カクちゃんのホラ吹き日記 生まれながらの研究者

私はカクちゃんのことを父親だと思っていない。もっと言えば、人間だとも思っていない。

では、いったいカクちゃんは何なのか。

私はカクちゃんのことを「まだ世に知られていない未知の生物」だと思っている。

これまでの人生において、私は何度もカクちゃんを恨んだ。
しかしそれは、「父親」や「人間」というフィルターを通して、私がカクちゃんのことを見ていたからである。

カッコウの親鳥は自分で子育てをすることなく、托卵をする。
別種の鳥の巣に自分の卵を産みつけ、元あった卵を地面に落とすと言う。

人間からすると何ともショッキングな生態であるが、カッコウにとってはそれが普通なのである。

同じ「人間」の私、「娘」の私からすれば、恨んでしまうようなカクちゃんの言動も、
「カクちゃん」という生物であることを受け入れると、そこに「悪」や「恨み」は生まれない。

カクちゃんはただ、「カクちゃん」として存在しているだけなのだ。

そして私は、そんな「カクちゃん」研究の第一人者であり、これからも研究を進め、その成果を発表していこうと思う。

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