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【何が偉い】新規テーマ「雷禍」の植物族における可能性


 本日1月8日、とんでもない新規カード群が発表されました。植物族・昆虫族・爬虫類族混合テーマ【雷禍】です。
 緩い自己SS条件を持つ下級に場のモンスターを戻して蘇生し、妨害効果を持つ上級リンク体と単体でも高いスペックを持つカード群ですが、展開の軸となるカード群が既存の植物族テーマの問題を解決しており、種族全体への強力なサポートとなっています。

 本記事では既存の植物族デッキの抱える問題、それを【雷禍】カードがどう解決したのか、そして、新規を絡めた植物族の展開ついて解説したいと思います。
  
 各カードについて、記事容量節約のため主要なカード以外は効果説明を省き、初出のカードにデータベースへのリンクを貼ることで対応しています。適宜リンク先をご参照ください。


既存の問題点

 まず植物族がマイナーなので、既存の植物族テーマについて俯瞰することにしましょう。現在存在する植物族をメインに据えたテーマとしては【六花】【サンアバロン】【アロマ】【捕食植物】【ナチュル】【蟲惑魔】等が存在します。
 これらのテーマは全て初動に召喚権を要求します。《烙印融合》から展開できる【捕食植物】や【神碑】と混合できる【ナチュル】、自己SSできる《キノ》を持ち、罠から妨害できる【蟲惑魔】はまだマシですが、【六花】【アロマ】【サンアバロン】にとって着地狩りは死、召喚権への誘発も相当重いものでした。
 
たとえば【六花】は初動となる《六花のひとひら》が起動効果です。

パワーカードではある。新弾後は特に

 【アロマ】は無条件で自己SSできるカードが無く、初動に受ける妨害が非常に重くなっています。テーマ初動である《アロマリリスーロザリーナ》に無効を食らうと動けなくなりますし、シンクロデッキなのでリクルート先を除去されても詰みます。

 【サンアバロン】は初動がバニラである《聖種の地霊》なので《予想GUY》で手数があると思いきや、重要な展開カードである《聖蔓の播種》を無効にされると動けませんし、発動にチェーンしてサンアバロンリンクモンスターを除去されると展開が止まります。

 また、これら3テーマ共通の弱みとして、基本的に初動の被りが手数になることは無く、誘発受けの悪さや後手の弱さといった明確な弱点として表面化していました。
※厳密には六花は《来々》の素引きで対応できる等、誘発への耐性はそれなりに高い。

【雷禍】による解決

 それを踏まえた上で、新規カードを見ていましょう。

《雷禍ノ毬頭(ライカノマリコウベ)》
効果モンスター
星1/地属性/植物族/攻 0/守 0
このカード名の①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない
①:このカードは手札の昆虫族・植物族:爬虫類族モンスター1体を墓地に送り、手札から特殊召喚できる。
②:このカードが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。「雷禍ノ毬頭」以外の自分のデッキ・除外状態の「雷禍」カードを2枚まで手札に加える(同名カードは1枚まで)。その後、自分の手札を1枚選んで除外する。このターン、自分は昆虫族・植物族・爬虫類族しか特殊召喚出来ない。

遊戯王カードWikiより

《蕾禍繚乱狂咲(ライカリョウランクルイザキ)》 
永続魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの昆虫族・植物族・爬虫類族モンスターの攻撃力・守備力は300アップし、 それ以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は300ダウンする。
(2):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●デッキから「蕾禍」モンスター1体を手札に加える。 その後、自分の手札を1枚選んで捨てる。
●自分の手札・墓地・除外状態の「蕾禍」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

遊戯王カードWikiより

《蕾禍矢筈天牛(ライカノヤハズカミキリ)》
効果モンスター
星3/光属性/昆虫族/攻1500/守 0
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、 (2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは自分の除外状態の昆虫族・植物族・爬虫類族モンスター1体をデッキの一番下に戻し、 手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが「蕾禍」LモンスターのL素材として墓地へ送られた場合、 「蕾禍ノ矢筈天牛」を除く、自分の墓地のレベル4以下の昆虫族・植物族・爬虫類族モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。 

