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インサイドエリア/形状記憶粒子-2

第2章 出発

有川さんが 「兎に角今ある物を全て使ってお昼ご飯を作ります。食べてから出発しましょうよ」山田さんがあんまり嬉しそうにコクコクするので、一寸笑って気が和んだ。すこし元気の出た私は、有川さんのご主人が生前使用していたノートパソコンに持っていたWi-Fiをセットし、色々整えて持ち出す事にした。なんだかネット関係が、やはり上手くいかないのだ。それでもパソコン持っていく、これは私のお守り!

有川さんと亡くなったご主人は趣味がサバイバルゲームで、ご主人はとても大きな方だったそうで、隣の部屋に迷彩服、モデルガン、サバイバルブーツとか色々武器に成りそうな物?玩具でも脅しぐらいに使えるし、今は緊急事態っぽいし、有川さんの許可も得ているので、動きやすい服装になり、考え得る限りの、身を守る服装と装備(?)を選んだ。彼女が食事を作る間、隣の部屋で2人とも迷彩服・ブーツ・それぞれのモデルガン・ヘルメット等の装備を完璧に整えた。山田さんがライフルタイプのモデルガンを背負って、とっても嬉しそうで、心情的に救われた。ランチは、それはもう豪華で、あんな短時間で!主婦力高いなぁ!と感心した。食後のコーヒーも美味しかった。有川さんも迷彩服に着替えた。凄い! まるで女戦闘員だカッコイイ!。散らかしたままでそっと部屋を出る。

駐車場に山田さんの大型トラックは無かった。絶望でへたりこむ2人を、有川さんが引っ張る。裏手に回ると古い物置があり、有川さんが木の扉をウーンと開こうとするのを、山田さんが片手でスパンと開く、怪力だなぁ!扉に手を掛けていた有川さんも一緒に少し持ち上がってしまい尻餅をついた。有川さんを助け起こしながら2人してフフッと少し笑った。 中には大層立派なキャンピングカーがあった。「凄いでしょ、此れで山へ行って、終の住処にするつもりだったのよ、私達」と行って、笑ってお守り袋から鍵を取出し、ピッと解錠すると 6個のブルーライトが灯った。まるで目を覚ました生き物の様に見えたのだ。

オオオオー! 山田さんは目を輝かせている。山田君の無邪気さには救われるなー!有川さんが「燃料は一応満タンよ! 大型で日中は国道を走れないので 主人が亡くなってから、いつも夜中に時々走ってケアしていたの」山田さんの方を向き 「山田大輔さん本日只今からこのタンクの館長を命じます。そしてこのタンクは今から貴方の所有です。受け取って頂けますか」と言った 山田さんは「ハイッ!お受けします。お任せ下さい」と鍵を受け取っている。山田さんも可愛いが、この有川さん 大好きだ!凄い人だ。この2人と行ける所迄行こう!きっと大丈夫だ! 3人で話し合い この目立つ車では昼間走らせるより、夜そっと出掛けた方が良いのでは?もう少し積める物も有るかも知れないと言う事になり、表に回ると、窓から見える有川さんの部屋に、普通に、小さなテレビの前で寝転ぶ中年の男性が居る。はっとして身を隠す3人。山田さんが、出よう!と合図をして、3人はキャンピングカーに乗り込んだ 山田さんの運転はスムーズで、滑る様に道路に出た。走りながら山田さんが「もう帰る場所は無いです。 多分俺等の常識も此所では通じない! 行きましょう!もし、止められたり、妨害が有っても 必ず俺が守ります。親方も待っていますし、ガソリンも満タン このまま山に入る迄 突っ走ります。いいですか」「ハイッ」と言う返事は2人シンクロした。 


次回につづく 是非ご覧くださいませ!!

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