#179_主体性はどのように育まれるのか

主体性と自主性は違う。
この問いは、麹町中学校を建て直した、工藤勇一先生の言です。
若い頃のわたしは、この意味がわかりませんでした。

自分で実践を重ね、書籍を読み、また実践をする中で、少しずつ見えてきました。
今読んでいる書籍は「主体的学習入門」。
Amazonでとても安く手に入ります。

入門書らしく、エッセンスに絞ってわかりやすく書かれています。
主体的学習とは?と問われたとき、村上は次のように話すといいます。
「一時間の学習指導の中に、自主学習、協力学習、解決学習の3つの学習機能が調和的に有機的に働いている学習」

そして主体性を発揮するためには、「わかった!」「できた!」という体験が不可欠であり、その繰り返しで学びに対する主体性を獲得すると続けます。

いくつかの基本条件が示されていますが、わたしのフックに引っかかったのは以下の2点。
① 教師は子どものレディネスと指導目標・内容とのへだたりを明確につかみ、どのような理解過程を経て目標に到達させるかという、中核的な理解の構造を明らかにする必要がある。(教材研究・子ども研究)(p.123)
② 発表訓練よりも受容訓練を先にすることです。(中略)発表力の訓練は、まず人の言うことを”聞く”ことからはじめねばならないことがわかったのです。(p.115)

①については教科の独自性と共通性があることも触れています。
(各教科の主体的学習シリーズがたくさん刊行されているのでそれに触れるとよいです。)

もっと面白いのは、教科教育だけではなく、道徳教育の主体的学習の実践についても書籍が刊行されていることです。
(「道徳・主体的学習の実践」木戸保、明治図書、1971)
まだ読み始めたばかりですが、面白そうなにおいがぷんぷんします。

教科教育のベースは、予習→授業→復習のサイクルを子どもが回すこととなっていますが、道徳はいかがなものか。
今から読むのが楽しみです。

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