未来のない会社を辞めて転職したい

ゴールデンウィークまっただ中なのに、こんな憂うつなタイトルの記事を書かねばならないとは、情けない。ダメ企業の見本市のようなこの会社を、一刻も早く抜け出したい。

情報産業の、とある企業に勤めているが、悩みと迷いはきわめて深い。転職しなければ自分の未来がないという思いが鉛のようになって、それが日に日に大きくなり、心を重くしている。

多くは明かせないが、我が社は知らぬ間にネットという氷山の群れに飲み込まれ、タイタニックのように沈みゆくかのようだ。アナログビジネスから、慣れないネットビジネスに大きく舵を切ろうとしているが、人員も体制も整わぬまま、ただやみくもに方向転換しただけに見える。中長期的な収益の目標と戦略がない。すなわち海図がないのだ。いったいどういうことなのか。怒りがこみ上げる。未知の海域に詳しい船長も船員もおらず、失敗は目に見えている。われわれ社員に、このまま沈没を座して待てとでも言うのか。

腐っても情報産業だ。それなりに収入はある。例え期限付きのかりそめだとしても、今の安定した生活は捨てがたい。しかし、私自身、体力的にも精神的にも限界が来ている。遅かれ早かれ、この我が社という泥船は沈没が確実な情勢だ。

この会社の経営陣のバカさ加減にあきれてしまう。ある幹部は楽観していると言い放った。じゃあ未来はどうなるのか?社員のだれもが心の中で叫んだだろう。しかし、経営陣は遠い未来には口を閉ざす。

船体が傷つき、大きな穴が空き、激しく浸水しても、見て見ぬふり。ただひたすら無駄な時間とカネを突っ込み、社員の心身を確実にむしばんでいく。。。とてもじゃないが、ついていけない。第2次大戦の頃に日本が突き進んだ愚策「インパール作戦」そのものだ。

昔は優秀と仰ぎ見た先輩たち。それにしても経営のかじ取りがここまでおそまつとは。負けるときはこんなものなのだろうと、現状を日本の敗戦に重ね、自虐的に笑ってみる。歴史から何も学んでいない、と嘲笑するしかない。

私は「明日は我が身が壊れる」とおののきながら、自分を守るため泥船から抜けだし、転職する道を必死で探している。社員は、みな同じ思いなのではないか。冷たい氷山の海に飛び込みたくないから、この泥船から下りられないだけだ。それを、ある幹部は「みな頑張っているから乗り越えられる」と厚顔無恥にも言った。その無神経さと鈍さに腹が立つ。

ゴールデンウィークが空ければ5月病の季節を迎える。既に入社して20年を超えたというのに、心の暗さは、新入社員の5月病の100倍ほどの漆黒である。

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 急速な社会のデジタル化の流れについていけず、荒波にもまれ、難破する企業というのは、これほど無力で、あっけないものなのか。。。かつての栄華など全く感じられないまま、時代の変化の中で朽ち果てるのだろうか。

ある意味、その様を目の前で見届けるのは貴重な体験ではある。同じような苦境に陥っている企業は少なくないだろう。処方箋になるかどうかはわからないが、私自身の備忘録としても日々書き綴っていく。デジタル化を進むなんらかの羅針盤になるように、淡い期待を抱きつつ。

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