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10.最後のお話。僕がした全て。


僕が経験した闘病生活を長々と書いてしまって、
すみませんでした。
だだ、その過程の合間合間に
伝えておきたい事がたくさんあって。

どんな箇所でも構わないから、
誰かのひらめきやヒントになればと思って
書き綴りました。

僕は、(もうあの頃に戻らない)と決めたので、
当時、先生からもらった資料や画像、数値の書いてあるものも全て破棄ました。
数字的なものでお伝えする事ができないので、
置いておけば良かったかなと思ってます。
伝わり易いですものね。ちょっと反省。


それから

連休明けの診察から、
数日経ってまた検査を受けました。

先生からCTの結果を聞いた。


退院して半月後のPETCTの結果でも、
体中に広がってた癌細胞が消えてた。

苦しくて水も飲めなくて
のど仏がなくなるくらいだった甲状腺の腫れも、
日が経つにつれ引いていった。


「酸素ボンベが必要で車椅子になると思います」と
言われた体も徐々に回復していった。

主治医の先生は、
薬がよく効いたという事と、
僕の体力と気力の部分の事を言った。

もちろん僕自身もそう思います。
緊急で入院して手術を経験してから
1ヶ月半。
僕の体は、徐々に健康な体に戻っていった。

たぶん最初の方に書いた、
病気と向き合う為には
物理的な方法と心理的な方法があるという話。

物理的なとは、お医者さんがしてくれる治療のこと。
心理的なとは、自分が心がける事。

この2つがうまく噛み合った事で、
僕の奇跡は生まれたのだと思ってます。

どちらが欠けても成立しない。
お医者さんがして下さる事を邪魔しない、
心のケアが僕を救ってくれたと思ってます。

納得したら、信じて疑わない。
奇跡は、そこから始まったのだと思う。


僕のした、全てのこと


ちょっと話は戻るのですが、
僕の病気がわかって治療が始まるまでの1ヶ月。
治療が始まってから入院・手術を経て
体がほぼ元に戻るまでの1ヶ月半。
合わせて2ヶ月半。

その間、僕がずっと心がけてた
学んだことの話をしたいと思います。

これは、
僕の命を救って下さった先生から学んだ事。
僕が理解して始めた事、
受け取った事、
感じた事を順を追ってお話したいと思います。

先生から学んだ事は、数えきれ無いほどあって、
『自分と向き合う、
自分の思考を整理する機会』を与えてくれました。

前にも書いたのですが、
僕は先生に相談した時、
どうしたら治るのですか?とかを
聞きたかったんじゃないんです。
そんな事聞ける訳もないし。

自分の病気を受け入れて、
そこからどう進んでいけば良いかを学びたかった。
もし本当に残りの人生が少ないのならば、
そこも受け入れて人生を全うしたいと思ったから。


もしかしたら気分を害される方もおられるかもしれません。
症状や病気の重度はそれぞれ違うし、
僕の考えや思いも全てが伝わるとは思っていません。

ただ、もし病気になったという事実は変わらないとしても、
そこに向き合う扉が二つあって
一つは病気に負けないで戦うという扉と
もう一つは、病気を受け入れて共に歩むという扉があるのならば、後者を選んで欲しいと思うんです。


間違えて欲しくないのは、諦めると言う事とは全く違います。治らなくて良い…そう思う事とは全く違います。
そんな思考は論外ですよね。

僕が、先生から一番最初に学んだ事は、
『病気は、体が悲鳴をあげてるということ。
体が気づいて欲しいと言うサインだと言う事。』

癌という病気。
とりわけ、全ての人が良くは思わなくて恐れる病気。
でも、それは『自分の体が悲鳴をあげて自分の体の細胞が変異したものだということ。
だから、闘うという感情は違うのだという事。』

負けないぞと思うと、自分の体の一部だからより強固になる。憎く思えるがん細胞すら受け入れるということ。

分かります。
病気に負けないぞって思ってないと、
この大変で辛い状況に飲み込まれそうになる事も。



でもね、その強い思いは持ち続けられれば、
良いのかも知れない。
ただ、上手くいかなかった時に必ず倍にもなって自分に覆い被さってくる。
そうなると、またそれ以上の強さを自分に求めないといけない。

