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未来からの電話

 ある日の日曜日、僕の家に電話がかかって来た。電話の声は全く聞き慣れない声で、言った。今から宝くじの当選番号を言いますからメモして下さい。僕は一体何のことを言っているのか良く分からなかったが、とりあえず言われるままに電話の主が言う番号をメモした。電話の主は必ずこの番号の宝くじを買ってください。今日の午後十二時ジャストに近所のスーパーの宝くじ売り場に行けば買えますから。と言って切れた。僕は何か新手の悪戯かと思ったが、宝くじなんて買っても一枚たった100円だ。もし当たったりしたらこれ程嬉しいことはない。僕はお父さんに言われて、近所のスーパーにお昼のお弁当を買いに出かけたついでに、電話で言われた通りに、正午12時丁度に一枚だけ宝くじを買った。発表は1週間後だ。きっと何かの悪戯だ。と思った僕は一週間後の発表の頃にはそんなことがあったことをすっかり忘れていた。するとまた電話がかかって来た。以前の聞き慣れない声で「今日は宝くじの当選発表の日だ。ちゃんと朝刊で確かめたかい?「とだけ言って切れた。僕はそういえばそうゆことがあったことを思い出して、ポストに朝刊を取りに行った。

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