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読書 / 『半オートモードで月23.5万円が入ってくる「超配当」株投資』 / 株式投資における基礎知識を身に着ける

以前、『最強のファンダメンタル株式投資法』という読書記録を記事にしました。

引き続き今回は、『半オートモードで月23.5万円が入ってくる「超配当」株投資』という本が株式投資において大変参考になったので要約記事にしたいと思います。

本の紹介

タイトル:半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資 日経平均リターンを3.86%上回った“割安買い”の極意
著  者:長期株式投資
出  版:KADOKAWA

要約

もともと株式投資をしていた著者は2006年のライブドアショック、続く2008年のリーマンショックで株式投資の洗礼を浴びることになる。

そこで、受取配当を増やすことを軸に沿えた投資手法に変えて投資を続け、2022年、「億り人」(=金融資産1億円)を達成する。
投資手法として重要なことは「再現性」「シンプル」「理解しやすさ」

必要なのは株式投資を判断する「モノサシ」を身に着けること。そのうえで、市場が暴落している割安な時期に株式を「配当」目的で購入し、長期保有することで資産を増やす。

そして、受け取った配当を株式購入に回すことで「複利効果」を得ることができる。

この本では、著者自身が長期保有目的で保有している銘柄17選を公開しており、大変参考になる(詳細は本書にて)。
実際に株式投資で成功した人が「具体的にどの銘柄を買ったか」、極論を言えばこれをまねしてしまえばよいからだ。

要約①:セクターと競合企業を分析する

セクター代表企業の「暴落買い」(第1章)において業種別の代表企業についてそれぞれ簡単な評価が解説されている。
例えば、「素材・化学」セクターは信越化学工業や花王といった業績が安定して財務基盤が固い銘柄が多い一方、「空運業」(JAL / ANA)セクターは株主優待は魅力だが、過去にJALやスカイマークといった経営破綻があったり、コロナによる大暴落を経験するなど「空運業」セクター自体を避けたほうがよい、という著者なりの評価・分析がなされている。

重要なことは、検討している銘柄「単体」の経営指標に着目するのではなく、セクターの特徴を踏まえつつ同じセクターに属する競合企業の数値と比較したうえで、投資に値するかどうかを検討することである。

要約②:企業価値を図る「モノサシ」とは?

実際に株式を売買する際には「PER」や「EPS」といった指標を理解すべきであり、これが前述の「モノサシ」となる。
そのうえで、重要な指標に関する基礎知識と自分なりの投資ルールを決めることが大切となる(例:「PER30倍以上の株式には手を出さない」)。

決算短信では、①今年度EPSが前年度よりも成長しているか、②今年度EPSよりも次期予想EPSが成長するか、配当金が年々増加しているか、減配となっていないか、の3点を必ずチェックする。

要約③:目的と戦略を明確に

投資する目的と戦略を明確にすべきである。

例えば、目的が「FIRE(Financially Independence and Retire Early)」にあるとすれば、戦略として株式投資をする。そのための戦術として、○○の株を配当目的で買う、というように。

この戦略と戦術に沿って決算短信・有価証券報告書から銘柄の経営状況を確認し、割安な水準にある株式に長期的な視点で投資する。
なお、バリュートラップ(買ったときに高配当でも株価下落と減配による損失)に陥らないためにも、連続増配銘柄や累進配当銘柄といった株主還元方針に着目すべきである。

その際、実際に株式を売買するときに「どのような仮説に基づき投資したのか」を、将来の反省に備えて記録に残す。

2024年から新たに始まる新NISA制度の下においては、つみたて投資枠では「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、成長投資枠(年間240万円、保有限度額1200万円)では日本株への投資を行うのがオススメである。なぜなら、日本株は企業価値の観点や税制の観点で外国企業よりも有利だからである。

株式投資の世界は知識を得たからといって、すぐに成果が出るような甘い世界ではない。
投資にあたっては自分なりの目的と戦略をきちんと設定し、長期的な観点から株式投資に臨むことが大切である。

ポイント1 銘柄の経営指標だけでなく「株式市場そのものの指標」に着目する

この本では、『企業と市場に対する「俯瞰力」がアップする10の指標として、①配当利回り、②1株利益(EPS)、➂株価収益率(PER)、④自己資本比率、⑤売上高営業利益率、⑥株価純資産倍率(PBR)、⑦1株当たり純資産(BPS)、⑧自己資本利益率(ROE)、⑨総資産利益率(ROA)、⑩投下資本利益率(ROIC)、⑪恐怖指数(VIX)、⑫Fear&Greed指数、⑬EV/EBITDA倍率といった株式投資に関する指数が解説されています。

ここで私が学んだことは、銘柄単体の経営指標だけではなく、市場そのものの指数である⑪恐怖指数(VIX)、⑫Fear&Greed指数に着目すべき、ということです。

株式投資は、「安いときに買って高い時に売る」、というのが鉄則です。

この「安いとき」というのは一番わかりやすいのは市場の暴落時で、過去には「リーマンショック」、「BREXIT」、「コロナショック」等がありました。
このような時期に基本的な経営指標を抑えたうえで割安な株式投資を行えば、だれでも成功することが出来ます。

とはいえ、暴落時に株式を買うのはとても勇気のいることです。

そのため、株式市場自体の暴落感を数値で測るため、⑪恐怖指数(VIX)と⑫Fear&Greed指数という株式市場自体を数字で表す指標はとても重要です。
これらの数値をチェックして、市場の「雰囲気」に流されることなく、客観的に株価が割安となっているかどうかを判断するのです。

今後は⑪VIXや⑫Fear&Greed指数に着目しながら、市場全体が暴落しているときを見計らって株式投資に臨みたいと考えています。

ポイント2 決算資料は過去5年間の数字を見る

著者は、決算短信や有価証券報告書をみるにあたって、単年度だけを見るのではなく、過去5年間を通じて確認・検討することの重要性を強調します。

企業は「生き物」であって、単年度のみ良くても(あるいは悪くても)将来を予測するのに十分ではないので、長期株式投資という観点からは少なくとも5年間という長期のスパンをもって経営指標を判断することが必要となるのです。

過去5年間の数字を見て成長しているのか、成長しているとしてどのくらいかを前提に、将来にわたって成長していくかどうかを自分の目で見極めることが大切です。

ポイント3 自分なりの投資目的とルールを持つ

最も重要だと感じたのは、株式投資に関する基本的な指標を理解したうえで客観的なモノサシを身に付けたうえで、「自分なりの投資目的とルールを持つこと」です。

私自身についていえば、「人生を充実させるため」、具体的には、「旅行をはじめとする趣味においてやりたいことを実現するためにお金がハードルにならないため」というのが投資目的です。

投資に関する本を連続して書評記録していながらですが、私自身は株式投資、いや、投資それ自体に大きな興味がありません。

むしろ、体を動かしたり音楽、読書、旅行等を楽しむために大切に時間を使いたいと考えています。

しかし、物価上昇に伴う貨幣価値自体の下落(10年前の100円は今の100円よりも価値があった)と経済全体の膨張という今の経済状況をみていると、「お金に働いてもらう」ということの重要性はどんどん増しているように思えます。

つまり、ただ盲目的に貯金するだけだと結果的に損をすることになりかねません。

投資の中で株式はハイリスク・ハイリターンな投資だと言われます。

しかし、この本で解説されている投資手法は決して「ハイリスク・ハイリターン」を狙ったものではありません。

この本を参考に、あくまで「人生を充実させるため」に負けない投資を行っていきたいと考えています。

この記事が皆さまの参考になれば幸いです。

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