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何度も聴きたいロック名盤をご紹介 ⑤

アーティスト:TOTO
名盤:TOTO Ⅳ

1982年度グラミー賞で6部門受賞という快挙を成し遂げたTOTO(トト)の大ヒット作。
スタジオ・ミュージシャンとしても米ロックシーンを牽引したメンバー達のパワフルな演奏が圧巻です。
TOTOは、アメリカ出身のロックバンドで1976年に結成しています。
ロサンゼルスでスタジオ・ミュージシャンをしていたデヴィッド・ペイチとジェフ・ポーカロを中心に活動を開始しました。
衝撃のデビューアルバムから全米チャート上位にランクインするなど成功を収め、特に4枚目のアルバム『TOTO IV〜聖なる剣〜』が
1200万枚以上のセールスを記録しグラミー賞で6冠に輝きました。
このころがキャリアのピークで、彼らのサウンドは1980年代のアメリカン・ロック・サウンドの原型の一つとなりました。
専任のボーカリストがいるにもかかわらず、ギタリストのスティーヴ・ルカサーやキーボーディストのデヴィッド・ペイチが
リード・ボーカルをとることもあります。
メンバーは、マイケル・ジャクソンなどの有名・無名のアーティストから依頼の多いスタジオ・ミュージシャンであり、
TOTOの成功にもかかわらず、スタジオ・ワークを縮小せず、精力的だったこともあり、
1980年代にはジャンル問わず、彼らの関わったアルバムではTOTOのようなサウンドが量産されていきました。
シングルでは「アフリカ」が全米1位、「ロザーナ」が全米2位、「ホールド・ユー・バック」が全米10位という大ヒットを記録しました。
このアルバムは、グルーブ感が感じられドライブで聴くのにぴったりだと思います。

アーティスト
ボビー・キンボール - ボーカル
スティーヴ・ルカサー - ギター、ボーカル
デヴィッド・ハンゲイト - ベースギター、ギター
デヴィッド・ペイチ - キーボード、ボーカル
スティーヴ・ポーカロ - キーボード、ボーカル
ジェフ・ポーカロ - ドラム、パーカッション

  1. "Rosanna"
    キーボードのデヴィッド・ペイチによるこの楽曲は、TOTOの魅力たっぷりの優れた曲になっています。
    リードヴォーカルはギタリストのスティーヴ・ルカサーが担当しており、優しく歌い上げるメロディがとてもいいですし、
    コーラスで加わるボビー・キンボールのハイトーンとのミックスがとても気持ちいいです。
    最後のアウトロパートはレコーディングセッション中に起きた即興のジャムプレイのようです。
    曲が終わろうとしますが、ジェフがリズムを刻み続けます。
    そこにペイチが、ホンキートンクタイプのピアノを付け加えます。
    そこにルカサーがエレキを弾きまくります。
    この流れが自然発生的なジャムセッションというのが、TOTOらしくすごくかっこいいですね。
    さすが玄人セッションミュージシャンのグループだと思います。

  2. "Make Believe"
    この曲もデヴィッド・ペイチによる楽曲で、こちらはリードヴォーカルはボビーです。
    イントロのキーボードプレイがとても爽やかで、その後に続くサックスが哀愁を感じさせてくれます。
    名曲の直後で目立たないかもしれませんが、とても心地よいポップロックになっています。
    この曲は2ndシングルとしてカットされ、シングルチャートで第30位を記録しています。

  3. "I Won't Hold You Back"
    この曲はルカサー作曲で、彼のリードヴォーカルが聴けます。
    ちなみに、バックコーラスにイーグルスのティモシー・B・シュミットが参加しています。
    AORと言われるにふさわしい大人のムードたっぷりの楽曲です。
    やはりルカサーの声は、アダルトな雰囲気にぴったりだと思います。
    さらにこの曲のハイライトは、泣きのルカサーのギターソロでしょう。
    シンプルながらも哀愁たっぷりの名演と言えます。

  4. "Good for You"
    この曲はボビーとルカサーの共作で、リードヴォーカルはボビーです。
    ゆったりスローなノリで、ポップな楽曲です。
    名曲ぞろいのアルバムの中では影が薄い感じですが、じわりと良さが感じられる佳曲です。

  5. "It's a Feeling"
    スティーヴ・ポーカロ作曲で、彼がリードヴォーカルをとっています。
    こんなAORの魅力あふれる楽曲が作れるのもTOTOの魅力だと思います。

  6. "Afraid of Love"
    ルカサー、ペイチ、ジェフの共作で、ルカサーがリードヴォーカルをつとめています。
    TOTOのこんな感じのロックテイストある曲はいいですね。
    ルカサーのギタープレイがイントロからかっこよくサウンドを引っ張ってます。
    ただ、前作ほどハードエッジなギターがないのも今作の特徴と言えるかもしれません。
    この手のロック曲でさえも、大人な雰囲気があり、はじけまくってる感じはありません。

  7. "Lovers in the Night"
    ペイチ作曲で、彼がリードヴォーカルです。
    ハードって感じではないのですが、ノリがドライヴ感があってメロディもキャッチーです。
    ギターリフも、結構このアルバムの中では激し目で、シンセのアレンジと共にスリリングな響きを奏でています。

  8. "We Made It"
    ペイチとジェフの共作で、ボビーがリードで歌ってます。
    この曲はやはりボビーのハイトーンにぴったりですね。
    ぐんぐん軽快に進んでいく感じがたまりません。
    間奏のシンセとギターの絡みも軽快でいい感じです。

  9. "Waiting for Your Love"
    ボビーとペイチによる共作曲で、ボビーがリードヴォーカルです。
    アダルトな雰囲気のダンスミュージックという感じのサウンドです。
    とてもゆったりいい雰囲気のノリで、気持ちの良い曲になってます。
    この曲は5thシングルとしてカットされ、シングルチャートで第73位、Adult Contemporaryチャートで第27位を記録しています。

  10. "Africa"
    ペイチとジェフの共作で、ペイチのリードヴォーカルにボビーのコーラスが絡む、80年代を代表する名曲の一つです。
    当時はまだ民族楽器をロックに取り入れることはあまり見られてなかった中で、多くのそうした楽器を取り入れてアフリカの雰囲気が生み出されていきます。

以上が今回のアルバム評となります。ロック入門の一助になればと思います。ご参考になればうれしいです。


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