#48_地震が起こると何が起きるか
中学1年生の理科、地学分野では、地震について取り扱う。
1月1日に大きな地震が起こったこともあり、子どもたちは経験と結びつけながら、たくさんつぶやきながら授業に臨んでくれていた。
この単元は、火山・地震・地層の3つの学習内容で構成されている。
身近な自然災害とも大きく絡むため、とにかく具体的な事象を挙げながら学習を進められるように単元を構想した。
今日のテーマは
「地震が起こると何が起こる?」
起こりうる事象を連想ゲームのように挙げた。
わたしは、東日本大地震のとき既に働いていた。
そのときに体験したこと、起こった出来事を、できるだけ生々しく語った。
子ども「地震が起こると土砂崩れが起こる」
わたし「土砂崩れが起こると、次はどんなことが起こると予想できる?」
子ども「家が崩れる」「流されるかも」
子どもたちの予想は、土砂崩れの域を出ない。
わたし「土砂崩れが起こると困ることって何?」
子ども「外に出られなくなる」「助けに来てもらえなくなる」
わたし「なるほどー、そうだよね、よく気づいたねー。通行止めになっちゃうものね。」「通行止めになると困ることは?」
ここまで問いかけると、子どもたちは大抵「あー。」となる。
子ども「ものを運んでもらえなくなるんだ」「食べるものが手に入らなくなる」
わたし「そう、食べ物が入ってこなくなる。実際、スーパーはこんな感じだったよ。」(写真)
子ども「何もないじゃん」「お金があっても買えないんだ、、、。」
わたし「ものが入ってこなくなるってことは、もうひとつ困ることがあるよ。みんなは普段、何で移動する?」
子ども「車」「自転車」
わたし「そうだよね。車って何で動くの?」
子ども「あっ、、、。ガソリンだ。」
当時の写真を見せながら語った。
地震が起きた直後にガソリンを入れたこと。
そのあと、スーパーからものがなくなり、ガソリンスタンドは長蛇の列ができたこと。
多くの人たちは、そのときにあるものを分け合って、助け合いながら生活していたこと。
いかに事前に災害避難袋を入念に準備することが大切かということ。
子どもたちの目は真剣そのものだった。
理科を学ぶ目的は、科学的なものの見方・考え方を養うこと、微視的な視点と巨視的な視点をもてるようにすることだが、同時に生きていく知恵をつけることも目的の一つに含まれると考えている。
子どもたちが、自分たちの身を自分たちで守れるように。
子ども自身の力を使って、これからの世の中を生きていけるように。
そんな力をつけて、別れのときを迎えたい。
この社会を生き抜く力。
道徳性にも関わる力。
まだまだだけど、そんな可能性を感じた単元の導入の一コマ。