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【エッセイ】どうやら収納が大嫌いなようだ:親に嫌われていると腹落ちしたら、片付けることができました    

自己否定をやめると色んなことが面白くなっていく。


 自己否定をやめて、責任転嫁をやめて、収納が嫌いと気づいた。
 片付けられないのは私がダメ人間ってわけではなく、生まれつきの性質のせいでもなく、家族がいるからでもなく、収納が嫌いという性格に適した暮らしをしていないからだ。

 おお!
 私は収納が大嫌いなんだ!

 そう気づいた時は興奮した。
 エキサイティング。
 収納嫌い。仕舞うの嫌い。
 そうそう、小さい頃からそうだ。クレヨン、絵の具、筆箱、プリント、仕舞うの嫌いだった。
 私のお道具箱はいつもグチャグチャ。
 ランドセルの底も引き出しもグチャグチャ。
 大人になってもカバンの中はゴチャゴチャ。

 気づいた途端、猛烈に収納を捨てたくなる。
 そして捨てる。
 メタルラック、ウォールラック、プラの収納ケースなど。空になった収納をガンガン捨てていく。片付けるのが嫌いだから、片付けやすい収納棚を設置したつもりだった。そこに仕舞うのが嫌いなんだから仕舞うものを減らせばいい。

・例えばキッチン

 キッチンの道具は、減らして備え付けの引き出しに入れた。仕切りも嫌いだからそのまま放り込む。ものが少ないから、引き出しに並べればいい。でも、菜箸と木べらは立てている。特に菜箸は入らなかった。まあ、私のことだ。この二つは使用頻度が多いから、どうせ引き出しの開けしめが面倒くさくなるだろう。ということで、立ててもいいかな。
 カラトリーは瓶に立てていたけれど、平たい箱に分けて茶箪笥の引き出しに入れた。それを仕舞うのは頑張る。子どもらには高評だ。
 次男は特に「いいね」してくれた。親指を立ててアピールしてくれた。まだ小さい次男は瓶より引き出しのほうが見やすいし使いやすいらしい。  
 ラップはキッチンカウンターに置く。
 カウンターに何も置かなくなり、ラップだけが隅に佇む状態。使用頻度が高く、長男は弁当を作る時に使うし、夫も料理をする。私もほとんど毎日使うので「すぐ見つかって手に取りやすい」を重視した。

・例えば服

 服はできる限りハンガーにかける。
 それから不要な服は捨てる。サイズが合わなくなっただけで、まだ着られるのは資源回収に出した。
 私の住んでいる地域は服、布類は行政がリサイクルしてくれる。助かります。ありがとうございます。
 調べれば、ちゃんと服の資源回収の注意事項などがホームページに載っている。こういうのがリサイクルで喜ばれる、とかまで載っていた。すごい。なので、子どもたちが取っておいて欲しいと言った服以外はリサイクル。
 もちろん、虫が湧きそうな汚いのは処分。
 もう食われているのも処分。
 すると収納ケースの中身が空になる。

・例えば日用品

 文房具はテーブルワゴンの引き出しに入れる。よく使うものはそこに全て入れている。
 よく使うものなんてたかが知れているから、平たい箱ひとつに細かいものを入れて散らからないようにし、あとは並べる。
 テーブルワゴンのテーブルにはリモコンと停電のときに使うランタン。時々子どものおもちゃになっている。
 使用頻度の低いものは戸棚に仕舞う。

 家中でそんなこんなしていると収納グッツが要らなくなる。
 キチンと収納なんて出来もしないのにやたら使っていた。色々分類するために使っていたプラの仕切り、栄養ドリンクの箱、お菓子の箱、壁にかける魚を焼く網みたいなの、等など。

 入れ物の処分、開始だ。

 大体の入れ物は掃除もされずに使用されていたので小汚い。経年劣化も酷い。処分。
 大物はノコギリや万能ハサミで解体。そこそこ腕力があってよかった。ガンガン空室になっていく収納ケースはそのまま捨てられるので収集日に収集場所へお連れした。

・メタルラック解体

 物が減って、クローゼットに大きなメタルラックが残った。
 このメタルラックがクローゼットにいる理由は、上手く使えなくてここへ追いやられたのだ。なので、不用品を詰め込んだ段ボールを置くだけの場所になっていたけれど、その不用品もなくなったので使用用途なし。しかもところどころ錆びていて不潔。
 大物メタルラックはペグでガンガン叩いて解体。ガンガン解体。
 メタルラックってうまく使えない。難易度の高い。収納嫌いにはむかないのかな。  
 今後、私は収納を買わないほうがいい。
 仕舞うの嫌いなのだから、入れ物も棚もやめたほうがいい。

 家中のゴミを集めた私は、収集日にせっせとゴミ袋を運んだ。
 うちのゴミ捨て場が家から割と近く、割と広くてよかった。ご近所さんに迷惑かけたくないので。
 それにしても大量に運んだ。かなりスッキリした。ゴミもだけど、余計な収納が減って見た目も気持ちもスッキリ。

 きれいな収納に憧れはあった。
 ファミレスのドリンクバーコーナーの茶葉がきれいに分けられているとワクワクしてしまうし、裁縫屋さんのボタンやら糸やらビースやらが種類ごとに引き出しに収められているのが好き。
 そう。見るのは好き。自分でやるのは嫌い。
 
 自分のためにできるだけ面倒くさいことをやめよう。自分に厳しくすることはないさ。
 随分気楽になった。
 
 



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