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小さなお花屋さんのお話⑨〜お盆〜

自然が豊かな町にある、
小さなお花屋さんのお話。

お花が大好きな店主がお店に立つ
小さなお花屋さん。

そこは時間がゆっくり流れるような
のんびりした場所。


ユリ
トルコキキョウ
キク
カーネーション

店主は対で同じものを作ります。
お盆なのでお墓参りに行くようです。

ご先祖さまや故人をお迎えし供養する期間であるお盆。
誰にでもご先祖さまがいます。
名前も顔も知らないたくさんのご先祖さまが。
独りじゃないんだなぁと感じる時期です。

今日の店主は静かです。


花立に持ってきた花を入れ、
お墓の前で手を合わせます。

しばらくそのままで…

心を込めて尊敬の念や
日頃の感謝を伝えます。

家族のかたちはひとつも同じものはないです。
先祖から受け継がれてきたもの
大切にしたいもの
もう解放されたいもの
いろいろあると思います。


店主が帰ろうと立ち上がると
心地よい風が吹いてきました。


『気負わずがんばり〜や。
なるようにしかならんで〜。
見守ってるからな。』

店主は口元を緩ませつぶやきました。

"ありがとう。ぼちぼちがんばるわ。"



ここはお花が大好きな店主の小さなお花屋さん。

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