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父親とバンドの話  第3話

第3話

 僕が会社から帰宅すると、父親が開口一番こう言った。「おい、お前軽音楽部で部長やってんだってな!今日音出しをして合わせてみる時にメチャクチャに困ったぞ!」と怒鳴った。僕は「そうか、僕もそのことが一番気がかりだったんだ。とにかくギターを弾いて歌ってもらわないことには話にならない。とその日からギターの特訓が始まった。とにかく部活はウイルス性の病気に喉がかかってしまったので、しばらくは発声できないということにして休むことにした。父親は僕が会社で指示通りに何とか仕事をこなしているのに申し訳ないと思ってか、僕のギターの特訓にも文句ひとつ言わずについてきてくれた。だから3週間後には僕のバンドの代表曲ぐらいは弾きながら歌えるようになっていた。僕も父親がバンドが成功できるように一生懸命に特訓についてきてくれたんだぞと思って必死で父親の仕事を覚えて指示通りミスがないようにこなしていった。僕は仕事をすればする程父親はこんな大変な思いをして家にお金を入れてきてくれたんだなぁと思って父親をかなり尊敬するようになっていた。一方学校の親父はというと、特訓のかいがあってギターを何とか弾きながら歌えるようになっていたので、今日初めてメンバーと音合わせをした。


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