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契約書作成におけるChatGPTの活用法

売買契約のようなひな形がそのまま利用できない新たな取引について、契約書の作成を依頼された場合におけるChatGPTをはじめとするAIツールの活用方法について記事にします。

当事者間の権利・義務の整理

ChatGPTは、複雑な取引についてに当事者の権利・義務を項目ごとに分類することがとても得意です。

契約書作成の基本は、取引における各当事者の役割を法的に有効な形で書面に落とし込むことです。
その前提として、契約書作成のもとになる当事者間の権利・義務の整理にChatGPTは非常に役に立つ
のです。

ビジネス部門からヒアリングしたビジネスの内容をベタ打ちでChatGPTへ投げかけるだけで、非常に細かく項目を表にしてくれます(ヒアリング内容はまとまってなくてよいので、5W1Hを意識しながら具体的かつ詳細に記載するのがポイントです)。

例えば以下のようなプロンプト例をChatGPTに投げかけます(架空の事例です)。

以下の取引を分析し、Aの権利義務とBの権利義務で整理して、契約書を作成する基礎とするために表にしてください。

当社をA、提携先をBといいます。 Aは、AIチャットというホームページの情報をもとにしたチャットボット商品を開発・販売しています。 Aは、BのAIチャットの販売店として、AIチャットをエンドユーザーへの販売権を付与します。 販売権は非独占的なもので、Aは他社とも同様の販売店契約を締結することができます。 今回の取引におけるBのエンドユーザーは法律事務所・税理士事務所を想定しています。医療機関はAの販売対象であるため、Bは、医療機関をエンドユーザーの対象にすることはできません。 AIチャットの料金は、1ホームページあたり、15万円(税別)で、保守料金は月額2000円(税別)です。 エンドユーザーとの契約はBが行い、エンドユーザーへのアフターサービスを含めた窓口はBが担います。 保守作業等は、Aが行いますが、エンドユーザーとの連絡窓口はBが担います。 AIチャットの知的財産権はすべてAに帰属します。エンドユーザーは、Bとエンドユーザーの契約が続く限り、使用のライセンスを受けることになります。 AIチャットの仕様、商品名はAに決定権があり、Bが決めることができません。 Bは、AIチャットの競合・同種製品を扱う場合、Aに事前に通知しなければなりません。 BがエンドユーザーへAIチャットを販売した場合、BはAの所定フォームを使ってAへ報告します。Aは2週間以内に、AIチャットをエンドユーザーへ納品します。

これに対して、ChatGPTは以下のようなわかりやすいアウトプットを出してくれます。

ChatGPT4.0

契約書のひな形を使った契約書の作成

ここまで整理できたら、契約書のひな形を利用して今回の取引の契約書を作成するだけです。

今回は、販売店契約(ディストリビューター契約)となるため、販売店契約のひな形を使って権利・義務をあてはめていくだけで契約書は完成します。

私の勤務先は㈱LegalOn Technologiesの提供する「LegalForce」を導入しているのですが、LegalForceでは契約書のひな形を即座に準備することが可能です。

LegalForceの良いところは、AI契約書レビューだけでなく、1000以上の契約書のひな形が格納されているところです。

LegalForceのひな形の特徴は、⑴法改正にタイムリーに対応してくれる点、⑵最新のビジネスに対応した契約書・法律業務文書のアップデートが早い点(例えば「生成AIサービス利用ガイドライン」といった社内ポリシー文書まで準備されています)、⑶当事者のそれぞれの立場に立った契約書のひな形が格納されている点にあります。

例えば業務委託契約書であれば「委託者有利」、「中立」、「受託者有利」とそれぞれの当事者の立場に立ったひな形にアクセスできるため、非常に便利です。

AIツールを使った業務効率化は法務パーソンの必須スキルに

これまでは、取引担当部署からのヒアリングを行い、自分で取引を分析して当事者間の権利・義務の整理とリスク分析をした上で、契約書のひな形を参考にしてスクラッチから契約書を起案する必要がありました。

しかし、生成AIをはじめとしたITツールをうまく使えば、新たな取引の契約書を作成する場合には、①ChatGPTで当事者の当該取引における権利・義務を整理、②LegalForceで最も適したひな形をダウンロード、③①で整理した当事者の権利・義務を②のひな形へ落とし込むことで一瞬で契約書作成ができるのです。

AIツールを駆使して業務効率化をすることは、今後の法務において必須スキルではないでしょうか。

なお、今回のような取引では、ChatGPTに以下のようプロンプトを投げかけることでビジネス上や法律上のリスクを掘り下げることも有効です!

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皆さまも法務の仕事においてAIツールの活用方法がありましたら、教えていただけると嬉しいです!

※生成AI等外部ITツールへの機密情報・個人情報等の入力は、利用規約・ガイドラインに注意のうえ、各自の責任でお願いします。

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