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ラ・フォル・ジュルネTOKYOへの道

4年ぶり開催の「熱狂の日音楽祭」
5月4日から6日まで、東京国際フォーラムを中心に、東京駅界隈を会場としたクラシック音楽の音楽祭「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」へ行ってきました。
武漢ウィルス流行のため、2020年から3年間中止となり、4年ぶりの開催です。
2019年以前にも何度か行ったことはあるのですが、両杖をついての行動だったため、ホールでの有料コンサートと国際フォーラム内の雰囲気を知るだけでした。
今回、電動車いすで行ったため、かえって自由に歩け、近隣の雰囲気も知ることができ、楽しい時間を過ごしました。


今年のテーマは「ベートーベン」

2020年の中止になった時のテーマが「Beethoven」だったので、その復刻ということでしょうか。まあ、多くの人を集められるテーマがそれほどあるとは思えません。
今回も、ちょっとチケットを取るのが遅く、ベートーベンの交響曲の回は売り切れ。バイオリン協奏曲(4日)と、ピアノ協奏曲第1番・ロマンス第2番(6日)。十分に満足の演目です。村田夏帆(ロマンス第2番)もみることができました。

東京国際フォーラム最大のAホール
5000人収容。車いす席は4台分

私は働き始めてすぐの若いころ、普通に行き詰り、どこかに解答があるのではないかと、無理をしてクラシック音楽を聴き、バックパックを背負って海外を歩いたりしました。
仕事で行き詰ったわけではありません。仕事は面白く、ただ自分のなにかにいらだっていて、自分と折り合いをつけたかっただけなのでしょう。
今から考えれば、普通の若者としての普通の彷徨であり、その当時の自分が嫌いではありません。第一、65になった今、その当時より少しも利口になったと思えない。強いていえば、少し小利口にはなったと思うが。

そんな時期にサントリーホール(1986年開館)ができて、読売日本交響楽団が定期演奏会を行っていました。日立製作所がスポンサーとなっていたため安価であり、私は会員となって安い席で埋もれていました。何度も寝落ちしました。
lfj2023_officialguide_0410.pdf   (ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023ガイドブック 25.7MB)

そんな時、ベートーベンの交響曲第5番「運命」の演奏がありました。
定期演奏会で第5番「運命」というベタな曲目も、私のような人間にはありがたかったです。
ちなみに、私は乱暴な聞き方をしていましたので、当時、この曲をレコードで何度も繰り返し聞いていました。
この曲は、冒頭部分があまりにも有名で、知っている人の数の多さに対して、全曲を通して聞いた人は多くはないと思います。知らない曲を聞きに行く場合は、事前に予習をしていくとより楽しくなりますよ。
とにかく、ベートーベンという男は、しつこいのです。この曲の有名な部分は第三楽章から第四楽章へ間なくつながる部分で、続く第四楽章は何度も終わりそうになりながら、つながって盛り上がりを見せるのです。とにかく、「終わらせたくない」という思いが強すぎます。
その時、サントリーホールの前方のひとりが、第四楽章の緊張の中で消え入りそうな部分で、感激の激しい拍手をしだしたのです。
もちろん、すぐに拍手をやめましたが、私も一緒に地獄に突き落とされたような思いを持ちました。自分の浅薄さが、その人と同じに思えたのです。
もちろん、アンコールはなく、その人は一生忘れないでしょう。もしかしたら、その後、クラシックのコンサートにはいかないかもしれません。

楽章間の拍手はあり?

今回、ピアノ協奏曲第1番で、楽章の合間に数十人の拍手が起こりました。「音楽フェスですし、まあ、しかたないんじゃない」と思ったら、次の楽章の合間でも同規模の拍手が。
別日のバイオリン協奏曲ではそんなことはありませんでしたし、今までのコンサートでもありませんでした。「楽章の合間に拍手してはいけない」と思っていました。
ところが。調べると19世紀までのヨーロッパの演奏会では、普通にあったとのこと。
一説によれば、禁じたのはフルトヴェングラーやマーラーだったとか。
えー、本当なのー!!!
演奏者のアンケートでも、結構、一致していないとのこと。
「時々なら:42% だめ:38% OK:21%」
楽章間の拍手について考える | MCS Young Artists (mcsya.org)
でも、やめておいた方がいいですよ。指揮者は飛ばすこともありますし。やめておいた方がいいです。
特に、曲中は単なる間違えですし、絶対、絶対、絶対だめです。

あ~、世の中、思い込みは常に間違える。知らないことばかり。
なんでこんなに意外なことばかりなのだ。 
楽しい。

MY PLAZAのアトリウムコンサート
2階からもたくさんのぞいている。

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