を何枚も組み合わせて溶接しているので重ね合わせの線が多く形状が理解しにくくなっている。

過去の1級解答を3D化してみた

作図の投影方向についてはすべて指示されていて
例えば、正面図は全断面図、側面図は右からで半分は外形図 もう半分は断面図、平面図は上半分の外形図で下は省略、ある面だけを補助投影図と作成する といったような内容である。

寸法や公差等については、すべてJISに則り記入することになるが寸法以外では下記の記入が必要になる。
 ・加工指示(ねじ、キリ穴、ザグリ等) 例 M6
 ・寸法公差  例 ±0.1  
 ・はめあい公差  例 H7
 ・幾何公差  例 同軸度◎
 ・表面性状  例 Ra 1.6
 ・溶接記号(1級のみ)

実技試験はほとんどの方が、普段慣れていない鋳物部品や軸受けや歯車の図面を見てどこまでが対象部品なのかが判断しにくいところが、一番難しいところだと思います。
また、時間も足りなくなることが多く
何回も過去問をやることで、鋳物部品に慣れてスピードを上げるのが合格への早道だと思っています。

学科試験の内容_________________________
真偽法(〇×式) 及び 四肢択一法(4つから選択)で、出題数50問
試験時間は 1級2級ともに 1時間40分
内容は 製図一般、材料、材料力学一般、溶接一般、関連基礎知識。
  下記は真偽法の例である。

学科試験に関しては、上記例でもわかるように出題範囲が広すぎてすべてを勉強するとなると膨大な時間が必要になるので過去の問題を何年か分実施し暗記してしまう方法が良いと思われます。(本当はよくないかもしれませんが)

合否判定__________________________
実技試験:100点満点 60点以上で合格
学科試験:100点満点 65点以上で合格
学科試験は〇×と4択なので採点基準がわかりますが、実技試験の採点基準がよくわからないと思います。
中央職業能力開発協会のHPを見ると、下記のように書かれていますがよくわかりませんね。

私は過去に5回ほど検定試験の採点をした経緯があるので理解していますが、簡単に言うと
図形で1か所間違えると 〇点減点
寸法で1か所抜けていると 〇点減点
記号等で1か所抜けていると 〇点減点
表題欄で1か所誤りがあると 〇点減点
図面の見ばえが良くないと 〇点減点
この合計で点数が決まるという感じです。
これ以上は詳しく言えませんが、今後 有償にて過去問の採点及び添削指導を計画していますのでその際には正確な点数を提示していくつもりです。
(採点の内訳は提示できませんが)

合格率___________________________
過去の合格率は下記のとおりです。
ただし、これは全国1,2,3級すべての合格率になります。

全国の級別の合格率がなかなか探し出せず、たまたま見つかった愛知県での級別の合格率を記載します。
令和3年  1級:31.8%  2級:28.9%
令和4年  1級:46.7%  2級:38.2%
令和5年  1級:21.9%  2級:18.1%
年度によってかなり難易度が変わってきているようです。実際に検定試験の採点をおこなったときも課題の難易度が年度によって大きく違うのを感じていました。
平均したら合格率30%くらいでしょう。

試験日程および受検料_____________________
・受検申請  例年 10月中旬  令和7年は10/7~10/18
・実技試験  例年 1月中旬から下旬  令和7年は 1/26(日)
・学科試験  例年 実技試験の1週間後 令和7年は 2/2(日)
・合格発表  例年 3月中旬  令和7年は 3/14(金)
・受検料   実技試験:1級18200円  
            2級 23歳未満9200円  23歳以上18200円
       学科試験:3100円
        ※都道府県により異なるかも



また、実技試験の手順に関するガイドブックも作成しているので、興味がある方は下記リンク先からダウンロードしてみてください。


過去問の提供・採点・添削も有償(後払い)で実施させていただきますので、興味がある方は下記リンク先を確認ください。
1回目は無料です。



今回の記事は以上です。
記事をお読みいただきありがとうございました。
次回は、勉強方法の説明 を予定しています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?