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ただコーヒーを楽しんでいるだけの素人の話

そもそも、コーヒーは飲めなかった。
いつごろからかは覚えていないが、コーヒーを飲むと気持ちが悪くなってしまうので、ひたすら紅茶ばかりを飲んでいた。

大学時代の先輩が同じく紅茶派だった。また彼は大の映画好きで、二人でよく大毎地下劇場に名画鑑賞に出かけた。そんな彼が頻繁に口にしたのは、映画「ジャイアンツ」の1シーンでのエリザベス・テーラーの台詞である。

エリザベス・テーラー演じるレズリーがジェームス・ディーン演じるジェットの小さな住まいを訪ねた際に、ジェットは彼女をコーヒーではなく紅茶でもてなす。そして、東部出身のレズリーが「西部男はコーヒーしか飲まない」と愚痴をこぼし、西部では珍しく繊細なジェットに好意を示すのである。

そんな先輩のこだわりもあり、当時から私は紅茶派を誇りのように振る舞ってきた。また当時付き合っていた妻も、(喫茶店の娘であるにもかかわらず)たまたまコーヒーが飲めない人で、二人で「やっぱり食後は紅茶よね」と意気投合していた。

ところが、こちらもいつ頃からは覚えていないのだが、レギュラーコーヒーなら飲んでも平気になったのである。当然ながら、妻からは「裏切り者」と罵られた。

前置きが長くなったが、そんな私のコーヒーの話である。ただしタイトルの通り、私はコーヒーに関しては全くの素人であり、ただ楽しんでいるだけであることをお断りしておく。

最初は、粉を買ってきてドリップして飲んでいた。別にそれで美味しいと思っていた。ところが4年前のある日、たまたま自転車で立ち寄った神戸市西区にある「ブルーベリー・ガーデン」という店で、マスターに強く強く勧められてその場でミルと豆を購入して以来、挽きたての美味しさを知ることになるのである。

ちなみに、その際に購入した豆はタンザニア産の「ンゴロンゴロ」だった。私はその時、世界に「ン」で始まる言葉があることを初めて知った。

初めて買ったHARIOのハンドミル

しばらくはハンドミルを使っていたのだが、意外と握力が必要で手が疲れる。年齢的には握力を鍛える必要があり、そのためにはちょうどいいのだが、それが目的ではないので結果的にストレスが溜まる。また妻には少々厳しいので、たまには(くどいが、元喫茶店の娘の)彼女にコーヒーを入れてもらいたいのだが、それが叶わない。

そんなわけで、近くのスターバックスに飾ってあったDe'Longhiの電動ミルを見つけて、同じものをネットで購入した。これは楽ちんである。荒さが16段階あるにもかかわらず、よくわからないので常にほぼ中央なのだが、特段問題ない。というか、他の荒さを使ったことがないので、一度挑戦してもいいかもしれない。

De'Longhiのミルと豆

さて肝心の豆だが、現在はもっぱら行きつけのコーヒー焙煎屋さんで勧められた、パプアニューギニア産の「シグリ」を愛飲している。バランスが良くて非常に飲みやすい。先ほどのミル同様、あまり冒険しない性格なので、気に入ったら最後、とことん固執してしまう。

コーヒーポットはBALMUDAを使っている。本格的ではないようだが、なんと言っても電気ポットは使い勝手が良いので気に入っている。

そしてマグカップは、アパレル・ショップ「Labrador Retriever」のオリジナルマグカップが定番である。必ずチョコレートを添えて、午前10時と午後3時に妻と二人でいただくのがルーティンとなっている。ちなみに、妻は今でもコーヒーは飲めないので、ほとんどコーヒーの入っていないコーヒーミルクである。

マグカップは「Labrador Retriever」


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