遊戯王カードWikiより

《蕾禍武者髑髏(ライカノムシャドクロ)》 
リンク・効果モンスター
リンク2/炎属性/植物族/攻1600 【リンクマーカー:左下/右下】
昆虫族・植物族・爬虫類族モンスターを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、 この効果を発動するターン、自分は昆虫族・植物族・爬虫類族モンスターしか特殊召喚できない。
(1):自分の墓地の「蕾禍」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、 自分フィールドの昆虫族・植物族・爬虫類族モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターをデッキの一番下に戻し、このカードを特殊召喚する。 

遊戯王カードWikiより

 はい。念願の召喚権を使わない初動の登場です。これによる強化は何と言っても召喚権に依存しない初動による手数の増加初動被り問題の解消、そして召喚権を使わないからこその展開です。

 《雷禍ノ毬頭》はテーマの1枚初動でありながら自己SSでき、追加の展開で手札コストにしたカードを蘇生できます。つまり、《毬頭》にアクセスした時点で【雷禍】の動きが、手札コストが別の初動なら【雷禍】とそのテーマの動きが出来、《毬頭》(テーマ初動1)(テーマ初動2)という引きで3テーマ全ての展開ができるのです。
 例えば《六花のひとひら》+《聖種の地霊》(これらからの展開は後述するので、今は単に初動程度の認識で大丈夫です)という手札の場合、これまでは召喚権被りにより【六花】と【サンアバロン】、どちらかの展開しかできませんでした。しかしここに《毬頭》が加わると話が全く変わります。
 具体的には以下の展開により、【サンアバロン】【六花】【雷禍】3テーマ全ての展開が可能になります。
1.《地霊》コスト《毬頭》SS
2.《毬頭》効果《天牛》《狂咲》サーチ、《天牛》除外
※《毬頭》をサーチするために《狂咲》を使っていた場合、《天牛》自己SSのためのカードを除外する必要あり。
3.《狂咲》効果《天牛》SS
4.《毬頭》+《天牛》→《髑髏》LS
5.《天牛》効果《地霊》SS
6.《髑髏》効果《毬頭》SS
7.《髑髏》+《毬頭》→《拝御神主》LS
8.《拝御神主》効果《毬頭》《天牛》除外し《首狩舞》サーチ
 ここまでが召喚権を使わない展開です。これで《首狩舞》による破壊妨害を構えながら、ここから《ひとひら》を召喚して【六花】の展開を始められますし、《地霊》が蘇生されたので【サンアバロン】の展開も出来ます。
※厳密にはEXゾーンを開ける必要があるため、《ひとひら》と《拝御神主》で《髑髏》をLSし、《ボタン》でリリースとひと手間かかります。

 さらに、召喚権を使わないことで強く使えるようになったカードがあります。それが《サボウ・クロウザー》です。

 このカードは特殊召喚封じという現代遊戯王では許されない制圧効果を持つカードですが、召喚権を要することから植物デッキでも採用はまちまちでした。しかし【雷禍】は違います。ただ召喚すればいいのです。具体的な展開は後述しますが、召喚権無しで《アロマセラフィージャスミン》を経由し、対象耐性と効果破壊耐性を持った《サボウ・クロウザー》を出すことができます。もちろん素引きして弱いパーツを複数採用するため実用されるかは未知数ですが、一考の余地はあるでしょう。

 ここまでで【雷禍】がいかに植物デッキにとって革命的な存在かを理解していただけたかと思うので、【雷禍】としての展開例と、他テーマへアクセスする展開、《サボウ・クロウザー》を出す展開を紹介します。
 各植物族テーマにアクセスした後の展開は後述していますが、長いルートを読むのが面倒だと感じる方のため、最後に最終盤面を記載しています。また、植物族の展開について存じの方は読み飛ばして結構です。
 今回は特に【植物GS】とでも呼ぶべきデッキを形成している【六花】【アロマ】【サンアバロン】について解説し、【捕食植物】【ナチュル】【蟲惑魔】についての解説は割愛します。機会があれば後日別に記事を投稿するかもしれません。

