第2の人生を考える

「人生100年時代」というフレーズに、
胸がざわつく。

今の会社に入社して、この春で25年を迎えた。
しかし、この先の人生は、うんと長い。
今の会社で働き続けるのが、果たしていい
ことなのだろうか。いや、それだと毎日が単調で
成長は見込めない。自分の可能性を狭めることにならないか―。

深く、暗い森の中に迷い込んでしまったような感覚だ。

40代も後半に入ったというのに、就活生のような気分だ。
自分のやりたいことって本当は何なのか。
脳内では無意識のうちに「自己分析」を何度も繰り返す。

私は次世代のテクノロジーに最も関心がある。
具体的には「AIや核融合発電によって社会課題を
いかに解決するか」という命題だ。
この命題の解を明確化し、次の時代の在り方を
提示するジャーナリストとして独り立ちしたい。


現代社会は、高齢化や人口減少、労働者不足、過重労働、
気候変動、資源の枯渇と、さまざまな難題を抱えている。
社会システムを大きく転換するべき切迫した状況にある。
行き過ぎた資本主義は、大きな格差と富の偏在、環境破壊という弊害を生み、限界を迎えている。
成長を追い求めるのがよしとされてきた社会常識は、ガラガラと
音を立てて崩れていく。社会のシステムを一度壊して再生する時代に入ったのだと思う。


森に例えればわかりやすい。台風などの自然災害によって樹木が倒壊し、日陰だった場所に光が差し込み、そこに新たな植物や生き物が息づく。現代社会は、こうした生態系の「撹乱」にも似た状況なのだ。破壊と創造は新たな進化を生む。

自分は起きたことを伝えるだけではなく、
将来を考え、未来を構築することに役立ちたい。
未来像を示す仕事はワクワクするし、混沌とした時代に相応しいのではないかと思う。

いまの会社に入社した動機は「科学技術の持つメリットや弊害を分かりやすく伝え、科学技術と社会の架け橋になりたい」だった。いま、まさに必要とされる役割だと確信している。

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