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ケリー 4

後輩のK村の隣にマリちゃん、俺の脇にはアケミママという形でボックス席に座った4人・・・

少し厚目の化粧のためか 派手な真っ赤なドレスがよく似合っていた。

彼女から漂ってくる匂いにウットリしながら 「噂通りの綺麗なママですね!!」とお世辞を言ってみた。

ママ 「あら ヤダ 誰がそんなこと言ってるんでしょ!!」

俺 「みんな言ってますよ!! こんな田舎にはもったいないって!! ブヒョヒョヒョヒョヒョ・・・」

すると その会話を聞いていたK村が 口を挟んだ。

K村 「ママは東京生まれなんですよ!! ね~~ ママ!!」

ママ 「あらっ!? カワちゃんに話しましたっけ???」

K村 「もう何度も聞いてますよ!! 銀座のお店で働いていたってことも・・・」

ママ 「そうでしたっけ!? 私 酔っぱらうと何でも話しちゃうから・・・」

(銀座で働いていた女性が 何でこんな田舎のママをやってるんだ!? 年齢的にも30前ぐらいだし・・・)

例のピアスの件も加わって さらに興味が沸いて来た俺・・・

俺 「そういえば この店の名前は『純』ですよね!? どうしてママの名前がアケミさんなんですか???」

ママ 「それは良く聞かれるんですけど・・・ 居抜きの店を買ったら たまたま純と言う店だったのよ!! 看板も内装も 前のままで店を始めたって ただそれだけ・・・ ウフフフフ・・・」

俺 「もしかして 余計なお金はかけないで 短期決戦ってこと???」

ママ 「えっ!? あっ!?? 短期・・・って そっ そんなこと無いわよ!!」

店を始める場合、多少は自分の好みを反映させるのが普通である。

それを一切気にしないと言うことは・・・?????

そして 宝飾品で小遣い稼ぎをしていることと考え合わせると・・・???

K村 「先輩! 短期決戦なんて 何言ってるんですか?? ママはまだ28歳ですよ! 景気もいいし これからずっと稼ぎ捲るに決まってるじゃないですか!?? ガハハハハハ・・・」

ママ 「あらヤダ!! カワちゃん! 年のことは言わないでね!! この業界じゃタブーよ!! 」

K村 「えっ!? だって 27~8なんて 女性の一番綺麗な時じゃないですか・・・ まあ ママの場合は元々別格だけど・・・」

そこまで言うと それまで話を聞いていただけのマリちゃんが口を開いた。

マリ 「ハッ!? 27~8が一番綺麗なの??? じゃ 21の私は まだまだ子供ってこと???」

K村 「あっ!? いや そうじゃなくて・・ その あの・・・」

ヤキモチを焼くふりをして 拗ねてみせるマリちゃん・・・

彼女も 既に立派なプロフェッショナルなのであった。

(あれっ!? もしかして話題を逸らしてママを助けた!??)

だとしたら・・・????

ますます謎が深まるのだった。

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