【雷禍】と【雷禍】から他テーマへ繋がる展開例

【雷禍】展開

1.《毬頭》効果《天牛》《狂咲》をサーチし、《天牛》を除外
※ここで《天牛》以外を除外すると《天牛》を自己SSでき、リンク値が1増えるため、《大王鬼牙》まで出せる。
2.《狂咲》効果《天牛》SS
3.《毬頭》+《天牛》→《髑髏》LS
4.《天牛》効果《毬頭》SS
5.《髑髏》効果《天牛》SS
6.《髑髏》+《毬頭》→《拝御神主》LS
7.《拝御神主》効果《首狩舞》サーチ
8.《拝御神主》+《天牛》→《鎖蛇巳》LS
最終盤面としては、《鎖蛇巳》による手札効果封じor《大王鬼牙》による破壊+《首狩舞》による破壊の2妨害です。

【雷禍】から他テーマにアクセスする展開

1.《毬頭》効果《天牛》《狂咲》サーチ、《天牛》除外
※《毬頭》をサーチするために《狂咲》を使っていた場合、《天牛》自己SSのためのカードを除外する必要あり。
2.《狂咲》効果《天牛》SS
3.《毬頭》+《天牛》→《髑髏》LS
4.《天牛》効果《毬頭》SS
5.《髑髏》効果《天牛》SS
6.《髑髏》+《毬頭》→《アロマセラフィージャスミン》LS
7.《アロマセラフィージャスミン》効果《天牛》をリリースし、
《ひとひら》をリクルート→【六花】展開に
《ロザリーナ》をリクルート→【アロマ】展開に。
《ロンファ》をリクルートし、《ロンファ》効果で《アロマセラフィージャスミン》をリリースし、《地霊》をリクルート→【サンアバロン】展開に

《サボウ・クロウザー》展開

1.《毬頭》効果《天牛》《狂咲》サーチ、《天牛》除外
※《毬頭》をサーチするために《狂咲》を使っていた場合、《天牛》自己SSのためのカードを除外する必要あり。
2.《狂咲》効果《天牛》SS
3.《毬頭》+《天牛》→《髑髏》LS
4.《天牛》効果《毬頭》SS
5.《髑髏》効果《天牛》SS
6.《髑髏》+《毬頭》→《アロマセラフィージャスミン》LS
7.《アロマセラフィージャスミン》効果《天牛》をリリースして《ロンファ》SS
8.《ロンファ》効果《アロマセラフィージャスミン》リリースし《地霊》SS
9.《地霊》→《幼精》SS,《播種》サーチ
10.《播種》効果1000ダメージ受けて《天双芽》SS
11.《幼精》効果《聖蔓の剣士》SSし1000回復
12.《天双芽》効果《地霊》SS
13.《幼精》+《聖蔓の剣士》→《アロマセラフィ-ジャスミン(2枚目)》LS
14.《地霊》→《聖蔓の癒し手》LS
15.《天双芽》→《幼精》LS
16.《聖蔓の癒し手》効果で300回復
17.《アロマセラフィ-ジャスミン(2枚目)》効果《ローリエ》サーチ
18.《ローリエ》効果自己SS
19.《幼精》+《聖蔓の癒し手》→《アロマセラフィ-ジャスミン(3枚目)》LS
20.《アロマセラフィ-ジャスミン(2枚目)》+《ローリエ》→《アロマリリス-ローズマリー》LS,《アロマブレンド》サーチ
21.《ローリエ》効果ライフ500回復
22.《アロマセラフィ-ジャスミン(3枚目)》効果《サボウ・クロウザー》サーチ
23.《アロマブレンド》効果《潤いの風》置く
24《潤いの風》効果ライフ1000払い《ロザリーナ》サーチ
25《潤いの風》効果ライフ500回復
25.《アロマリリス-ローズマリー》効果《ロザリーナ》SS
26.《ロザリーナ》効果《アロマージ-マジョラム》SS
27.《ロザリーナ》+《アロマージ-マジョラム》→《アロマセラフィ-スイート・マジョラム》SS,《恵みの風》サーチ
28.《アロマブレンド》効果墓地のアロマを素材に《マグノリア》FS
29.《サボウ・クロウザー》NS
 最終盤面としては、《サボウ・クロウザー》でSS封じ、《アロマセラフィ-スイートマジョラム》で対象耐性、《マグノリア》で効果破壊耐性が付き、《恵みの風》の回復に誘発し、《アロマセラフィ-スイートマジョラム》が相手のカードを破壊できます。
 《潤いの風》《恵みの風》と言った引きたくないカードをいくつか採用するルートになりますが、22の時点で《サボウ・クロウザー》を召喚すれば、耐性が消えるかわりデッキの枠を圧縮できます。

