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3.とりあえず、何か始めよう


「なんでそんなに落ち込まないの?」
そう聞かれたことがあります。

「怖くなかったの?」と聞かれたこともありました。

今、思い返しても落ち込む事はほとんどなかった。
ただ、ものすごく怖かったです。


喉はどんどん腫れてくるし、
朝起きてのご飯が食べれない。

起きてから数時間経つと、
かろうじて喉にご飯が通るようになるので、
寝てしまうとまた喉が腫れるから、
立ったまま寝ようかなぁ…なんて考えてたくらい。

診断して下さってた先生が、
原発を調べる為に、
「ここの病院で診察をして診てもらってください。」
「明日、この病院にこの資料を持って行って診てもらってください。」って、
色んな手を尽くしてくださいました。

でも、それでも
なかなか原発が確定されなかった。

神戸に有名な甲状腺の病院があるのですが、
そこの院長先生も、
カルテと症状を見て顔色が曇っていくのが
わかりました。

「さぁ…どうしょうかなぁ…」
そう言ってたのだけ覚えてます。
その病院でもはっきりとは分からなかった。

大阪のかなり大きな癌センターで、
原発を診断する為の手術を受け、
そこでようやく治療の方針が決まりました。

「肺腺癌のリンパ節転移のステージ4」

PET検査のCT画像では、
至る所に色が付いてた。



その病院の先生は、
「まず、抗がん剤治療をした後、がん細胞が小さくなってきたら、放射線で根治を目指します。
今、それができるのはここの病院だけです。」と言った。

ただ、家から遠いこともあって
(本当は、それだけが理由ではないのですが。またあとで書きます)ここでの入院はしなかった。

家から近い病院で、
その年に癌センターを新しく併設された総合病院があって、
相談と説明に伺い説明のわかりやすさと
今までの検査・診察の結果を見て
免疫療法での治療をしてくださるということで
お世話になる事を決めました。


癌がわかって、癌の原発・治療法が決まるまで
その間、1ヶ月。

その1ヶ月間の間、
僕が考えていたのは、
病気と治療は先生にお任せしよう。

ただ、治療が始まるまで
僕にできる事は全てやろうと決めました。

怖くて仕方がない時もありましたが、
(絶対治さないと…)
(どうやって治そうか…)
と言う気持ちが勝ってた。

病気に対して落ち込むより、
どうやって治そうかとしか考えてなかったので、
落ち込む余地がなかったのかもしれません。

子供もまだ小さいし、
育児も生活も全てを妻に任せる訳にはいかない。
なんとかしないと…
その思いだけが勝ってた。


できる事の全て


僕が知ってる力になってくれそうな、
癌について知ってる人に連絡した。
ともかく情報を集めました。

ただ、少し距離のある人。

これは、変な風に広まる事が怖かった。
友達にも言えませんでした。
家族と両親だけ。

ここには色んな理由があるのですが、
言う事で周りを重たい雰囲気にしたくなかった。
治してから、全て話そうと心に決めました。

前述もしましたが、
僕は商売をしてる事もあって、
信心深いところがあります。

ただ、もちろん願ったからといって
何もしないでそれが叶うなどとは思ってなくて、

努力の後押しとして、心のあり方や
よく言う「スピリチュアル」の世界を
“ より生きやすくなる知識 ”
として学んでいました。

だから、病気になった事を
原因は自分にあるんじゃないかと
捉えることが出来たのだと思います。
なってしまったものは、仕方がない。

どう取り組んでいくか。

「この飲み物が癌に効くよ」
「食べ物はこれが良いよ」
「これはやめといた方がいい」
「ここの治療がいいよ」
色んな事を聞きました。
「笑ってれば、治るよ」なんて言われた事も。
(今では、その意図もはっきりとわかるのですが)

たくさんの事を教えてもらって、
本でももちろんネットでも
たくさんの事を調べて
できる事は全てやった。

その中で、これを信じて学んでいこうと思ったのが
「精神の世界」のことでした。

よく言う、スピリチュアルの世界です。

でも、これを学ぼうとここに辿り着いた時は、
(どうやって治そうか)と考えるより

(どう今の自分と向き合うか)
(もし本当に残りの人生が少ないのなら、病気をどう捉えて、どうやって前に進んでいこうか)

そう考える気持ちの方が大きかったんだと思います。
大きくなっていったんだと思います。

その時には、
完全に病気を受け入れられたんだと思います。

ただ、間違ってほしくないのは、
いまされてる治療や考え方を変えるというより、
プラスαとして受け取ってもらえたらと思います。


2022.11.6

(なかなか思い出しながら書いてるので、時間がかかって。
見てくださってる方の中には、早く結果をと思われてる方もおられると思いますが、どの部分が誰にどうプラスになるかわからないので、僕に起こったすべての事を書きたいと思ってます。是非少しづつでも読み進めてもらえる事を願います。)


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