５.初めての学び

治療が始まる前に、
恩人の先生と何回か話せる機会がありました。

話せると言うか、「量子力学」という科学の分野の講義を聞かせてもらいました。
こうしたら病気が治りますよ、という話ではありません。

ただ、物事の考え方、思考が伝わると言う事。
思いが体に及ぼす影響など。

僕は、癌サバイバーであって、
治療を現在はしてません。経過観察のみです。

闘病当初から現在も揺るがない考え方があって、
その考え方が、一番心を支えてくれたと思っています。
その考え方があったから、落ち込む事もなかったし、
常に前を向けたのだと思っています。
今もなお、根付いています。

「癌は、自分の体の細胞の突然変異。
だから、闘おうとか負けないとか思ってはいけない。
病気は、無理をしてた体が悲鳴をあげてたんです。

だから、その体に寄り添ってください。
無理をさせててごめんね。
そして、体にありがとうと感謝してください。」

闘病という言葉は、わかりやすく伝わりやすい言葉です。
だから僕も使うのですが、
「癌に負けないように頑張る」とか
「病気に負けないように、気持ちを強く持つ」という言葉を言う意味もよくわかります。

そうでも思ってないと、病気に飲み込まれてしまいそうだから、鼓舞して自分を奮い立たせるのもわかります。そうでも考えないと、心が折れそうになるのもわかります。

ただ、闘う・負けないと思うと、
必ず思っていた事が上手くいかなくなった時に、
それまで以上に焦燥感が覆い被さるとも思っています。

もし治療が上手く行かなかったら、更に前を向く為には今まで以上に自分を奮い立たせないと乗り越えられない。

そんな風に思って、自分を鼓舞してる方を見ると辛くてなんとかして少しでも楽に思える事を伝えたかった。
だから、こうやってnoteやTwitterを始めようと思いました。

「病気は、負けないぞって思うと、
更に病気の方も負けないぞと思う」

そんな事も聞かれた事があるかもしれません。

僕は、本当に言葉に救われました。
この言葉が一番伝えたいことなのかな？

物事が上手く行かない時に、
よく感謝をしろ。
感謝が足らないと言われます。

僕は、その言葉を聞くたびに
「感謝してるけどなぁ…」と思っていました。

でもね、感謝って不安や恐怖、怒りの気持ちと
『同居』できないものなんですって。

感謝をしてる…そう思った気持ちの奥底に、
少しでも不安や恐怖、怒りがあるなら
もしかしたらできてないのかもしれません。

僕は、闘病中（闘病と書いてしまった…）、
不思議と前向きでした。

落ち込む事が本当になかった。
（あるとしたら、告知された時の数秒。
そして、後で書く退院のときに先生から症状を聞いた時の数分だけ。本当です。）


それは、僕が強い人間だからじゃないんです。

前を向かなくてはならなくて、
この言葉を聞くまでは気が張ってたから落ち込んでる暇もなくて、
この言葉を聞いてからは、心が穏やかで落ち込まなくなったんだと思います。

今あるものを数えてください。
今、そばにいる人の事を思ってください。
病気で失ったものではなく、
病気を経験して得れたものを数えてください。

僕は甲状腺が外から見ても尋常じゃない程に腫れてたんですね。
「ありがとう」と言葉に出す事は、感謝の振動が喉に伝わる。そう教えていただいたんです。

心臓にも水が溜まってて、心臓を手で押さえて
「気づかなくてごめんな。ありがとう」と言う事で、
感謝の振動を伝える。
この振動ってものの事は、また書きますね。

心の底から感謝ができると、
必ず不安はなくなると思います。
もちろん本当に大変な渦中にいる方は、
そんな事思えないかもしれない。
でも、そうなんだ。と知っててもらいたい。

必ず自然と心が前に向きます。
それは、前に向こうとか頑張ろうというものではなく、
そんなことすら考えない穏やかな気持ちだと
思ってほしいです。

頑張らなくてもいいんです。
感謝できるものを数えてください。

そう。
頑張らなくていいんです。

僕が昔、ある人に言われた言葉。

「頑張るって言わなくてもいいよ。
だって、頑張ってるじゃんね。」

そう思うんです。

体に寄り添って、感謝をするコト。
そして、頑張らないコト。

穏やかな気持ちになれる事を願っています。

追伸、
僕の闘病生活は、ここからが本番です。

2022.11.7

（なかなか思い出しながら書いてるので、時間がかかって。
見てくださってる方の中には、早く結果をと思われてる方もおられると思いますが、どの部分が誰にどうプラスになるかわからないので、僕に起こったすべての事を書きたいと思ってます。是非少しづつでも読み進めてもらえる事を願います。）