既存テーマ解説

1.【六花】

 純構築の六花は、《ひとひら》からのコンパクトな展開と豊富な誘発スロット、《来々》の捲り力で先後問わず戦う純ミッドレンジテーマです。
 六花のキーカードとなるカードは《六花のひとひら》《六花来々》の2枚です。

初動にしてリソース

《ひとひら》は一枚初動であり、以下の用な展開が出来ます。
1.《ひとひら》効果《ボタン》サーチ
2.《ボタン》効果自己SS,《来々》サーチ
3.《来々》発動,《絢爛》セット
4.《ボタン》リリースして《絢爛》発動,《プリム》《しらひめ》サーチ
5.《プリム》《しらひめ》効果自己SS
6.《プリム》+《しらひめ》→《ストレナエ》XS
7.《ストレナエ》効果墓地の六花カードを回収

 これにより、《しらひめ》のモンスター効果無効に加え、《ストレナエ》をリリースし、《ティアドロップ》《神獣樹ハイペリュトン》をSSしてフリチェのリリースやモンスター効果無効を構えます。
 追加で《絢爛》《来々》を引いていれば、《薄氷》をセットし、相手モンスターをリリースして別の相手モンスターのコントロールを奪うという強力な妨害を構えることができます。
 さらに、相手エンドフェイズには《ひとひら》が蘇生し、返しのターンには《ひとひら》《来々》と《ストレナエ》で回収したカードの豊富な手数が約束されています。
 
 《来々》は先行展開や妨害としては勿論、後手で非常に強力なカードです。②の効果はチェーンを組まず、かつコストでリリースするため問答無用で相手のモンスターを除去して展開できます。
 最低でも1妨害を踏め、《召命の神弓-アポロウーサ》や《氷剣竜ミラジェイド》のようなカードであればなすすべなく除去できる強力なカードです。

2.【アロマ】

 【アロマ】は直近のパックで強化され、テーマ初動を手に入れたテーマです。《アロマリリス-ロザリーナ》は1枚初動でテーマのエースを複数並べられる優秀なカードで、純構築でも混ぜ物でも重要になってきます。
 また、《アロマセラフィージャスミン》は任意の植物族をリクルートする効果と、名称ターン1の無いサーチを持つ非常に強力なモンスターです。このカード1枚で記事がいくつも書けますが、今回は純に寄せた展開ルートの一例を示すにとどめておきます。

先行ワンキル前科3犯

 【アロマ】の展開は【六花】より自由度が高く、決まった展開は紹介しにくいですが、例えばこういった展開が出来ます。
(EXとメインデッキに同名モンスターが存在するものが多いため、一部フルネームにしてあります。)

