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猫の神様が降りてくる・その1

よく有る話をいたしましょう。飼い主のいない猫のためのボランティア活動を行う人の多くが、多頭飼育者となっている現実が有ります。私の場合は「10(匹)20(匹)は当たり前!30超えたら感覚麻痺!」と、豪語していた結果です。多頭飼いとなった理由。健全な猫ボラさん達には、キッカケがあります。猫に対して、あまり興味のなかった私のキッカケは、衝撃的な出会いがあったからです。

当時、バブル崩壊後でしたが仕事も順調、子供達は大学生となり巣立つ。子育てが終わり、少々、燃え尽きた症候群であったかもしれません。よく晴れた気持ちの良い朝、細長い小道にて、犬の散歩をしておりました。眩しい逆光の中、遠くから黒い物が、走ってくるのが見えました。小さい物体は、叫び声をあげながら、私を目指してダッシュ。すぐに黒子猫と分かりました。ガリガリに痩せ、毛並みの悪い子猫が足元に来た。一つの眼球が、定位置からズレて、落ちそうになっていた。自分の採血さえ見ることができない私は、怪我が苦手で、怖くて固まりましたが、運よく近所の若い人が、通りかかり助けてくれました。子猫を持っていた袋に入れてもらい、観察することなく自転車で、知り合いの獣医さんに運び、全てをお任せ。医療費は負担し、その子に貰い手をつけるとの事で、私の中では一件落着。しかし、その後、続々と猫に出会っていったのです。

大晦日の早朝でした。同じ小道で猫が死んでました。死体など絶対に触れない私には、拷問でした。大晦日です。清掃局、葬儀屋さん、病院、全て休み。泣きそうになりながら、死体を自宅まで運び、氷詰めにして、正月3日間を過ごす。怖かったです。お化けも苦手ですから。死体を運ぶときには、死体の冷たを感じないよう、厚手の毛布で包み運びました。氷詰めの作業を、どうやったのかは記憶がないです。

年明けての5月、お天気の良い日でした。猫の散歩中、箱に詰められた子猫3匹を発見して保護。午後は、楽しそうに遊ぶ2匹の子猫を拾いました。自分では飼えないと思い、すぐに貰い手探しを始めました。まずは知人友人から、電話で営業。5匹の中、3匹はすぐに決まりましたが、残りは可愛くなり、自分の猫としました。
猫の散歩?実は、片目が垂れていた黒子猫を、獣医さんに押し付けてしまったことへの、反省と後悔があって、その後すぐ獣医さんで保護されていた、鼻水だらけの子猫を1匹貰い受けたのです、犬1匹と猫1匹の暮らし。犬が散歩に行くと、猫も行くと騒ぐので、当時、猫の散歩もしてました。暇で、優雅な生活してました。

野良猫は死ぬ。子猫は捨てられる。二つが、私の脳内に刷り込まれた。神様は次に、TNRを教えた。猫オバさん(外猫にご飯を配食する人)との出会いを作り、可哀想な話を聞かせてきました。「可愛がっている公園の白ちゃんが、子供を産んだのよ。白ちゃんは、初めての子育てで、どうしていいか分からないで、子猫を木の上に咥えて上げたの。そしたらカラスが食べちゃったの」号泣しながら、私に言うのです。衝撃でした。カラスは子猫を食べるのか?そんな場面に遭遇したら、私は倒れます。子猫が歩く姿は、たまに見てはいました。平和な公園で、残酷なことが起きている。すぐに獣医さんに、どうすれば良いのか聞きました。そこで初めて、不幸な子猫を増やさないために、野良猫の不妊手術の必要性を知ったのです。行動を起こしました。猫オバさんと協力し、大暴れする白ちゃんを袋に入れ、獣医に運びました。TNR活動とは術後、猫の元居た場所に戻すのが決まりですが、できなかった。若い小柄なメス猫。公園には、厳ついオス猫が沢山いる。未去勢のオスが襲ってくる。可哀想です。元に戻すなんかできない。でも家には、犬1匹、鼻水の猫1匹、子猫が3匹。これ以上飼うことができるのかどうか不安でした。そこで賭けたのです。獣医さんから直接、家に連れてくる。誰も居ない部屋に放す。トイレを、きちんと使ったら飼う。ダメなら放す。私の頭の中には、野良猫=粗相。ドキドしながら室内でのリリース。白ちゃんは、バッグから出ると、キョロキョロすることなくトイレに走り込みました。合格!我が家の猫となる。名前は白りん。前もって名前は浮かんでおりした。
(猫ボラのキッカケ話は続きます)


白リン2017年9月14日 18歳で逝く





#うちの保護いぬ保護ねこ


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