升宮生

小説を書いています。生野カルミと名乗る時もあります。

升宮生

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最近の記事

今日も雨

 コンクリートを打つ雨の音だけが響く夜の街を、ある男が歩いている。傘を持たないその男には、訝しげな視線が向けられていた。周りの人の視線を気にするそぶりもなく、男は歩き続ける。  この街の雨は10年以上、降水量約10mmで一定に降り続いている。男は8年前、国から雨を止める為にこの街へと派遣された。全能感に溢れた若者であった男は、「私ならこの雨を止める事ができる」と信じて疑わなかった。日夜研究し続けたが、雨を止める事が出来なかった。街の人々の期待は失望に変わっていった。自分自身も

    • 金曜日の居酒屋にて

       カウンター六席の小さな居酒屋  店内には黄川田太郎(43歳)と相馬紬(25歳)がいる。二人は共に常連客。居酒屋の大将(67歳)は黙々と調理中。 黄川田「もう1日、休日が増えるとしたら何曜日がいい?」 相馬「水曜日ですかね。月・火曜日と木・金曜日の2日ずつなら頑張れそうな気がしますし」 黄川田「そのパターンあるよね、全ての日が休みの前か後かになるやつね、はいはい」 相馬「そういう黄川田さんは何曜日にするんですか?」 黄川田「まあまあそう焦りなさんな。大将は何曜日がいい?」

      • BFC5 『大通り』

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          ダイベンシャ

        今日も雨

          「Talk with Monsers」企画書

          キャッチコピー 「話せばわかる」戦わずしてモンスターを退ける、非暴力バトルマンガ。 あらすじ:「暴力を嫌悪する青年・白鳩マハト」は、襲来するモンスターから街を守る"ディフェンダー"としての役割を国から命じられている。マハトはその職責を、モンスターに指一本触れず、会話だけで追い返す事で果たしている。ある日いつものように襲来するモンスターを説得しようと試みたが失敗し、仲間が代わりにモンスターを倒す。モンスターには、自然発生モンスターと人工的モンスターが存在し、マハトの説得が効か

          「Talk with Monsers」企画書

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          カモガワ奇想短編応募作

          カモガワ奇想短編応募作

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          ぬいぐるみの分与

          ぬいぐるみの分与

          アウトサイド・カタルシス

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