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母の弁当

あなたは母の弁当を何年間食べましたか?
どんなおかずが入ってましたか?
定番のおかず、お気に入りのおかず、ぜひ聞いてみたい。

私は母のお弁当を数回しか食べたことがない…5回あるだろうか、という程度だ。これが多いか少ないかは人によると思うが、私は少ないと感じる。
母と言っても、私の両親は離婚しており、母とは別居してたまに会う程度なので、
それを加味すると多いのかもしれない、が、母は母だ。

もう1人、私には母がいる。
正式には、祖母だが、私を小さい頃から育ててくれた、母のような存在の人だ。
そんな祖母のお弁当は、きっと数えられないくらい食べた。保育園生、小学校の遠足の時、中学、高校の部活動の時。
私の通っていた高校は、全国でも珍しく給食がある学校だったので、高校の時は部活動のみ、お弁当を作ってもらっていた。

なぜ、私が母に作ってもらったお弁当履歴をいきなり綴っているのか、と言うと
今はもう作ってもらえなくなったからだ。
(母も祖母も元気にしている)

今はもう作ってもらえなくて、それが少し…いや、結構悲しいものだなぁと思って
過去に作ってもらったことを今更ありがたく思っているのだ。

そう思ったきっかけは、私の大学の友達にある。

私は、大学で4人で過ごしていることが多い。お昼も一緒に食べているのだが、
その4人の中で、私以外の3人は、
毎日 母親のお弁当を食べているのだ。
時に、ある友達はこう言う
「毎日このおかずだ〜」「いつも同じだと飽きるよね」
「今日はお弁当いらないって言ったのにー。(それでもその子の母は作ってくれていた)」
そして、明日は空きコマがあるからお昼はマックに行こう!という話になれば、その日、友達は「明日はお弁当なくて大丈夫。」と、母親に伝える。
私は、まず作ってもらえないから、お弁当に関してどうこう言うこともなければ、明日マックに行く予定があっても、それをわざわざ伝える人がいない。

でも、今思えばお弁当を作ってもらっていた頃の私も、大学の友達と同じように、母や祖母が作ってくれるお弁当に対して不満を言っていた気がする。

母のお弁当は、
栄養バランスが整っていた。そして、母はマヨネーズを使わない人だった。
ブロッコリーや、オクラがお弁当に入っているのだがそれらは何もつけずに食べる、というのが母流だった。母のお弁当を食べたのは保育園の頃で、当時は野菜に何も付けずに食べることが出来なかった。
そして私は「これ食べれない!」と、その野菜を避けていた。
次に母のお弁当を食べる時は、野菜の横にマヨネーズが添えてあった、ような記憶がある。
母はマヨネーズを全く使わない人だから、私のお弁当のためだけに、マヨネーズを買ってくれたのだと思う。私はそのおかげで野菜を食べれた。母は優しかった。

祖母のお弁当は、
具が沢山あった。
祖母はお弁当を作りなれていなかった。
同じ具が色々なところにあって、見栄えが悪いな、といつも思ってしまった。フルーツを別タッパーに分けないところも好きじゃなかった。お肉の横にリンゴが入ってることも多々、私はそれがなんだかすごく嫌だった。
それを指摘したこともあった。
保育園の頃、周りの友達のキャラ弁当が羨ましくて、それを祖母にお願いした。
祖母はキャラ弁を作ったことがないのに、どこから調べたのか、次の遠足の時はキャラ弁だった。
その時の写真をアルバムで見た事がある。
お弁当は全然可愛くなくて、なんのキャラだか分からないし、やっぱりキャラクターのおにぎりの横には缶詰めのみかんが入ってて、、
でもその時、5歳くらいの私はすごく笑顔だった。


明日から大学が始まる。
週6、毎日1限から始まる授業予定に私は少々ビビっている。いつか遅刻してしまう気がする。いや、するな自分と言い聞かせておく。

大学が始まるのを前にし、いつもの4人組のグループLINEで、話題は明日の持ち物について展開されていた。
教科書、実験ノート、白衣、お弁当 …あっ。
そっか、明日からみんなはお弁当を作ってもらえるんだなぁ、私も…お願いしてみようかな。
そう思って、私は祖母にお弁当を作ってもらえないから交渉してみることにした。
しかし、結果はダメだった。
私👩🏻「明日からお弁当を作って欲しいです
!毎朝7時半の電車に乗らなきゃ行けなくて、それが週6あるの。友達は作ってもらってるんだ。勉強頑張るのでお願いします。」
祖母🧑🏻‍🦳「やだ。なんであなたが寝てるのに、私が早く起きて作らなきゃいけないの。あなたが早く起きて作ってて、時間ないから手伝って、ならいいけど、わざわざ早く起きるのはいやです。」

キッパリ……(😭)
祖母の言ってることは分かる、、確かに、そうだよなぁ、という感じはする、、。
私が甘かったかもしれない。
でも、何も言わずとも当たり前にお弁当が用意されてる友達が羨ましい、と思ってしまった。


そうだ、中学の部活のお弁当で
普段お弁当を作ってもらってる友達が、
今日はお母さんが忙しかったからコンビニのおにぎりなんだ〜と言っていて
私はその頃、お弁当をずっと作ってもらっており、祖母の作るお弁当に不満があった時期だった。
だから、コンビニのおにぎり美味しいよなぁ〜食べたいな、そう思い、
祖母に「今度の練習の時はコンビニのおにぎりがいいから、お金ちょうだい」と言ったが、それを聞いた父が、静かに、そして悲しそうにすごく怒った。
今ならその理由がとても分かる。


社会人になれば、お弁当を自分で作って行く人が多いのだろうか。
それならば、今はその練習だと思って、自分でお弁当を作ったら良いという話か。
世の中には、自分でお弁当を作ってる大学生、ならずとも高校生、
一人暮らしをして、家事から何までやっている、お弁当だけでなく毎日の晩御飯も自分で用意する大学生だって数え切れないほどいるだろう。私は、実家暮らしで毎日当たり前のように家族に会えていて、夜は当たり前のように暖かくて美味しいご飯が用意されている、それだけで十分なのだろう。
分かっている、
ただ、いつも一緒にいる友達の中で私、だけ、がお弁当を作ってもらえないのが、少し寂しかっただけなのだ。
何日か、ならば私だってなんとも思わないし、自分で用意すればいいのだが、
当たり前にお弁当を毎日持ってくる友達が
とてもとても羨ましくて、つい過去の自分の言動に後悔してしまった。
また、家に帰れば母親がいることも、私がその友達を羨ましく思うことを何倍も促していた。
今更後悔しても遅いし、私が何を思ってもどうにもならない母との距離がただただ虚しく感じる。

もう私は小さい頃女の子ではないのだからこんなことは言ってられないのだが、。笑

お弁当作り、幸い私は料理が好きだし、
学部は管理栄養士の学部なので、まぁ
勉強だと思ってこれからやれば良い。
いや、妥協した言い方は良くない、
これから私は自分で美味しいお弁当を作れるように、頑張ります‼️

そのために、まずは早起きすることが1番の目標である。

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