自分と向き合って、共存するという感覚でいると、
闘うのとは違うんだという感情に気がつくと、
すごく楽になるんです。
心が穏やかになるんです。

それを知れたのが一番大きかった。
それを知れてから、病気に対する怖さがなくなった。
それが僕の『思考の変化』なんですね。



僕は病気が分かって、治るまで不思議と落ち込まなかった。
退院する時に初めて泣いた、あの数分以外はずっと前を向けていた。これは、僕が特別なんじゃないんです。

初めはどんなに怖く感じる事柄や体の辛さ、しんどさよりも、『治さないといけない』という気持ちが勝ってたから。
僕の心に入り込む隙間がなかったから。


そして、たぶんその後落ち込むであろう時期に、
この思考の変化ができたからだと思います。

落ち気味の思考の曲線を、また上向きに上げれたのだと思ってます。それも無理せず、ごく自然に。


人間は、1日に6万回もの思考を使うらしいです。
思いは、その思考がどこに何に振られているかで決まるといいます。プロの野球選手になりたいと毎日8割思う人と、
2割くらいの人がどちらが夢に近くなるか。
そんな感覚です。


感謝の話し


じゃあ、どうしたら
共存できる考え方になるのか。

ちょっと『感謝』という話をしたいと思うのですが。
引かないでくださいね…汗

よく物事が上手くいかない時に、感謝が足らないとか、
感謝をすると良いとか言われる事があると思います。

僕自身も(おかしいなぁ…感謝してるんだけどなぁ…)
って思ってました。(思いが足らないのかなぁ…)とか。
(なんで感謝が大切なんだろ?)と思ってました。

商売をしてるので、信心深いこともあって、
ただひたすら「ありがとう」と念仏みたいに唱えてた事もあります。でも、心の底から納得できてない自分がいた。

そんな時にこんな言葉を聞いたんです。
『感謝の気持ちと不安や怒りの気持ちは、同居できない』

なるほど…と思いました。
感謝してるようで、心からは思えていなかったんだと。

そして、ありがとうって感謝したら、
物事が好転するって言われる事も、
単にありがとうと言えば何かが変わるという事ではない。

『感謝は、感謝をしたから何かが得られるという
取引きの道具』ではないんです。


感謝するという事の大切さ


僕が先生から学んで、一緒にした事に
『感謝行』というのがあります。

周波数って聞いた事あると思います。
共鳴とか共振とか。

意識や祈りは、素粒子となって相手に届くらしいです。
フォトンと言うらしいです。


よく言う引き寄せの法則と言われるものなんですけど、
例えば意識して「ありがたい」と言う気持ち(フォトン)を飛ばせば、それに共鳴して「ありがたい」事と同じ波長のものが響き合う。

大丈夫というプラスの言葉を言えば、それが振動となって細胞に伝わって細胞同志を大丈夫の曲で奏でる。
これ、細胞振動と言われるらしいです。



意識的にマイナスの言葉を使うのか、
意識的にプラスの言葉を使うのかで、
物事が変わると言う事です。

でも、無理にプラスの言葉を吐こうと思っても
大変な渦中にいる場合、
そう簡単にできる事ではないとも思ってます。

そこで僕が先生に言われた事が『感謝行』なんです。



先生から、
『毎晩、感謝する事を3つ。LINEしてください』
と言われました。

『◯◯のせいで、◯◯のお陰で。を3つ。』

これは、例えば

病気のせいで、家族に辛い思いをさせてる。
病気のおかげで、家族の大切さを改めて知った。

病気のせいで、仕事ができなくなった。
病気のおかげで、この仕事が大好きなのがわかった。

病気のせいで、辛い毎日になった。
病気のおかげで、普通がどれだけありがたいかを知れた。

と言う風なやりとりをさせてもらいました。
(本当は、体調もあって毎日送れなかったのですが、これをしてるだけでも心は落ち着いてた)


闘病は、必死に前を向かないといけない。
でもそれは、心の強さを必要とするものですよね。
強さが続けばいいけど、ポキンと心が折れそうになる度に、また奮い立たせないといけない。


