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救急搬送の後、検査入院になってしまった

救急搬送

先週の木曜日の夜のこと。
夕食の後に歯を磨こうとして、洗面所の前で強烈な立ちくらみに襲われ、そのまま意識を消失してその場に座り込むようにして倒れた。意識が戻った時には、モーニャン(妻)が私の身体を支えながら、私の名前を呼んでいた。

そして、その後、また意識を消失する。さらにもう一度意識の回復と消失を繰り返した後に、やっと意識がはっきりした。

過去にも強烈な立ちくらみの後に一瞬意識を失い、その場に座り込んでしまったことはあったが、今回のように3度にわたって繰り返したことはなく、最悪の事態を心配したモーニャン(妻)が救急車を呼んでくれた。

元々高血圧症で服薬しているのだが、昨年の夏くらいから血圧が低めに安定しており、立ちくらみがひどくなっていた。そして先月には、減薬してもらったところだった。

救急車の中で、血圧を測るが、上が80台、下は50台あるいは測定不能になったりしている。病院への移送中にも4、5回測定したが、結局は測れなかったようだ。明らかに起立性低血圧による失神であることは疑う余地がない。

20分ほどして、脳神経外科が専門の病院に到着した。

当直するとすぐに検査室に運ばれて、採血をした後に頭部のCT検査が行われた。検査が終了してしばらくすると医師が現れて、「よかったですね。CT検査の結果では、脳に異常はありませんでした。」とのことだった。

この言葉を聞いて、てっきりそのまま帰宅できるものだと思い、ホッとする。

そして私が、「ありがとうございます」と言い終わるか終わらない内に、「1週間の入院ね!」と言って、医師はさっさと部屋を出て行った。「えっ?なんで?」という私の言葉は、明らかに彼の耳には届いていなかった。

それからすぐに左手の甲に点滴がつけられ、5階の病室に搬送されてそのまま入院となった。

モーニャン(妻)は看護師から必要書類の説明などを受けたのちに、分離不安にもかかわらず家に残したナビの待つ家にタクシーで帰って行った。到着時にはナビはおとなしく寝ていたそう。

その夜、モーニャン(妻)は心配で眠れなかったらしい。本当に申し訳ない。

入院1日目

昨夜は眠ったような、眠っていないような、そんな夜だった。すこし眠った後に目が覚めると、自分が病院にいることに気づいて気分が落ち込む。そして、また眠って目覚めるということのを繰り返した。

ちなみに私は今回で生涯2回目の入院である。1度目は今から30年以上前で、十二指腸潰瘍で兵庫医科大学病院に入院した。H2ブロッカーの登場で、十二指腸潰瘍で入院というのは珍しいのだが、十二指腸潰瘍だという認識がなかった私は、続いている下血を放置していたために、極度な貧血状態に陥った結果、緊急入院となったのだった。歩くのがやっとだった。

ところで点滴だが、針を入れたのが手の甲だったので嫌な予感がしたが、やはり持続点滴だった。24時間、管に繋がれているのは至って煩わしい。

持続点滴

午前中に心臓のエコー検査をして、ホルター心電図(24時間計測器)を装着した。

ホルター心電図

最初から心臓の状態をスタッフステーションでモニターするために、心電図の送信機(写真の右側)を持ち歩かないといけない。そして、今回は24時間の記録を採るために別の心電図を記録する装置(写真中央)が装着された。

これに持続点滴がつながっているのだから、ベッドからの移動は極めて面倒だ。

寝たり起きたりを繰り返しつつ、やっと午後の面会の時間になった。

モーニャン(妻)が2時にきてくれるのが、待ち遠しい。他のフロアーの様子も見てみたいし、少しでも早くモーニャンをお迎えしようと思って、1階に降りることにした。

首から心電図モニターをぶら下げて、点滴台を押しながら、エレベータに乗って1階に到着した。エレベーターの扉が開くとその前に、女性が椅子に座っていた。
「何をしにきたのですか?看護師の許可はもらっていますか?」
「いえ、何もしていません」
というと、厳しい口調で、
「勝手に降りてきてはダメじゃないですか!!」
というと同時に、担当看護師に報告の電話をしていた。

5階に戻ると担当看護師がエレベータの前にいて、注意事項を伝えられていなくて申し訳ないと謝られた。新型コロナウイルス対策で、患者が他階に移動することは許されないらしい。

モーニャン(妻)は2時10分くらいに5階に到着した。デイルームと言われるフリースペースで面会したが、やはり新型コロナの感染防止で面会時間は15分。お互いの昨夜の状況とナビのことを聞いたら、すぐに15分が経ってしまった。

モーニャン(妻)がiPhoneを持ってきてくれたので、午後は、退屈せずに済みそうだ。

入院1日目の夜

最初に病室に入った時には、4人部屋に私を含めて2人が入院していた。私の隣はベッドごとなくなっていたが、名札はあるので患者さんはいるようだった。

そして、入院1日目の午前中に隣人が帰ってきた。隣人は手術をした後で、私が入院した時にはICUだったようだ。一般病棟に帰ってきたとはいえ、術後なので歩くことはできない。

しかし、本人はなんとかして自分でトイレくらいは行きたいようすで、昼間に一度、看護師さんにくどくダメだよと言われていた。

夜、12時くらいに隣で踏ん張る声とベットの軋む音が聞こえてきた。私の側に置いているらしい椅子をずらす音もする。寝苦しいのだろうなと思っていると、隣との境のカーテンから隣人が顔を出した。

「大丈夫?」と声をかけると、驚いた様子で、「寝ぼけてしまったみたいや!」とバツ悪そうにしている。きっとトイレに行こうとしたのだろうと、看護師さんを呼ぶと、やっぱりそうだった。

ちなみに、隣人は点滴をベッドの右に置いているので、私の側、つまり左側に降りると点滴の管が届かなくなる。昼間に降りる時には、右に降りるように何度も言われていた。

そして、4時半くらい。同じように踏ん張る声が聞こえてきた。そして今度も椅子がずれる音。カーテン越しに「大丈夫ですか?」と、声をかけるが返事はない。

ちょうど、私もトイレに行きたかったので、行く途中で中を覗いて「大丈夫?」と声をかけると、ベッドの左側に座って「おしっこがしたい…」とのこと。

すぐに看護師さんを呼ぶ。

私がトイレから帰ってきてしばらくすると、看護師さんが二人で「部屋を変えようね」と、ベッドを移動し始めた。

後で、そのうちの一人がカーテンを開けて「すいませんでした」というので、「部屋を変わられたのですね」というと、「介護ができる部屋に変わりました。」とのことだった。

そして、早速今朝から別の患者さんが入院となった…。

(つづく)


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