1.《ロザリーナ》効果《ローリエ》SS
2.《ロザリーナ》+《ローリエ》→《アロマセラフィ-ジャスミン》LS
3.《ローリエ》効果ライフ500回復
4.《アロマセラフィ-ジャスミン》効果《しらひめ》や《リリーボレア》等自己SSできる植物族をサーチ
5《しらひめ》効果自己SS
6.《アロマセラフィージャスミン》効果《しらひめ》リリースし《光の王マルデル》SS,効果《アロマージ-マジョラム》サーチ
※【雷禍】展開の場合、リクルート効果を使えない代わり《アロマセラフィージャスミン》がもう1体います。そのため2枚サーチでき、《アロマージ-マジョラム》をサーチ出来ます。
7.《アロマセラフィ-ジャスミン》+《光の王マルデル》→《アロマリリス-ローズマリー》LS
8.《アロマリリス-ローズマリー》効果《アロマブレンド》サーチ
9.《アロマブレンド》効果《潤いの風》置く
10.《潤いの風》効果ライフ1000払い《アンゼリカ》サーチ
11.《潤いの風》効果ライフ500回復
13.《アロマリリス-ローズマリー》効果《アンゼリカ》《アロマージ-マジョラム》SS
14.《アンゼリカ》《アロマージ-マジョラム》→《アロマセラフィ-スイートマジョラム》SS
15.《アロマセラフィ-スイートマジョラム》効果《恵みの風》サーチ
16.《アンゼリカ》効果自己SS
17.《アンゼリカ》+《アロマリリス-ローズマリー》→《廻生のベンガランゼス》LS
18.《アロマブレンド》効果適当なアロマで《マグノリア》FS

 これにより、《廻生のベンガランゼス》によるフリチェのバウンス,《恵みの風》でライフを回復し、それに誘発した《アロマセラフィ-スイートマジョラム》による対象を取る破壊の2妨害に加え、《アロマセラフィ-スイートマジョラム》で植物族への対象耐性、《アロマリリス-マグノリア》で植物族への効果破壊耐性を付与する盤面になります。 
 分岐として、6のリクルートにより、《六花のひとひら》,《聖種の地霊》,《捕食植物オフリス・スコーピオ》《ナチュル・カメリア》といった各テーマの初動にアクセスできます。
 また、《アロマージ-ジャスミン》《サークル・オブ・フェアリー》が召喚権を追加できるため、《サボウ・クロウザー》をサーチ、召喚して対象破壊耐性付きのSS封じという強力な永続妨害を作れます。

3.【サンアバロン】

 【サンアバロン】は【六花】や【アロマ】とは打って変わり、1枚初動から理不尽な盤面を作る展開デッキです。
 初動となるのは《聖種の地霊》で、これをリンク1の《聖天樹の幼精》に変換、1枚で脅威のリンク値4を稼ぐ《聖蔓の播種》をサーチして展開していきます。
 《聖種の地霊》がバニラであるため、《予想GUY》《苦渋の決断》によってもアクセスでき、1枚初動だけでも最大13枚という圧倒的安定感を誇ります。一方、《聖蔓の播種》へのうららやドロバ、ニビルで簡単に展開が止まる等、誘発受けはかなり悪いです。

1.《地霊》→《幼精》
2.《幼精》効果《播種》サーチ
3.《播種》効果1000ダメージ受けて《天双芽》SS
4.《幼精》効果《聖蔓の剣士》SSし1000回復
5.《天双芽》効果《地霊》SS
6.《幼精》+《聖蔓の剣士》→《アロマセラフィ-ジャスミン(1枚目)》LS
7.《地霊》→《聖蔓の癒し手》LS
8.《天双芽》→《幼精》LS
9.《聖蔓の癒し手》効果で300回復
10.《アロマセラフィ-ジャスミン》効果《ローリエ》サーチ
11.《ローリエ》効果自己SS
 ここまでで、1枚初動でリンク値5を用意しながらジャスミンによる植物族リクルート、ライフ回復=植物族サーチが可能な盤面になりました。
 
