矢吹正道、IBFのタイトルを獲得し世界王者に返り咲く!
IBF世界ライトフライ級タイトルマッチで王者シベナティ・ノンシンガに挑戦した元世界王者の矢吹正道が9回TKO勝利を収めて世界王座の奪取に成功した。
序盤からジャブでペースを握っていた矢吹は相手との距離をしっかりと把握し、王者のパンチの多くを空振りさせる。
距離を掴みながら的確にジャブとストレートをヒットさせる矢吹は、着実にノンシンガにダメージを蓄積させ、集中力とスタミナを削り取りながら王者のディフェンス力を低下させていった。
危ないパンチを被弾することもないまま、見事に相手の攻撃に対処した矢吹はほとんど完封状態でラウンドを重ねていく。
一方、ジャブとストレートを被弾し続けたノンシンガの顔面は次第に腫れていき、矢吹のリズムを崩すことが出来ないノンシンガのパフォーマンスは次第に精彩を欠き始める。
そして迎えた8R目、ついに矢吹の強打がクリーンヒットし王者からダウンを奪うことに成功。
ノンシンガも意地を見せて立ち上がり、試合を続行しようとするがダメージは深い。
追撃を仕掛けたら試合が終わりそうな状態だったが、立ち上がって間も無くゴングが鳴りラウンドは終了する。
満身創痍の王者ノンシンガは9R目に入ると捨て身の攻撃を仕掛けるが、矢吹はそれにも冷静に対処し、深い追いしてカウンターをもらうといったことにはならなかった。
王者の決死の猛攻もいなした矢吹がトドメを刺すように強烈な攻撃をまとめると、ノンシンガから2度のダウンを奪いTKOで沈めることに成功。
こうして2年7ヶ月振りに王座へと返り咲いた矢吹はIBFの新チャンピオンとなり、敗北と苦難を乗り越えて再び栄光を掴み取ることになった。
文句の付け所のない内容でTKO勝利した矢吹は改めてその実力を世界に知らしめたことになる。
これでまた一人軽量級の日本人ボクサーが世界チャンピオンになった。
日本人が適性を見せる軽量級では現在、「黄金期」とも呼べる活躍が見られており、今回矢吹が達成した王座獲得もその流れを象徴する一つの結果になっていると言えるだろう。
今日のこの結果は13・14に開催されるボクシングのビッグイベントに良い意味で刺激を与える内容となったのではないかと思う。
7大タイトルマッチが組まれる2日間のボクシングの祭典に向けられる期待の高まりに繋がるような新チャンピオンの誕生となった。