僕はよく「なんでそんなに落ち込まないの?」と
言われることがありました。
それは、今あるモノを数えたからだと思ってます。



物事の捉え方は、ふた通りある。
単純に良く捉えるか、悪く捉えるか。

違う側面から見れれば、
考え方は変わります。

そして、祈りや思いには、すごく強く計り知れない
エネルギーがあると思います。

自分から発する言葉や気持ちで、
自分も周りもどんどん変化していきます。
これは、僕が身をもって経験した事柄です。


是非、『感謝行』をしてみてください。

『素直とは、行動に移すスピードの速さ』といいます。
もし、なんの変化もなかったとしても
傷を負うことじゃない。

やってみるとね、
今まで無理にプラスに考えてた事柄が、
自然と前向きになります。

信じてもらえないかも知れませんが、
僕は『癌という病気にすら感謝できた』
これは、嘘偽りのない事実です。

前に書いた、母親との確執もそう。
家族の絆も仕事のありがたさも
病気から学びました。


脳って、イメージと感情を本物と思うらしいです。

ネガティブな感情は、
心臓の鼓動を早くして脳を萎縮させるらしいです。
恐怖の感情で、恐怖を想像すれば恐怖の世界をつくる。
全て、イメージと感情です。

人生を変えるには、自分が放つイメージと感情を変えることです。思考と感情が揃った時しか、奇跡は起こらないんです。

逆にね、思考と感情が揃ったら、奇跡は起こります。



僕は、心臓に水が溜まって水を抜く手術をしました。
先生にね、
「心臓に手を置いて、ありがとうと言ってあげてください。
体は悲鳴をあげてたんです。寝てる時ですら、動き続けてくれてる心臓。無理させてたね。気づかなくてごめんね。
ありがとうって言ってあげて下さい。」と言われました。

後は、『自分を褒めてあげてください』と言われました。



些細なことでも良いです。
腹立つ事があったけど、我慢できた、私はすごいとか
親切にしてありがとうと言われた、私ってすごい!とか。
(adoの歌みたいなもんですね笑)


そんなに難しい事じゃないでしょ?
感謝をした事3つ
自分を褒める事3つ
書き出す。


そうそう。これも。
考え方一つで過去も変えられるんですよ。

例えば、喧嘩をして仲直りできなかった嫌な思い出。

それも、時間が経ってから謝る事で仲直りできたとしたら、
仲直りするまでの嫌な思い出も、
もしかしたら良い思い出に変わるかも知れない。
良い思い出に変わらなくても、
心に引っかかってた事柄がすっとなくなる。
それだけでも大きな変化。

それって、過去も変わったという事じゃないですかね?
捉え方一つで、良い思い出に上書き保存できるのだと思います。


最後に


本当はまだまだ伝えたい事が、たくさんあります。

でも、一番は心を穏やかに感謝をして
考え方を変えて、現実を変えて欲しいと言う事です。



最後にゴミ箱のはなしを。

自分の事をゴミ箱みたいに扱うか、
宝箱みたいに扱うかという話しなんですけどね。
(完全に先生の受け売りです笑)

ゴミが落ちていて、それを捨てるのにゴミ箱と宝箱があったらどちらに捨てるか?

(どうせ私なんて…)って自分をゴミみたいに思ってると、そう言う扱いを受ける。ゴミ箱オーラを出してしまう。
自分はゴミみたいなものと自分が思ってるんだもの。

周りの人は、ゴミ箱にゴミを入れてるだけ。
その人が悪いのではないんです。

周りの人は、
『私が私をどう扱っているか』
を教えてくれる存在です。


『自分が自分を認めると、
周りからも認められる』とは、
そう言う事なんです。

自尊とは、自分を尊敬する事。
「もっとすごい人が居る」は、
いらない言葉です。


自分を褒めてあげてくださいね。
私、よくやってる。えらいよ!は、宝箱オーラ。
ポジティブな言葉で自分を褒めて、
自分自身に素敵な言葉をかけて下さい!

そもそもあなたは、素晴らしい。
生きてるだけで素晴らしい。


今、現在。


僕は、以前となんら変わらない生活ができています。
毎日、あくせくとですが楽しく働けています。
前以上に今の仕事が大好きになりました。
ありがたい事に、子供達も明るく元気で穏やかです。

変わった事と言えば、物事の捉え方が大きく変わった。
全ての事柄に、意味を持つようになった。

今までもあまり人のせいにする事はなかったけれど、
良い事も悪い事も、矛先は自分に向けて
なぜそうなったのか考える癖がついた。

大きな事を乗り越えた事は『全てが宝』であって、
意味がある事を知りました。

命は、大きな愛です。
生かそう生かそう、生きるんだよと
してくれてるものです。

感謝とは、何が起ころうとも
生かされてる幸せを感じられる事です。
自分自身を大切にしてくださいね。

必ず良くなる。そう願い感謝に浸ってください。
あるものを数えてください。

心から良くなる事を祈っています。


2022.11.21


(長かったぁ…ありがとうございます♪
ほんと一人にでも何か一つでも伝われば嬉しい。)
















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