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ツバメ夫の北信田舎暮らし:俳句とエッセイ 005

山栗のイガ散る道を里の湯へ

信州高山村は『信州高山温泉郷』を観光のキャッチフレーズにしている。信州高山村観光協会のホームページには以下のように書かれている。

『高山村を深い V 字の渓谷で分ける松川のほとりには、谷筋に沿って八つの温泉が点在し、信州高山温泉郷を形作っています。上流から、下流まで、奥山田温泉、七味温泉、五色温泉、松川渓谷温泉、山田温泉、蕨温泉、子安温泉、そしてYOU游ランド… 』

私にとって温泉は農業とともに、私の田舎暮らしの大きな二本の柱となっている。

私はしばしば、日に二回入浴する。例えば、午前中の農作業で汗をかいた後に一回、就寝前に一回。あるいは、日中の長距離散歩の途中に一回、就寝前に一回のように。

高山村の温泉の存在を知ったのは、ここに生活拠点を確保した後で、偶然に転がり込んできた幸運だった。

温泉が手近にあるということは実に贅沢な気分を味わうことができる。だが、この贅沢感にも関わらず、実際の入浴料は、自宅の小さなバスタブを湯で満たすために使うガス代よりも安いのだ。それを可能にしているのが温泉年間パス(2万円)だ。

私は約9ヶ月(つまり270日間ほど)を高山村で過ごし、残りの3ヶ月を、本拠地である千葉県で過ごす。高山村に滞在する270日の内、200日が1日一回、70日が1日2回の入浴ならば、高山村滞在中に340回入浴したことになる。

温泉を楽しむためのコストを計算すると、20000÷340=58.8…。つまり、温泉入浴1回あたり、なんと60円以下なのだ!村民福祉という観点もあるのだろうが、高山村のこのサービスをありがたく利用させてもらっている。

この年間パスは村営温泉3箇所のみで利用可能だ。その3箇所とは、山田温泉大湯蕨温泉ふれあいの湯、そしてYOU游ランドだ。

ちなみに私が最も利用するのは蕨温泉ふれあいの湯で、理由は単純に一番近いから。自宅からの距離はわずかに1 km。

一番満足できるのは泉質の良い山田温泉大湯。開湯200年以上を誇る山田温泉の中の超クラシック建築で、源泉かけ流しの湯で、『あつ湯』の浴槽の中では、常に湯の花が揺れている。主に、日中の散歩の途中で立ち寄ることにしている。自宅からの距離は1.8 km。

この山田温泉大湯、日中に訪れると、しばしば、他に利用者がなく、。湯船の中にたった一人で、湯口からちょろちょろと注ぎ落ちる湯の音を聞きながら、リラックスするのは私にとってはこの上ない愉悦だ(むしろ湯悦?)。

ちなみに、YOU游ランドは滅多に利用しない。モダンな建物で私には味気なく、自宅から最も遠いからだ。ガソリン代ももったいないし。ただ、YOU游ランドならではの素晴らしい点は、同館のプール施設の利用が温泉の年間パスに含まれていることだ。ちょっと泳いでみたくなった時は、足を伸ばしてそこまで行く。

残念なことに、当然のことながら、この年間パスは、私が一度行ってみたいと思っている、混浴露天温泉の松川渓谷温泉などには使えない。

私がnoteにせっせと記事を書いている理由の一つには、田舎暮らしに興味のある同好の士をこの高山村に呼び込みたい気持ちがあるからでもある。

そのために今回の記事は、高山村の宣伝を念頭において書いた。温泉がある田舎生活の魅力を感じていただくことができただろうか?

高山村には温泉と農業以外にも、まだまだ素晴らしい魅力がある。それらについてもおいおい書いていきたい。





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