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診療放射線技師のお仕事

こんにちは。
診療放射線技師のだーはらです。

今回は、私が職業としている診療放射線技師というお仕事を紹介していきたいと思います。

診療放射線技師とは?

診療放射線技師という職業は、
『医療の現場において、放射線を用いた検査や治療に携わる職業』です。
医師や歯科医師の指示を受けて、放射線を人体に照射することができます。
国家資格『診療放射線技師免許』が必要となります。
「レントゲン技師」と呼称する人もいますが、職業名は『診療放射線技師』という職業ですので、覚えていただけるとありがたいです。

診療放射線技師の業務とは?

診療放射線技師の主な業務は、放射線を使った「検査」と「治療」です。
病院では多くの検査や治療を行いますが、その中で「放射線を扱う装置」を担当しているのが診療放射線技師です。
診療放射線技師免許は独占業務資格であり、病院の中で放射線を人体に照射することができるのは「医師」「歯科医師」「診療放射線技師」に限られています。
様々な装置を操作して検査や治療を施行するだけでなく、撮影した画像の管理や調整、各装置の管理、患者さんやスタッフの被ばく管理も診療放射線技師の仕事です。

診療放射線技師が操作する装置

単純X線装置(一般撮影装置)

皆さんがまず思い浮かぶ検査装置です。
この装置では、胸やお腹、関節など全身を撮影してます。
手術室で使用する移動式のものや、マンモグラフィのように用途に特化した撮影装置もあります。
一番最初に撮影されることが多い検査で、撮影件数も圧倒的に多いです。
一番多い検査であり、診療放射線技師の技術や性格が一番反映される検査です

X線CT装置

寝台の上で横になり、穴の中を通過しながらX線にて検査する装置です。
通常はCTと呼ばれています。
検査時間は5分〜15分程度、検査によっては造影剤という薬剤を血管内に注入して検査を行うこともあります。
撮影される画像は輪切りのような画像で、1㎜以下に再構成した画像を重ね合わせることで、様々な画像を作成することができます。
診療に役立つ画像をいかに作成するかに技師の技術の差が反映されます。

MR装置

大きな磁石の中に入って検査をする装置です。
X線を使用しないため、診療放射線技師だけではなく臨床検査技師が担当することもあります。
検査装置の中で特に大きな音がする、装置の中が狭い、ペースメーカーなど体内に医療機器を埋め込んでいる場合は検査できないなど、最も患者さんの制限が多い検査機器です。
体を動かすと画像が大きくぶれてしまうなど、患者さんの協力がとても重要になる検査装置です。

X線透視装置

単純X線装置と異なり、連続してX線を照射して体内を観察できる装置です。
バリウムを飲んで胃の検査をするときに使用する装置です。
バリウム以外にも小腸や大腸など消化管の検査に使用されることが多いです。

血管撮影装置

X線透視装置と内容は同じですが、一回り大きな装置になります。
心臓や血管などの観察や治療に用いられます。

骨塩定量装置

X線を照射して骨塩量(骨密度)を計測する装置です。
骨粗鬆症のリスクや現在の状態を検査することができます。

超音波検査装置

超音波を利用して体内の様子を観察できる装置です。
お腹や心臓、血管や甲状腺など用途に応じて道具を使い分けます。
X線を使用しないため、被ばくはありません。

核医学検査装置

体内に放射線医薬品(ごく微量の放射線を短時間出す薬剤)を患者さんの体内に投与し、薬剤が出す放射線を読み取って画像化する装置です。
PETと呼ばれる検査も核医学検査に該当します。

放射線治療装置

検査装置に比べて非常に強い放射線を体内に照射し、治療を行う装置です。
検査装置では低線量化(使用する放射線の量をできるだけ減らす)が進んでいますが、放射線治療では治療対象以外に放射線が当たらないようにする工夫や、治療対象に安定して照射する為の工夫が日々行われています。
また、非常に厳格な精度管理が求められる装置です。

診療放射線技師が操作する装置を簡単に紹介しました。
一つでも興味を持っていただけると幸いです。

診療放射線技師の勤務形態

診療放射線技師の一般的な勤務形態を紹介します。

日勤

病院やクリニックなど施設の開院時間に合わせて勤務します。

夜勤(当直・宿直)

救急病院では、時間外でも検査に対応できるように診療放射線技師が院内に常駐している施設が多いです。院内に常駐していることで、時間外に検査を依頼された場合でも素早く対応することができます。

時間外呼び出し待機

時間外の検査が少ない施設では、診療放射線技師が院内に常駐していないことが多いです。時間外に検査が必要になった場合、当番の技師が病院に来て対応します。当番の技師が施設に来るまでの間は検査ができないため、検査の待ち時間が生じてしまいます。

検査は時間外でも必要となる場合があり、施設によって当直していたり呼び出しで対応したりしています。待機当番をしているときは、呼び出されてから〇〇分で駆けつけられる範囲など行動が制限されます。

おわりに

今回は、診療放射線技師の業務内容に関して簡単に紹介しました。
検査は24時間いつでも必要とされる可能性があり、施設によってそれぞれの勤務体制で対応し、いつでも検査ができる状態になっています。

少しでも診療放射線技師という職業を知っていただき、正しい職業名を覚えていただけると嬉しいです。

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