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新作公開しました

こんにちは。架空書店「鹿書房」店主、伍月鹿です
新年度ですね!
仕事柄、4月に特別なにかが起こるわけではないのですが、部署変更や新卒入社などでお忙しい方をお見掛けしてます
わたしも新人時代はいろいろやらかしました
とにかく上司に報告する、わからないことはすぐに周りに聞く、何かやる度に確認してもらう、を徹底するのが大事かなと個人的に思っております
環境の変化でお疲れのでないよう、皆さまご自愛くださいませ

本日は新作公開のお知らせです

みていて

「みていて」表紙

10年ほど前に公募に出し、その後少しの間だけpixivで公開していたことがある短編の加筆修正版です

あらすじ

「私をみていてほしいの」
歳上の女性に声をかけられた南音は、眠りにつく彼女を見守るという奇妙なアルバイトを始める。
裸で毛布に潜る彼女の傍で、同性の恋人を思う南音。彼女は彼をお伽噺の住民のようだと告げた。
孤独に怯える男女の愛着をめぐるストーリー。

登場人物

南音 なおと
20代男性。フリーター。同性の恋人の家に転がり込むような形で半同棲をしているが、街中で声をかけてきた人間にも躊躇なくついていく
小柄で中性的な見た目や幼い話し方も相まって未成年と間違えられることもある童顔。学歴がないことを気にしている
本人は無意識だが、幼少期の環境から人間に対して心を開きやすいが執着も持ちやすい愛着障害の傾向がある

ジン
年齢不詳(40代~)の女性。小規模の会社を持っていて、肩書きは社長
夫の転勤について見知らぬ土地に住むことになったが、不眠に悩み、街で見かけた南音に声をかけた
あまり帰って来ない上、何年も親密な会話すら交わせていない夫に対して執着している面を持つ

貴弘 たかひろ
20代男性。専門学生。南音の恋人。一度は高卒で就職をしたが、成人後に専門学校に入りなおしてモラトリアムを謳歌している身
真面目で優しげな風貌と性格だが、冷酷な部分を持ち、他人を寄せ付けない
一度心を開いた相手に対して独占欲のような感情を抱きやすく、南音の異常な執着心くらいがちょうどいいと考えている


作品ページ

※内容は全て同じです

カクヨム
企画「フツウ」って何?に参加せていただきました

クロスフォリオ

pixiv
企画「○○の決め台詞」に参加させていただきました


あとがきのようなもの

noteを愛読いただいている方はお気づきのことかと思いますが、南音と貴弘はnoteにて連載してました「青い月に啼く」の登場人物ですね
やっと本編を掲載することができました
冒頭にも書きましたが、作品は10年ほど前に公募に出したものです
その後「みないで」「やっぱり、みて」の「みないで三部作」として加筆し掲載していたことがある作品ですが、思うように世界観を書けないでいて長い間修正を進めていたものでした

三部作時代の「みていて」は、ジンが唐突に南音を突き放すところで物語が終わります
続いて「みないで」ではジンが直子という同性の恋人ができ、南音と会わなくなった理由が語られ、「やっぱり、みて」では直子の私生活と彼女にしつこく交際を申し込む多々彦という青年が登場します
また、多々彦の双子の姉である日々子は、専門学校で年上の同級生である貴弘に交際を申し込みますが、彼にゲイだと明かされ、冷たくあしらわれる……というストーリーがありました
本編でさほど登場しない貴弘にも細かな設定がある理由がこれでわかっていただけると思います

今回の「みていて」はそれら3つの作品の場面を切り取って、ジンと南音の二人だけに焦点を当て直した構成となっております
直子と多々彦、日々子の三人を今後書くかはわかりませんが、気に入っているキャラではあるので隙があれば検討したいと思います

ベースとなっているものを書いたのは10年以上前なので、今回修正をしていて「携帯電話を折りたたむ」という描写が出てきたのに自分で驚きました
ガラケーだ……と面白くなってしまったのでそのまま残しております笑

また、「青い月に啼く」の中で殺された女性を見たタカヒロが「自分が女性を買うはずがない」と断言するのは、本編とリンクした台詞でした
肝心の「やっぱり、みて」が所謂お蔵入りとなってしまいましたので、いつか供養したいフレーズです
というのも、貴弘が主人公の作品も存在するのです
そちらも公募に出したもので、加筆修正が完成するのかどうかもわかりませんが、南音と貴弘の関係はそちらの方で多く書いているので、並べてご紹介できる日がくればと思います

こうして改めて文字にすると、初期の伍月鹿作品は作品ごとのリンクが強かったんだなあと思います
伊坂先生の影響でございますね
いまでも世界観に関してはリンクさせてみたり、匂わせてみたりと、基本のスタンスは変わっておりません

今回の裏テーマである「愛着障害」については、自分自身の感情を反映した部分もあります
わたしは自分と他人との距離感について、その言葉を当てはめたときに妙に納得したことがあります
わたし自身はなにも診断を受けたことはない健康体ですが、一番仲がよかった友人が精神病だと診断され学校を休みがちになる……というのを何度も繰り返している経験は、多分無視しきれない
そういう人を引き寄せがちなわたしも、変な人間ではあるんだと思います笑
普段は押し殺せているものは、多かれ少なかれ、皆、いろいろ持っておりますよね
それらの愛憎をご存じない方にとっては、少々唐突なラストにはなっていると思いますが、個人的には気に入っております

お楽しみいただければ嬉しいです。よろしくお願いします


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