この先の展開も派生が多いですが、自分が使っていた展開を例に挙げると
12.《幼精》+《聖蔓の癒し手》→《アロマセラフィ-ジャスミン(2枚目)》
13.《アロマセラフィ-ジャスミン(1枚目)》効果《ローリエ》リリースし《ひとひら》SS
14.《ローリエ》効果500回復
15.《アロマセラフィ-ジャスミン(2枚目)》効果《スノードロップ》サーチ
20.《アロマセラフィ-ジャスミン(1枚目)》+《アロマセラフィ-ジャスミン(2枚目)》→《廻生のベンガランゼス》
21.《ひとひら》効果《ボタン》サーチ
22.《ボタン》効果自己SS,《来々》サーチ
23.《来々》発動,《絢爛》セット
24.《ボタン》リリースして《絢爛》発動,《プリム》《しらひめ》サーチ
25.《プリム》《しらひめ》効果自己SS
26.《プリム》+《しらひめ》→《ストレナエ》XS
27.《ストレナエ》効果墓地の《ボタン》を回収
28.《スノードロップ》効果《ストレナエ》をリリースし自分と《ボタン》SS
29.《ストレナエ》効果《ハイペリュトン》SS
30.《スノードロップ》効果《ボタン》のレベルを8に
31.《スノードロップ》+《ボタン》→《ティアドロップ》

 これにより、《廻生のベンガランゼス》のフリチェバウンス、《しらひめ》による相手モンスターリリースとモンスター効果無効、《ティアドロップ》のフリチェリリース、《ハイペリュトン》のモンスター効果無効の計5妨害が成立します。
 これはなるべく素引きして強いカードを採用した展開ですが、《サボウ・クロウザー》によるSS封じ、《ナチュル・ローズウィップ》による魔法罠封じ、《キングレギュラス》による万能カウンター等、ルート次第で様々な妨害を構えられます。

【雷禍】で特に強化されたカード

六花のひとひら

 《毬頭》追加後のこのカードは、《流離のグリフォンライダー》であり、スプライトの《鬼ガエル》です。このカードからサーチできる《しらひめ》はモンスター効果を持つため、召喚された時点で妨害を打たなければ妨害や誘発を無効にされてしまいます。これまでは《しらひめ》をサーチすると展開が伸びなかったのですが、これからは違います。
 特にGに対して非常に強く、もし《ひとひら》召喚に打たれたら《ボタン》→《来々》→《薄氷》でエンド、打たれなかったら《しらひめ》をサーチし、《増G》が通らなくなります。
 また、《しらひめ》の無効効果は墓地からでも発動可能なので、《毬頭》の手札コストとしても最適です。もし《毬頭》を持っていなければ《ボタン》をサーチして六花展開するだけなので決して腐りません。

六花絢爛

 【六花】の一枚初動でありながら《毬頭》にアクセスできます。
《ひとひら》に変換できるので引いた時点で誘発1枚貫通が確定しますし、《しらひめ》と一緒に引いた場合は《しらひめ》をリリースして効果を使うことで、《ひとひら》と《毬頭》の2枚をサーチ出来ます。

聖種の天双芽

 《天牛》により、このカードを素引きしても展開ルートがバグならなくなりました。《播種》のテキストを見てもらえば分かるのですが、リクルートはデッキからしか対応していません。そのため《天双芽》の素引きは【バリラドン】の《オライオン》、【オルフェゴール】の《星杖》素引きのような由々しき問題だったわけです。
 しかし、《毬頭》効果で除外し、《天牛》でデッキに戻してしまえばいつも通りの展開が出来ます。安心。

ワンチャン!?

 これまでは《ひとひら》や《地霊》が場に居る時、《予想GUY》や《ワン・フォー・ワン》といった召喚権を使わない初動でない限り他のレベル1をサーチしても意味がありませんでした。しかし《毬頭》という自己SSできる植物族の追加により、初動の補強として有用なカードになっと思います。
 サーチしたカードを召喚しないとライフが減ってしまうので、アロマ展開とのかみ合わせは悪いです。

終わりに

 以上、植物族についての解説でした。自分は爬虫類族や昆虫族については詳しくないので、そちらに詳しい方であればまた別のアプローチを見つけられると思います。




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