10歳の1月17日の君へ

寝ていた時に大きな揺れにびっくりして,君は目を覚ました。目を覚ました君の上には,母親が覆いかぶさって,君を守ってくれていただろう。家の中がぐちゃぐちゃになり,ありとあらゆるものが散乱していた。
幸いにも家族に怪我はなかったが,警察官をしていた父親は,災害対応のため,しばらく帰ってこなくなった。
あの時代,防災という言葉は今ほどメジャーではなく,しばらく大きな地震がなかったらからか,その意識も低かったように思う。地震後,君は弟と二人で学校に行ったが,通学路で上から何が落ちくるかわからないという危機意識が広がった現代では,考えられないことだ。
今後君が生きていく中で,ビルに突っ込む飛行機や街ごと飲み込む大津波,そして未曾有のウイルスとの戦いなど,想像を超えた危機事象が待ち受けている。そして,今後私が生きていく未来にも,未知の危機がきっと待ち受けているだろう。
今度は私が,社会や家族を守る番だ。

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