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Audioと耳鳴り

Tetiana_Sinkova_UAによるPixabayからの画像


今回はオーディオと耳鳴りについてです

若い人たちであっても、たまに耳にキーンと甲高い耳鳴りが聞こえてくることがあると思います。疲れやストレスが溜まっていると出やすいかもしれません。ひとによっては内耳と呼ばれる耳の奥の器官の病気のために耳鳴りが出る方もおられるでしょう。
 わたしも若い頃、たまにそういうことがありました。でもしばらくすると聞こえなくなってしまいます。ところが歳をとってきますとこの耳鳴りが多くなってきて遂にはいつも少しだけキーンという小さい音が耳元で鳴っている状態となってしまいました。
 耳鳴りの治療について調べてみたりしましたが、結局、耳鼻科のお医者さんがおっしゃっておられたように「耳鳴りは治りません」。疲れが溜まっていると耳鳴りが強くなり、しっかりと睡眠がとれて体調がよくなると改善するといったところです。その嫌な感じの耳鳴りですが、根本はそのように諦めなければ仕方ありません。今の自分の身体の状態として受け入れなくてはならならないわけです。

ところで、ここのところオーディオをLinux Audioシステムで聴くようになってきた頃から、この耳鳴りがさらに気になるようになりました。とりわけ疲れて体調の悪い時に聴きますと、かなりのレベルで「シーン」と聞こえてきます。ひょっとするとオーディオの音よりも強く感じることさえあります。

これはLinux Audioが悪いのでしょうか。たしかに通常のCD再生ではこのシーンという耳鳴りは少ないです。ネットで調べてみてもそんな情報は出てきません。ChatGPTやGeminiに質問してみてもこれと言った答えは返ってきません。ひょっとするとLinux Audioが悪いのでしょうか???

ネットで高音性耳鳴りについて調べてみますと、どうもこいつは年齢と関係ありそうです。すなわち、歳をとってきて動脈硬化性に内耳の血流が低下してきますとまず最初に高音が聞き取りにくくなります。これは高齢者で顕著です。高音性のキーンとかシーンといった耳鳴りは、この「聞こえの悪い高音」を「脳が無理矢理増幅して聞こうとして感度を上げる」ことによって起こるようです。

このAudio関連の耳鳴りに初めて気づいたのはわたしがこれでもかとお勧めしているXubuntuCore Audioを使っていた時のことでした。そしてここのところハマりまくっているSparkyLinux Audioで聴きますと、これがもっと強くなるんです。SparkyLinux Audioは余韻の強さが要因と考えられる「音場空間の広がり感」がもの凄く素晴らしく、本当に目の前に演奏会場が飛び出てくるような感じを受けます。ですがその一方、シーンという耳鳴りが強くなって、これがひどい時は「耳鳴りの中に音場空間が出来上がって」いるようにさえ感じてしまうのです。

いくら素晴らしく響く余韻空間をもったAudioシステムであったとしても、耳鳴りがそれ以上に出てくるのはちょっといただけません。でもSparkyLinuxは聴きたい。さて、どうする!?!


ここで試したのがALSA-Equalizer (EQ)です。わたしは作成したLinux Audioシステムには必ずこのALSA-EQをインストールします。そして音場に合わせて適宜ゲインをコントロールします。このSparkyLinuxを使っているMacBook Proは2017年製で高音が強く出ます。ちなみにこのMacBook Proで聴きますとXubuntuCore Audioはキンコンカンと高音がものすごく強くて音のバランスが悪く使い物になりません。これがSparkyLinuxを走らせると全く別物となってそれこそ別次元のオーディオに変身して素晴らしい世界を作り上げてくれるのです。それはそれはとても素晴らしい音場世界なのですが、自分の体調によっては耳鳴りが本当に酷くなって、続いて聴くのが辛くなるのです。その耳鳴りを減らそうとALSA-EQを扱ってみました。

高音性の耳鳴りなので高音を減らしてみます。上述のようにMacBook Pro 2017年は高音が強く出て音が硬いので、そもそも高音を減衰気味にしていたのですが、もっと思い切ってグッと減らしてみました。最低音31 Hzをを97 dbまで持ち上げて、高音に至るまでほぼ直線的に減らして16 kHzで44 db程度まで下げてみました(下図参照)。

するとどうでしょう。これまで目の前にせっかく出来上がっている広い音場感をさらに広く取り囲んでいたシーンという耳鳴りがグッと小さくなったではありませんか!音場感は十分保たれています。この条件でしばらく聴いてみましたが、耳鳴りは気にならなくてとてもいい感じです。

やりました!これで加齢性耳鳴り気味のわたしにも安心して聴くことのできる素晴らしいオーディオが出来上がりました!

SparkyLinux AudioでのALSA-EQの設定

しかしよく考えてみますと、「高音成分を減らすとシーンという高音の耳鳴りが減る」ということは内耳と大脳に対してどのような効果をもたらしているのでしょうか。そもそもこの耳鳴りが、加齢による高音の感度低下を補正する「高音成分を増幅しようとした副産物」であるならば、高音成分を強くした方が耳鳴りが収まりそうな気もします。でも実際には逆でした。

それでいろいろ考えてみたのですが、もしかするとPCM音源になにか耳鳴りを誘発するような何らかの高音性の成分があるのではないでしょうか。と、勝手な想像です。

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