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2022.2.13
鳥になって空を飛んで
水の中で光を見た
はじめて息をした
あまいあおいろが
目から鼻から
入り込んで
粘膜に吸いついた
瞼の上をクジラが撫ぜ
ぼくの世界は薄い膜で覆われた
血の色が透け 鼓動が胸を打つ
脈拍のベールが幾重にも
冷たくさらりとした指先みたいに
何処までもあおく果てしなく続いた
やがてやさしく息をとめ
光が羽の間からこぼれいでる
あぶくよりも柔く
水の中に消えゆく
枷は解けた
わたしは放たれ
漂い続ける幻になる
水の中で
羽を広げた


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