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小さなお花屋さんのお話⑧〜虹色〜

自然が豊かな町にある、
小さなお花屋さんのお話。

お花が大好きな店主がお店に立つ
小さなお花屋さん。

そこは時間がゆっくり流れるような
のんびりした場所。


店主は今日も大好きな花たちを束ねています。

「ねぇ見て!虹が出てる。」
常連の男の子が駆け込んできました。

店主も急いで外に出て虹を見ます。

虹の色は七色と言われています。
赤、橙、黄色、緑、青、藍、紫


「カラフルで綺麗だね。」

「僕は水色が好き!
なんかいいことあるかなぁー。」

「ありますよ、きっと。」

「知ってますか?
水色は驚きの色らしいですよ。

感情にも色があって、
虹みたいに
赤、橙、黄、黄緑、緑、水色、青、紫に分類されるらしいです。
それぞれ、
赤は怒り、橙は期待、黄色は喜び、黄緑は信頼、緑は恐れ、水色は驚き、青は悲しみ、紫は嫌悪の感情を表すそうです。」

「感情の色?
んー。じゃあ虹はいろんな感情でできてるのかな?」

「どうでしょう?
自然のメカニズムは置いといて、
色から考えてみるのは面白いですね。
世の中には色んな感情が溢れていますからね。
それらが虹色となって見えてもおかしくないです。
水色が好きと言った君の感情ともリンクしているかもですね。」

「どう言うこと?」

「今ちょうど色と感情をモチーフにした花束を作っているんですけど、見ますか?」

「面白そう!見たい!」

店内の作業台には
8色の花束が並んでいます。
それぞれの色からのメッセージが添えられて。

「それではご紹介しますね。
水色の花束は…」

エリンジウム
ブルースター
ブルーレースフラワー
ベロニカ
アジサイ
デルフィニューム…

「水色の花束は驚きです。
驚きsurpriseとは
<予期しない事象を体験した時の瞬間的な感情>
のことを言うそうです。
想像してなかったことに対して
びっくりとかわぉって感じですかね。
じゃあ
水色からイメージするものは何でしょう?」

「空とか海とか…」

店主はうんうんとうなづきます。

「受ける印象は?どんな感じがしますか?
爽やかとか優しい、冷たい、冷静、落ち着く…
そんな印象を受けます。
なんか広大な感じのものが多いような気がしますね。

もしかしたら
水色が好きとか気になるときは、
もっともっとやりたいことが
たくさんあるときかもしれませんね。
好奇心や向上心が溢れて、
今より広い世界に飛び出したいと思っているのかも?
自由になりたいとか。

そうならきっと大丈夫。
水色が応援してくれますよ。
優しく背中を押してくれます。

なので、私が感じるメッセージは
こうです。」

"今の自分を超えて行け!
想像を超えて
もっと大きく、もっと軽やかに成長できる"


目をキラキラさせて
男の子が言います。

「実は僕ね、建築士になりたいんだ。
かっこいい建物や楽しい施設を作りたい。
たくさんの人を驚かせたり喜ばせたいんだ。」

「素敵な夢ですね。もちろん応援します。」


「気になる色や好きな色は変わります。
その時その色から感じるものを
自分の答えにしたらいいと思います。
きっと色が味方してくれますよ。」


ここはお花が大好きな店主の小さなお花屋さん。


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