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美容院にて

週一サーファー 海への出勤の日。
AM10時半、曇り、サイズは腰くらい、たまにセットで肩・・
相変らずのヤクザなダンパ波。

いつもの夏は もっと厚めの波が綺麗にブレイクしているのだが、今年のホームポイントは 地形が変わってしまっているようだ。
台風がひとつかふたつ来て、ポイントの地形を変えてくれるのを希望する。

これではロングは手も足も出ない。
立った瞬間に 前後とも垂直な壁になっている。
あとは巻かれるのみ・・

乗る→巻かれる 乗る→巻かれる の繰り返し!!
そんなマゾッ気たっぷりのサーフィンに慣れてしまった俺だった。

昨日は大洗で大きな大会があったため、ローカルのめぼしいメンバーは不在。
代わって ビジターサーファーがたくさん入っていた。
駐車場は ほぼ満車・・
夏休み最後の日曜とあって、家族連れや陽気なブラジリアン達の姿もチラホラ見られた。
お盆の頃の 見渡す限りのヒモパンの嵐!!という光景ではないが、それなりに楽しめる。

ホームポイント駐車場は BBQの焼肉のタレの匂いに包まれていた。
俺は午後から美容院の予約が入っていたため、2時間ほどでポイントをあとにした。

俺は美容院が苦手である。
じっとして鏡の前に座っているのが苦痛なのだ。
目の前には 髪の毛の寂しい男が写っている。
なんか脂汗が タラーリ タラーリ・・

筑波のガマガエルの心境である。

美容院のオネエチャンが その少ない髪の毛を気を遣いながらカットする。
いかに髪の毛を多く見えるようにカットするかが 腕の見せどころである。
しかし 少ないものは多く出来ない!!
彼女はマジシャンでは無いのだ。

それなりのカットとなる。
カットが終わると 手鏡を持った愛想のいいオネエチャンが ニコニコしながら天使のような声で聞いてくる。
「このようになりました。ご確認ください!!」
そう言われても、「もっと髪を増やしてください!!」とは言えない。

「それじゃ 一旦 髪の毛を流しますので こちらにどうぞ!!」
セット前の洗髪を促すオネエチャン・・
洗髪台に横になり 軽く髪を洗って、立ち上がろうとしたその時だった。

俺の左の鼻の穴から 糸を引くように流れ出した大量の海水・・
午前中に アレだけ巻かれたからな!!
鼻の中に溜まっていた海水が滝のように流れ出たのであった。

下を見ると お店の床に小さな水溜りが出来ていた。
さっきまでニコニコしていたオネエチャンの動きが止まり、その水溜りを見て固まっていた。
たぶん これだけ大量の鼻から出た液体を見たのは初めてだろう!!

何とかこの場を丸く収めなくてはならない!!
これでは ただの鼻タレオヤジと思われてしまう。

「いや~ 午前中にサーフィンをやっちゃって、鼻に海水が入ってたんですね~!! ハハハハ・・」
サーフィンをやらない人に そんな事を言っても分かるわけが無い。
オネエチャンは 引き攣った笑いをしながら、怪しげに水溜りを見ていた。

「この鼻タレオヤジが!! よりによってこんなところで垂れ流しやがって・・」
そう考えているのがミエミエであった。


美容院を変えなくては!!
結構 このオネエチャンを気に入ってたのにな~!!
もうすぐポイントカードもイッパイになるんだけどな~!!

サーファーあるあるの話であった。

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